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骨と腐肉の中身は似たり寄ったり

題、変わりました。

 木々に隠れつつモンスターがポップしたばかりの背後を振り返ると、神々しい光をまとったスケルトンが佇んでいた。光は徐々に弱くなり、そいつが動き出す頃には収まって他のスケルトンと同じ姿になっていた。

 光るそれを見たせいで、気が遠くなりそうになる。


 何だあの光は。

 光って動ける骨格標本って。

 ポップのせい? 俺もあんな風に光ったの?

 嘘だろ恥ずかし過ぎる。

 全身発光とかマジか。

 ああ、しかも目撃者いたわ……。


 瞬時にそこまで考えてから、先程見た光る骨格標本の記憶を封印した。



――――――



 さて、俺の誕生位置にポップされたのはスケルトンだったので、まあ血も繋がってないだろうしそもそも血がないと敵認定した。マップ表示も攻撃する気満々っぽい色だしな。

 次にここで生まれる吸血鬼なら兄弟とも言えるが、レアポップのようなので次はいつになるやら。生まれても知らない間に死んでるかも知れない。弟か妹、強く生きろよ。……と未来の弟妹へのエールもはさみつつ、赤点への策を考える。


 計らずもメイン3種が揃った形になったので、折角なら3者の攻撃を見たくもある。どうせ暗殺だから安全だしな。

 エネルギー体には物理攻撃が効きそうにないので、最後まで残りそうなゴーストに15m位置からドレインを一瞬当てる。

 火のようなもやのような不明瞭な体を波立たせ、ゴーストが敵を探し始めた。


 進行方向上にスケルトンが見えた所でかすかにプチップチッと気泡の割れるような音が鳴った。直後にゴーストのバーが減り、ゴンゴンゴンッと何かが当たってスケルトンのバーが削られた。やはり形容し難いエネルギー体は魔法タイプだよな。

 スケルトンに当たった小石は、地面に着いて数秒で消えた。今のは、土魔法かな。

 対するスケルトンは、やはり物理系なのかエネルギー体ゴーストを殴ろうとしてはいる。一応ダメージはあるようだがバーの減りは芳しくない。

 骨格標本が色のついた光るもやの中をかき回している光景はとても空しい気分になるな。これを見た後ならエネルギー体ゴーストを物理で倒そうなんて馬鹿な事は一生しないと誓える。


 スケルトンが空回っている間に、ゴーストから2度目の土魔法が放たれた。

 骨の折れる音と石の落ちる音。さっきよりも大きな石で攻撃されたスケルトンは、頭蓋骨が陥没したまま動いていた。スケルトンは脳みそないのな、ああ、骨だからな。全裸で恥ずかしくない時点で考えてないもんな。

 魔法2回でスケルトンのバーが半分になったので手早くゾンビを投入。ちなみに小石で誘導出来たのでゾンビも脳まで腐っている。


 ゾンビが参戦した所で、ゴーストをすり抜けた骨パンチがゴーストのバーも削りつつゾンビに直撃。骨より素早いゾンビパンチがスケルトンのバーを風前の灯火にした。

 別方向からもパンチが通り抜けたゴーストは標的をゾンビに切り替えて土魔法を発動。石がゾンビの腐肉を削り、筋肉が……。


 ぜひ中身を隠してほしい。


 音を立てないように気をつけながらも鳥肌の立った肌をさする。悪寒は治まらないが、腐臭がしないだけ良しとした。ゾンビから腐臭がしないとかさすが魔法の世界。

誤字脱字などありましたら報告お願い致します。

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