【26】位置取り (ポエム)
暑さと人混みは避ける
風通しの好い 木陰の
坂の頂上から ちょっと降りた辺り
何事も 位置取りは大事である
競馬だって そうだろ?
居心地の善い その様な場所
割に合わない場所にて
自分に 向いた位置取りでもないのにさ
俺は此処で頑張ってんだ って 踏ん張る
たまに 見掛ける そんな人さ
でも きっと 踏ん張る人は
いつか 押し流される
それでも 踏ん張る人は 削り取られる
それがきっと つまりは社会の 仕組みさ
他人のやりように いちいち アレやらこれやら
云うつもりは無いから 黙ってる
君の その踏ん張りは 立派だけどもさ
きっと 代わりは幾らでも居て
君が削られてしまったら 代わりが据えられる
ただ 新しく据えられて終わるのさ
それだけの お話さ
だから もっと 最初から
居心地の善い場所を探せれば良いのだけれども
けれども そいつは まことにさ
言うのだけならば それは簡単なんだよね
だから 俺も 困ってる
多分 似た困りを抱えている
きっと そんな人は 数多いる
悩みは今日も 増えている
生きるのに なるたけ 抱えていたくはない
割り切れない 思い
割り切れない 重さ
10÷3と 俺が呼ぶ
「割に合わない」 がまさにそれで…
なるたけ そいつを抱えない戦略
それが 俺の 作戦方針
けれども そんな俺でも矢張り
そんな10÷3を 確かに持つてゐ(い)て
確かに10÷3に 囚われている
なんともはや!
皮肉な事なんだが…
生きるって 畢竟はさ
この様な有様を示すのやも知れないさ




