腹が減っては現実逃避しか出来ぬ
1ページ目の、ハg……おっさん達の容姿を少々追記。読まなくても問題ありません。
1.台風の中、看板激突した。
2.起きたらおっさん2人に襲撃された。
3.記憶喪失だった。
4.変なアイコンあるけど取説はない。
5.腹減った。←今5だ。
アイコンのメニューにアイテムがあったから何かないかと思ったが、灰字表記の上で選択出来なかった。しょうがないから、さっき見つけた花の蜜を吸ってる。
全長20cm位、全体的には支柱が一本のケーキスタンドに似た形状で筒状の薄紫色の花を咲かせた雑草。蜜は甘い。
名前は知らないけど、なんとなくこれが蜜を吸える花だって事は解るんだよな。記憶喪失なのに。
まあ、考えてもしょうがない事は放置だ。同時にこれが毒草だったらなんて懸念も放棄した。少なくとも即効性はなかった。ウマウマ。
甘味で人心地が付いたので、アイコンから得られる情報を整理してみるか。
メニューにはアイテム・ステータス・セット・メモ・コンフィングがある。この内、アイテムは灰字で使用不可。他は白字だ。
まずは上から、おそらく俺のものと思われるステータス。
名前 ‐‐‐‐
種別 吸血鬼
年齢 03:45:30(カウントアップ中)
称号 異世界人 ‐転生者‐
スキル 吸収
記憶喪失の所為か名無し。吸血鬼だからかスキルは吸収、つまり吸血かドレインね。誕生はおっさん達との遭遇直前だったって所かな。そして……
チューッと蜜を吸い上げつつ空を見上げる。森の中ではあるが、俺が目を覚ましたのは開けた場所なので星空が広範囲に望める。
さっきまでそれ所ではなかったが、黄色に赤、青、ついで紫や緑、ピンクにまで輝く星々。森独特の匂いも相まって絶大な癒し空間となっているここを、確かに一種の異世界と言えなくも……いや、異世界か。色、異世界だった、。一角ピンクとかどう見ても異世界。異世界ですね、ははっ! 異世界なのに出身地の花あるんですけど世界観大丈夫ですか?
月もないのに草むらを照らす明るい夜空を見つめるが、もちろん北斗七星とかオリオン座とかさそり座なんてものは見つからない。かろうじて冬の大三角形っぽい1等星を結ぶ三角形の星座らしきものは出来るが、三原色のような3色だった。
もしかしたら、仮に、あえて言えば、俺の目が不調になっただけで、日本で見るような色の星だけを見繕えば知っている星座になる可能性も……あるよな、ある。よし、ここは日本。もしくは外国。
とりあえずの心の安寧を保った所で、可能な限り吸血鬼的日光対策も考えてはおこう。
種族・吸血鬼って多分モンスター枠だし、誕生の仕方が謎だったのもある。本気染みた冗談には半分本気で、が対応の基本だ。その際余計な言質、確約を与えてはいけないので十分な対策を。後で困るのは自分だ。……と、慎重過ぎじゃないか昔何があったと言いたくなる考えが頭を掠めた。
うーん。ま、いっか。
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