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【6】マンコ・カパック皇帝に捧ぐ (短編小説)




ま○このバキューム効果によって、ブラックホールの事象の地平線すらも歪めてしまうと云う、一見荒唐無稽なるこの、物理法則に反する影響力の発見について。


事象の地平線の向こうはもう、一般の物理法則が及ばぬ場所であり、そんな場所にはやはり、一般の物理法則が及ばないモノをぶつけてみればどうか?と。


そーゆー、ある種のこぉ…無茶苦茶な考え方と、たまたま巻き起こった偶然の発見から今度はその偶然結果の確認を経て、ようやくと生まれたその実験により。


やはり…だったのか、予想外だったものだかは知らないが、ま○こは矢張り、ブラックホールの事象の地平面に対して明確なる効果を発揮した事は、我々学会の中での、今では公の秘密となっている。


当たり前である。


誰が斯様(かよう)に馬鹿げた実験を思い付いたのか!

責任者は誰だ!

出てこい!

説明しろ!


などと、近年のやたらと(あら)ゆる事に関心を持つのは素晴らしいのではあるが、それに留まらず、あらゆる事にその好奇心の(くちばし)が赴くままに、余りにも無遠慮に差し入れて抉じ開けようとしてくる、そんな最近の民間人達が騒ぎ立て、そいつを政治の材料として、今度は政治家達が騒ぎ出す。


人権問題だ、性の差別だ!

女性軽視だ、蔑視だ!

けしからん!

ぷんすか!


その様な、悪夢のプロセスを、誰も我ら関係者は望んではいないのであるから。


かの、「公の秘密」それが始まったのは、…数ヶ月前、事象の地平を研究している部門で、


「アタイ、協力してあげてもいーよ」


と、研究機関に協力的であったブラックホールの通称「ブラっち」を飼育…語弊があるな、ブラっちに説明をして、納得してもらい、そして滞在してもらっていたある実験室である。 


「ブラっち」ははぐれてやさぐれた野良のブラックホールであった。


その昔には恒星として、一応仕事をしていたのであるが、自我が肥大して、彼女を慕い集まっていた惑星達を飲み込み、爆発した後は…いわゆるわかり易い転落人じゃなかった…転落恒生であったらしく。


爆発直後は、ブラっちは、ブラックホールになるほどの質量を持ち合わせておらず、白色矮星となり、彼女を慕って集まってきた全ての惑星達を飲み込んでしまったが故に、軌道のバランスすら見失って虚空の宇宙を彷徨っていた、そしてまた彼女もその様な境遇に、尚更とグレてしまっていた。


はぐれ白色矮星であった彼女は、長い年月の間、その自身の放熱すら長い年月をかけて冷え込んでしまう、そんな膨大なる時間の流れの中で。


出会ってきた全ての天体やガスや、その他をことごとくに、飲み込み飲み込み、少しずつ成長してゆき、そして自身とほぼ同じ質量を持っていた白色矮星との長きに渡るタイマン勝負を経てさらなる進化を成し遂げ、ブラックホールとなって、相変わらず宇宙を彷徨っていた野良ブラックホールである。


通称、ふーてんのブラさん と名乗っては、星系から星系へ、銀河から銀河へ、銀河団から銀河団へと。着の身着のまま。フラフラと彷徨っていたという。


そんなやさぐれていた「ブラっち」が、ある日に池袋の駅に座り込んでタバコを吸っている、その哀愁を帯びた綺麗な横顔になんかビビッと来たウチの若い研究職員であった男が、スカウトしてきたのである。


場末の屋台のおでん屋にて、夜を通しての語らい、罵声の応酬、そして泥酔して嘔吐からの、夜明けのラーメンを経た、それはそれは情熱的なスカウトであったと、ブラっちは後に回想している。


まぁそうやって、ブラっちは我々研究員の仲間としてこの研究所に来たのである。


研究室にて、「ブラっち」は、研究員の必要に応じて、研究員が要望すると、彼女の意外と可愛らしい黒目がちな瞳をこぉ…上目遣いにしながら差し出してくる、事象の地平面。


(※❜-❜)っ◆ ←地平面


こいつに、様々な物質を接近させて、その反応を調べるという、前途遼遠、膨大なる事象の実験を試みていたのである。


ある日なんか、連日の(基本的には)徹夜作業の連続に疲弊しきった研究員の一人が、ふらついて事象の地平面へと過度に接近してしまい、スパゲッティ化してしまった悲劇などもあったが、そんな、研究に身を捧げた尊い犠牲の、今では彼だが彼女だったのかすら思い出せないが――


失礼、それだけ研究は過酷なものでね。


――黙祷をしつつ、出来上がったスパゲッティは研究員達で美味しく頂きました。


まぁ、そんな日々の研究の中で、たまたま、スタッフが少ない(2人)の時に、その二人の研究員は、男女それぞれ1人であり、いわゆるところの、その…「出来ている」関係性であり、日々の過酷な研究の日々で、若い性のパッションの奔流活動をまともに致す事もままならず、そして、これは大事な事であるのだが、しかも、彼ら二人のカップルはその…他人に情事を見るか見られるか…というシチュエーションを好んでいた……そう、変態だったのです!


久し振りに二人きりとなり、そして、そこにはブラっちが居る…………………魔が差した、魔がサスペンス!?


