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【42】無題 (ポエム)
暑い世の中だこと
未だ 熱を抜けきれないみたいな
リン質に含まれた
夢の残滓の名残声
もわぁーっと 放熱してゐる
クライシスな不快指数
なぞらえてゐる
そして 押し黙るカルシウム
ハシバミのうわばみ
色を失い 音を上げる
タービン回り 歯車泣いて
どうやら また一つ
浮世が憂世に
それから…
官能の蕾
蝸牛の曲輪の中
耳朶から 草原へ
絵喰み飲んだ砂
薮睨み
マグネシウムの輪廻
滝壺の裏に隠されている
肌見放さず持ち続ける
腐葉土の語る静
跳ねる毬の糸切れて
リノリウムに広がる赤い道
どうか あなたも お元気で
来飛すベルの 鳴らぬ内
西洋蓬の 喰まぬ内
エピキュール 見開いた ランボー
みいられてゐる
呼ばれてゐる
夜這れてゐる
もう バレてゐる
そんな 関係性
鉛直方向への精算
鳶がぐぅるぐぅる 飢えている
上に飢えた食人鬼 食人鬼
夜が明くるのを 耐えて待つ
ためしてゐる
君は誰かと 呼んでゐる
ふくよかな 稔り前の唸り
コールタールの膿に飛ぶ
棺桶の裏側に さて
何書こう?




