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ソート・オブ・テオス  作者: どうも
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邂逅

如春こと東雲如春は手紙、、、ラブレターが自分のロッカーに入っているのが不思議で仕方なかった。

如春は自分のことを存在感のない人間だと思っている。勉強がよく出来る訳ではなく、モテている訳でもなく、運動が得意という訳ではなかっためかいつの間にか自分は存在感のない人間だ。と思い込んでいる。

だから如春はこの手紙が不思議で仕方なかった。いっそのこと、ラブレターだと思い込んだほうが何も考えず楽だったかもしれないが如春は手紙をラブレターだと思うことはなかった。

階段をのぼりながらそんな思考を如春はしていた。また、如春の隣にいる花純もある思考を巡らせていた。

そんな!!如春にラブレター!?如春っていつからモテてたのよ!

と、似たような文章をひたすらリピートしていた。

如春がラブレターを貰ったことは花純にとって大事件である。

小、中とクラスのほとんどの女子に嫌われていた如春が高校でラブレターを貰うことはまずないと確信していたからだ。

お互いに思考を巡らせている内に教室についた。

如春が教室のドアを開けると既に10人ほどの生徒がいた。

「おー如春おはよう今日は遅刻じゃねーんだな」

「今日はアラーム様が謎の力を発揮して起こしてくれてな」

「なんだよ朝霧さんに起こして貰わなかったのかよ」

「いつまでも起こして貰ってたら朝の花純離れが出来ないからな」

教室に入ってすぐに如春に絡まりに来た男の名は寺岡大毅てらおかだいき

如春とは中学校から一緒でクラス唯一の友達であり親友である。

「大毅。少し聞いてほしいことがある」

「ん?別にいいけど」

「なぜ俺のロッカーにラブレターとやらが入っているのか教えてほしい」

如春は大真面目な顔でそう言った。

「それマジで言ってんの?」

「ああ、大マジだ」

「ラブレターはイケメンとか可愛い子のとこにいくものだろう?なぜ俺のところに来るのか理解出来ん。花純とかが貰うのが筋というものだろう?」

「まぁ朝霧さんはモデル級の美少女だと思うよ。だけどな如春。ラブレターって物は必ずイケメンのところにいくものではないぜ?」

これに如春は大きく首を傾げたが、すぐに元に戻り

「まぁお前がそう言うならそういうことにしておこう」

「ああ、そうしとけ」

ようやく、思考が止まった如春は時に身を任せ放課後になるのを待った。

如春と大毅の会話が始まる頃。如春と一緒に登校してきた花純は一人の親友の姿を見るや否や、

唯一無二の親友に抱きついた。

「お、おはよう花純。ど、どーしたの?」

「・・・る・・が・・・ら・・た・・・もら・・た」

「えっ?なんて言ってるの花純?るがらた?」

「如春がラブレターもらったのよ!!!」

「えっ?東雲くんラブレター貰ったの?」

「うん」

「別にいいじゃない彼なら断るでしょ」

「良くないわよ!良いけど良くない!」

「まぁまぁ一旦落ち着きなよ」

「・・・分かったわ」

花純を落ち着かせた彼女の名は桐坂姫野きりさかひめの

花純とは小学五年のときからの友達であり親友だ。

「にしても東雲くんがラブレターねぇ~」

「あり得ないでしょ!?」

「まぁ花純が焦るのも仕方ないと思えるくらいにはあり得ないと思ってる」

姫野も如春が女子から嫌わていることを知っているので軽く相槌をうつ。

「でも大丈夫だよ花純。東雲くん花純に気はあると思うよ」

「絶対ないわ・・・うん絶対ない」

「根拠は?」

すると花純は顔を上げ

「だって如春のやつ週一で泊まりに行ってるのに家ではろくに会話しないしずっと寝てるのよ!絶対ないわ!」

「あんた東雲くん起こせるんでしょ?無理やりにでも起こせばいいじゃない」

花純の顔が少しにやける。

「でも・・・如春の寝てる時の顔が一番好きなのよねわたし。だからいつも隣に寝転んでその顔見て無意識にこれでいいやって満足しちゃうのよね・・・」

「あんたも悪いじゃない・・・」

このとき花純は如春にこの話を聞かれてないかと思い左斜め後ろを見たが、幸い如春は寝ていた。

「あっ、そういえばさぁ」

「ん?」

「はい席についてーホームルーム始めるよ」

姫野との会話はホームルームにより中断された。




如春は目を覚ました。時刻は午後4時。教室にはほとんど人がいない。

如春は弁当をカバンから取りだし遅すぎる昼食をとる。

10分程で昼食をとり、弁当をカバンに入れ帰ろうとしたとき、

「あっ手紙」

如春は朝の手紙、、、ラブレターのことを思いだし屋上に足を運ばせた。

歩いていると、野球部などの掛け声がよくきこえてくる。

運動部の皆様本日も頑張って下さいませ~と心のエールを送ると屋上への階段に足をかける。

階段をのぼっている途中で誰かに後ろをつけられていると思って後ろを振り向いたがそこは無人だった。

気のせいかと思い如春は再び歩を進めた。

最後の段をのぼった如春は屋上のドアを開けた。

そこにいたのは・・・女、ではなく男だった。

男はこちらを見てやっと来たかという顔をして立ち上がりこちらに近づいてくる。

そして如春の約一メートル前でとまり

「やあ。ロッカーにいれてあった手紙いやラブレターを読んでくれたかな?」

「ああ、読んだよ」

如春の頭には複数の疑問が浮かんだ。

まず、こいつは誰だ?何のために俺を呼んだ?なぜ俺のことをしっている?と。同じ制服を着てることからこいつも神城高校の生徒だということだけが分かる。

「それは良かった。まああの手紙には屋上に来てください的なことしか書いてないけど。あとごめんねぇ女の子じゃなくて。夢こわしちゃったねぇ~」

如春はまず最初に浮かんだ質問をした。

「お前誰だ?」

男は一呼吸間をあけると信じられないことを口にした。

「俺か?俺はの名前は藍原瞬あいばらしゅん。神様だ。」

「は?」

この時、東雲如春の運命はおおきく変わった。また東雲如春の周りの人間の運命も多少なりとも変わることとなる。

東雲如春の日常はある一人の神により非日常になっていく。

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