そんな二人はこぉ…………そのシチュエーションにすっかりと盛り上がってしまいます。


そうして、彼と彼女がこぉ、ブラっちに見付からぬ様に、そうかと言って全く見えない訳ではなきにしもあらずな感じの位置取りでもってこぉ…くんずほぐれつとこぉ………大人のラジオ体操地味たプロレスをやっていたのであるが、考えても見てほしい、研究室の中でいくら声を抑えても、音を忍ばせても、衣擦れの音、不自然な沈黙なんて………バレバレだろうに!!


そして案の定、ブラっちがこの二人組のやっている事に気が付いて、そしてブラさんはやさぐれてはいたのであるが、実はウブ路線の、まぁ、そんなタイプだったのである!


の○太さんの、エッティーー!


的なウブさ具合で、ブラっちが咄嗟に手に持っていて、二人にぶん投げてしまった物質……いや、アレって物質なの?果たして!?


そう、ブラさんが思わず、盛っている二人にぶん投げてしまったソレ、そいつが問題だったのである。


つまりはそれが、事象の地平面 だった、と言う次第である。


研究とは、しばしば、偶然が重なったりして起きるものである。確か、ペニシリンの発見だとかもそうだったのではなかったか?


そうして、ブラっちがぶん投げた、事象の地平面。  


投げた場所がたまたま、その…結合部に近かった。


うん、ブラっちは、投球のセンスがあったのだろう。


【パッション】


この要素と瞬発力的な集中力の相乗には、人が思いもよらぬ運動神経と効果を発揮する事があるのだ。


彼女は、対象にしっかりと目を、ピントを合わせて感情が昂ぶり、そして、思わず、考える事の余地が無く、その、アレ、事象の地平面をぶん投げてしまったのだから。


あまり深く考えずに、しっかりと対象を見て、そして感情が昂ぶっている。


この3つの要素が結び付き、恐らくは彼女の投球術を那須与一(なすのよいち)クラスの狙撃力を、その一球だけの奇跡は、見事に二人の結合部に吸い寄せられ、まるで、アダルトビデオのモザイク加工の様に、ブラっちの目から、その男女の盛っていた研究員達の結合部を覆い隠したのである。


さて、そうして、事象の地平面をぶん投げられた方の二人に何が起こったのか、いよいよと、それを話さなければならない。


男性研究員は見た!


男性研究員はいわゆるところの、立ちバックの体位にて、女性研究員を立たせ、机に上半身を押さえ付けての挿入をしていたのであるが。


彼女のま○こが事象の地平面になっているのである!


ムチィー ムニィー 


っと、あの、ブラックホールの周囲に見える光源が歪んで周囲に広がっているみたいに、彼女の陰唇だった場所が黒い穴、すなわち、ブラックホールとなっていて


ムチィー ムニィー オムニォーン


事象の地平面が


ムチィー ムニィー オムニォーン


と彼の分身を含んでいる、信じられない光景!

彼が彼女との結合部を我が目を疑って凝視しようとしたタイミングで………


ブラっちが、目を覆い隠しつつ、○○さんのえってぃーー!!と叫んだのである。


ヤバい、見られるか見られないかのスリル遊びをしていたが、アウトだった、これ、バレた!?


テヘペロ、ならぬ、テヘポロ気味でブラっちの方を見ようとした視界の途中に何かが見えた。


それはま○こである。


ま○こが虚空にてヒクヒクと痙攣している!?  

そのま○こは何だか彼女のま○こと似ている気がすると云うか、これは、間違いない、彼女のま○こである。


どういうことだろう?これは?


彼は思わず、ブラっちの悲鳴よりも、好奇心が上回って仕舞い、うつ伏せになり、立ちバックの姿勢を保っていた彼女のま○こがある筈の場所、すなわち、事象の地平面へと、自身を挿入してみた。


ムチィー ムニィー オムニォーン


っと、自身を飲み込む事象の地平面とあえぐ彼女………


そして、横を見てみると、虚空に浮かんでいる見慣れた筈の彼女のま○こである。


そいつが、事象の地平面に挿入したち○この挿入具合と連動しているかの様に、横にあるま○こが、こぉ、かぱぁーっく むちぃー むにぃー おむにぉーん と、虚空の穴を広げているのだ。


ま○こと事象の地平面が入れ替わった!?


いや、これは…………


ま○こ=事象の地平面!?


彼は思わず、普段の研究モードに切り替わり、頭の中で計算し始める…


事象の地平面をぶん投げたブラっちは、一旦はぶん投げた事象の地平面が男女の結合部を覆い隠した事によりモザイクになったはずが、逆に局部どアップの拡大となり、更に叫び始めている………


カオスである。


そうして、斯様な偶然の事件により。


前述した様に、ま○このバキューム効果による、ブラックホールの事象の地平線すらも歪めてしまう、物理法則に反する影響力について。


この新しい研究が始まり、そして、それは研究機関内に於いての「公の秘密」となってしまった次第である。


理由もこれは、前述しているのである。


つまりは、

誰が斯様に馬鹿げた実験を思い付いたのか!

責任者は誰だ!

出てこい!

説明しろ!


などと、近年の民間の意識の変化だろうか?やたらと汎ゆる事に関心を持ち始め、その事自体は大変に素晴らしいのではあるが、それに留まらず、微に入り細に入り、その好奇心の嘴が赴くまま、差し入れて来て抉じ開けようとしてくる、そんな民間人達が騒ぎ立て、そいつを政治の材料として、今度は政治家達が騒ぎ出す。


その様な、悪夢のプロセスを、誰も我ら関係者は望んではいないのである。


バカはこの発見に、特にま○こについて取り上げた事を問題視し、性差別だのなんだのと、ガチャガチャと騒ぐに決まっているからなのである。






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