一話 死の先にて、彼女と邂逅す。
誤字脱字はあるかと思いますが、よろしくお願いします。
ある日一人の少女が唐突に殺された。
命というものは、はかないからこそ、 尊く、厳かに美しいのだ
と誰かが言った。本当に僕はそう思った。
その日は暖かな日差しに包まれた見事な五月晴れだった。
生まれた時から体が弱い留生は、一年の半分を病院で過ごす日々だった。入退院を繰り返し、自宅でも布団から出られないことが多い彼にとって珍しく体調が良かった。
普段は自宅まで遊びに来てくれる柚凪と名尋とその義妹の金糸雀の三人の幼馴染たちを驚かせようと名尋の家に遊びに行ったのだ。
だが、行った先では――異様な光景が待ちわびていた。
真っ白なワンピースに身を包まれ、そこから延びる細くしなやかな手足は今にも折れそうなくらい。陶器のように滑らかでシミひとつない白磁の肌は絹のような濡羽色の髪をより一層際立たせていた。
異様な光景にも思えたが、まるで眠っているかのように、椅子にもたれ掛けながら死んでる彼女は陽の光に照らされてもいないのに神々しく誰よりも美しかった。
だからこそ、彼女はまだ死んでいないと思いたかった。
血は白いワンピースを赤に染め上げ、重力に逆らわず地面へと滴り落ち、紋章を作るかのように弧を描きながら、あてもなく流れる。
留生はその光景をじっと、数秒あるいは数分間くらい何時間にも感じるくらい立っている。
ぽっかりと胸が空いた様な感覚とはまさにこのことなんだと実感した瞬間、留生は背後から誰かに襲われた。
ほんの一瞬だった。ぐさりと鈍い音がし、留生が倒れる。
――痛い。
溢れ出る血。傷口が燃える様に熱いと感じながらも血が減っていくのを実感する。
――熱い。だけど痛い。
だんだんと痛みも引いていき、目が重たくなっていく。
僕は死ぬのか……。
死にそうになることなら何度も体験した。自分の体の弱さを何度も呪った。
そして、留生は死んだ。
夢を見た。いや正確には夢かどうかはわからない。もしかしたら夢ではないのかもしれない。
分らなくて当然だ。
だって彼はもう死んでるのだから。
その夢は真っ白な世界で美しく妖艶に微笑む彼女がいた。
拙い文章で本当にすみません><:
いかがでしたでしょうか?
まだまだ続きますので、留生と金糸雀をよろしくお願いいたしますw