試験を受ける
試験当日…
「予習は完璧だわ。」
美奈子は、軽いステップでとある高校へと向かった。
桜岡高校
創立二十年、若い高校ながら全国大会に出場する部活は数知れずの高校。
「ここね。」
美奈子は、周りを見渡した。
「広い〜!!」
美奈子は、さらに声をあげた。
「ここで決まりだわ!!」
あまりに嬉しすぎて、美奈子は涙が出ていた。
その涙を拭い、校舎へと入って行った。
「あ〜〜〜。」
美奈子は思った。
早くここに来ようと…。
テスト開始のチャイムが鳴り、美奈子はすらすらと問題を解いていった。
試験終了…
「楽勝、これで入学決定だわ。」
美奈子は、チーターのように走って帰っていった。
数日後
「私って馬鹿だ。」
美奈子は、試験を受ける回数を間違えていた。
「チャンスはもう無いの?」
美奈子は、完全に気を落としていた。
「あなた何してるの!?」
「うぅぅぅ…。」
「ここは学校よ。制服を着てないから、どうしてここで泣いているのか、わけを聞かせてくれないと困るのよ。」
「はい…。試験に落ちたので、未練があってここにいつの間にか来てたんです。」
「どうして落ちたの?」
「浮かれ過ぎて、2つ試験受けてなくて、途中で帰ってたんです。」
先生は笑いをこらえていた。
「へえ〜、そうなんだあ〜。」
「馬鹿にしてません?」
「そそそそんなわけないでしょう。あ!そうだ、推薦って知ってるかなあ?」
「推薦…?」
「うちの高校では、特技を見せてもらってアピールしてもらう、『自己推薦』なんていうのがあるんだけど受けてみない?」
「やったー!!」
気が変わり過ぎだと先生は思った。
そういう事で美奈子は、自己推薦というやつを受けてみる事にしたのである。