入学式にて
登場人物 美奈子、あけみ、告白する男
桜岡高校の試験に失敗してしまった美奈子は、自己推薦でバク宙を披露し見事受かった。
登校日…
「今日も気持ちいい朝ね。」
学校到着
「どんな生活送れるか楽しみだわ。」
華やかな想像をしながら、美奈子は元気良く駆けていった。
始業式終了
「あれ?もしかして。」
「美奈子!」
「あんたもここに決めたの!?」
「美奈子もここに入学してたんだあ。ふ〜ん。」
彼女の名は、『あけみ』。
美奈子のライバルであり、良き友。
同じく、運動神経抜群の優等生。
「美奈子、試験途中で帰るなんてありえないよ。」
「知ってたの?」
「別に、まあせいぜい頑張って。じゃあ。」
「待ちなさいよ!」
「はー。恥ずかしい。」
美奈子は、自分の天然さに失望した。
帰り
「みんな元気な人ばかりで安心したわ。」
あけみに逢った事などは、すっかり忘れていた。
ふと、後ろから誰かが美奈子の肩を叩いた。
「ん!?」
「いやー、かわいいなあ。付き合ってください。」
「何よ、突然。レディに失礼じゃない。」
「ダメなら友達で、よろしくお願いします。」
「お断りします。私のタイプじゃないし、突然言われるなんて無理です。」
「いやいや、冷たすぎます。そこを何とか。」
「しつこいなあ。」
「お頼み申します。」
「じゃあ、私に勝ったらね。」
「へ!?何の勝負で?」
「カラーテで、勝負よ。」
「まあ、いいですけど…。」
「いくわよ!」
10秒後
「…あ。」
「文句無しね。さよなら。」
美奈子は、空手の有段者である。
全国大会にも出ており、優勝経験は無いものの、下手して相手するものではない。
こうして無事に入学出来たのだが、明日変な事に巻き込まれるとは、美奈子は知るよしもなかった。