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異世界リハビリ診療録  作者: 1TOC
第1章:ケース①門番シグルト
8/24

第1章 7『自主訓練の開始と新たな指導』

リハビリが始まってからさらに数週間が経過した。


俺の体は日に日に改善し、左半身の動きはほぼ元通りになった。


握力も戻り、歩行も安定してきたが、カナタ先生、リーネ、レインのサポートは変わらず続いている。彼らの励ましと共に、俺は次のステップに進む準備が整った。


今日は、自主訓練についての指導を受ける日だ。


クリニックに到着すると、カナタ先生、リーネ、そしてレインがいつものように俺を迎えてくれた。


彼らはこれからの俺が自分の力で改善を続けられるよう、今日のリハビリで自主訓練の具体的な方法を教えてくれるという。


「おはようございます、シグルトさん。今日は、自宅でできる自主訓練の方法をお伝えします。これからもリハビリは続きますが、毎日の積み重ねが大切です。」


カナタ先生が優しく語りかける。俺はこれまでのリハビリを通じて、毎日の努力がどれほど大切かを学んだ。だからこそ、自主訓練を通じてさらに体を強くしていきたいという気持ちがあった。


「おはよう、カナタ先生、リーネ、レイン。今日はどんなことを教えてくれるんだ?」


 カナタ先生は微笑みながら、いくつかの道具を取り出した。それは、握力を強化するためのゴムボールや、足の筋力を鍛えるためのストレッチバンドだった。


「まずは、このゴムボールを使って握力を維持し、さらに強化するトレーニングを行います。握力は、日常生活でも非常に重要な筋力ですので、しっかりとトレーニングを続けてください。」


カナタ先生はボールの使い方を説明し、俺に実際に試させた。


ボールを握ると、程よい抵抗が感じられ、筋肉が引き締まる感覚が伝わってきた。これを毎日続けることで、俺の左手はさらに力強くなるだろう。


次にリーネが前に出て、優しく声をかけてきた。


「シグルトさん、今日は魔力のバランスを自主的に調整するコツをお教えします。日々の訓練の中で、体の中の魔力の流れを意識し、そのバランスを整えることが大切です。」


 リーネが手をかざし、俺の体に触れると、彼女の優しい力が伝わってくる。彼女は俺に、呼吸を整えながら自分の中の魔力を感じ取り、それをどう意識して整えていくかを丁寧に教えてくれた。


「毎日少しずつ、自分の体に意識を向けてください。魔力の流れがスムーズになると、訓練の効果がさらに高まりますよ。」


 リーネの指導を受けながら、俺は体の内側に意識を集中させた。彼女の教えを実践し、魔力の流れを整えることで、体がより軽く感じられるようになった。


 最後にレインが一歩前に出て、優しく語りかけてきた。


「シグルトさん、自主訓練を続ける中で、時には焦りや不安を感じることもあるでしょう。その時は、今日教えたことを思い出して、自分のペースで進んでください。そして、自分を大切にしながら前に進むことを忘れないでくださいね。」


 レインの言葉はまるで精霊の声を借りているかのように、心に深く響いた。彼女の言葉が心に染み渡り、自分自身を大切にしながら訓練を続けることの大切さを改めて感じた。


「わかった、カナタ先生、リーネ、レイン。毎日しっかり続けるよ。これからも、少しずつでも前に進んでいく。」


 俺は彼らに感謝の気持ちを込めて深く頭を下げた。三人は微笑みながら、「その調子です」と言ってくれた。


 その日の夜、俺はカナタ先生、リーネ、レインから教わった自主訓練を実践した。ゴムボールを握り、ストレッチバンドで足を鍛え、そして寝る前には、今日行った訓練を思い返しながら、自分がさらに強くなっていくイメージを心に描いた。


 リハビリは辛いことも多かったが、こうして毎日少しずつ体が改善していくのを感じることができた。今までの俺は、自分の力だけを頼りにしてきた。しかし、カナタ先生、リーネ、レインのサポートを受けながら、自分を大切にしながら進むことができるようになった。


「もう少しだ…もう少しで、元の俺に近づける…」


 俺はそう心の中で呟きながら、次の朝に向けて深い眠りについた。


患者名:シグルト

記載者:カナタ


S)「毎日しっかり続けるよ。これからも、少しずつでも前に進んでいく。」

・シグルトは、リハビリの結果、左半身の動きがほぼ元通りになったことを実感している。握力も戻り、歩行も安定してきているが、まだ完全ではない。

・彼は自主訓練に対して積極的な姿勢を見せており、リハビリを通じて自身の改善を実感し、前向きに取り組む意欲を持っている。


O)

・握力: 左手の握力は以前よりも着実に向上しており、ゴムボールを使ったトレーニングの効果が見られる。

・歩行: シグルトの歩行は安定しており、足の筋力が回復している。ストレッチバンドを使った訓練でさらに強化される見込み。

・心理的状態: シグルトは、自分の体が改善していることを実感しており、前向きな気持ちでリハビリに取り組んでいる。しかし、完全な回復に対する不安も若干残っている。


A)

・シグルトの身体機能はリハビリを通じて順調に改善しており、心理的にも前向きな変化が見られる。

・自主訓練を継続することで、さらなる身体機能の向上が期待できる。

・リーネによるエレメントのバランス調整の指導や、レインによる考え方や価値観のとらえ方に関するサポートも、シグルトの回復を効果的に支えている様子。


P)

・自主訓練の継続: シグルトが自宅で自主訓練を続けられるよう、ゴムボールやストレッチバンドを使ったトレーニングを推奨。これを毎日行い、さらなる改善を目指す。

・エレメントバランスの調整: リーネの指導をもとに、エレメントの流れを意識しながら自主訓練を行うよう指導。日常生活でもエレメントのバランスを整えることを習慣化させる。

・心理的サポート: レインによる心のケアを継続し、シグルトの不安を軽減する。考え方や価値観のとらえ方に関するサポートを行い、リハビリへの意欲を維持する。

・経過観察: リハビリの進捗を定期的に再評価し、必要に応じてトレーニング内容の調整を行う。


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