石橋は叩き壊されました
マップの赤点で示されているそれを目視した感じ、半数はスケルトン、1/4はゾンビ、残り1/4はエネルギー体、おそらくゴーストだな。おっさん達が「アンデッドしか出ない」と言っていた意味がよく解る。恐らくよくこの森に来ているんだろう。おっさん達が俺の誕生位置にいたのも偶然じゃなさそうだ。
ともかく、物理系でありグロくないスケルトンが異世界初心者としては対峙しやすいので、ボッチのスケルトンを見つけた所で暗殺(仮)を開始した。
作戦名は「いのちをだいじに」だ。……なんでこんな知識だけ残ってんだ俺の記憶。
林の陰からスケルトンを観察する。コンフィングをいじったお蔭で敵にダメージが入ればHP・MPバーが表示されるはずだ。
まず30m程遠くからスキル・吸収ことドレインを試す。集中するとほんのり色づいたエネルギーが見えるような気がして来る。バーは途切れ途切れに表示された。うん、もっと近づいた方がドレインしやすそうだな。
別のスケルトンが俺に近づいて来たので回避しつつ、ボッチスケルトンに接近。
20m程でまたドレイン開始。表示が途切れたりはしないもののバーの減少は緩やかだ。
木の陰に隠れつつ再接近で15mの距離。
ドレインを開始すると、目に見て解るくらいにバーが減り始めた。減り方と比例するようにスケルトンが激しく周囲を気にし出したからこの距離はちょっと危なさそうだな。
スケルトンが臨戦態勢になる距離を調べる為に、一旦後退してからスケルトンが落ち着いた所で再度ドレイン。距離は20m弱。
ドレインしたままゆっくりと接近すると今度は10m位置で周囲を気にし出した。遠くから慣らすと反応が鈍くなる、とかか?
今度は17mでドレインしてみようかと考えていると、未だ落ち着かなさげなボッチスケルトンに赤点が近づいて来ていたので距離を開けて観察した。
警戒が伝染すると暗殺し辛いな、なんて思っていたりもしたにはした。はず、なんだけど、ボッチスケルトンが接近したスケルトンに顔面パンチをお見舞い。あっと言う間に反撃で粉々の骨格標本になるまでの展開を見届け、見つからないよう静かに戦線から離脱した。
さて、仮拠点たる誕生地点に戻って来た。
なんとも言えない結末になった初戦闘だが、慎重にしていた為に1時間以上経ってしまった。現在時刻00:48。
近距離で行われた戦闘は、殺陣なんて生易しいものとは比べられなかった。……そもそも殺陣も見た記憶ないとかそう言う話じゃない。
それはともかくとして、姿を見せなければ敵意が周囲に向くと判明したのは収穫だ。ドレインの指向性や効果範囲についても把握しときたい。
次はペアの赤点を狙おうとここへ戻って来た。死角から狙えそうな赤点がいたのだが、ペアの赤点ことゾンビとゴーストを視界に入れた後で、背後の行き止まり方向、俺の生まれた場所に赤点が表示された。
おお、兄弟よ! ……なんて感動的な事にはならなさそうだな。
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