太陽神デニスの太陽
太陽神デニスは、太陽をつくって世界が明るくなるようにしていた。
そえは、世界中の生き物たちが、不便せずに暮らせるように、と思ったからだ。
だから、毎日太陽の管理を欠かさず行っていた。
光は熱を持つ。
そのため、太陽の力が強くなりすぎないように注意していたり、逆に弱くなりすぎないように見張っていた。
生き物たちは、太陽の存在を喜んだ。
色々なところがよく見えるし、遠くまで見渡すことができるようになたからだ。
それに、暖かいから、凍えることもない。
太陽の影響でよく見えるようになると、生き物たちの活動時間が増えて、活動範囲も広がっていった。
すると、他の生き物たちと接する機会も多くなった。
生き物たちは、互いを比べあい、競い合い、やがて優劣をつけ、争いあっていく。
最初は仲良くしていたものも、みな争いを起こしていった。
その行いに失望した太陽神デニスは、明かりを取り上げることにきめた。
太陽のなくなった世界。
満足に手元も見えなくなった世界では、生き物たちは争いあおうとはしなくなった。
自分たちが怪我をしないようにするので精いっぱいで、他のものを傷つけることができなくなったから。
それを見た太陽神は、ずっとこのままあかりを取りあげ続ける事にしたのだった。
生き物たちがいくら望んでいたとしても。