かくれんぼを しよう
ホラーを書こうと思って書いたのは初めてだったりする。
適当なのはいつもだ。うん。
作者、はじめての××。
「もう いいかい?」
「まあだだよ」「まあだだよー」「まーーだだよぉ〜」
と、周りから声が聞こえてくる。「僕」は後ろを向いて、木に寄りかかって みんなを見ないように目をつぶっていた。
今日は秋風を気持ちよく感じる日だった。住宅地の中の、小さな公園。砂場、滑り台、ブランコと青いベンチがあるだけの こじんまりとした公園。周りに小さな山があり、たまに子供が探検しに入る事があるけど、普段は行かない。行ったって何も無いから。
たいていは、公園内で遊ぶ。
「僕」は いつも小学校から帰ると、中島や倉木、穂坂さんたちといった近所の子と遊んでいた。今日は かくれんぼだ。オニは「僕」。
言いだしっぺは小川さんだった。
「もう いいか〜い?」
僕が二回目を呼ぶと、また あちらこちらで返事が返ってくる。
「ま〜だだよ〜〜」と。
しばらくして。
「も〜いいか〜〜い?」
「僕」が三回目を呼ぶと……。
「もう……いいよ…………」
……
……女の子の声が聞こえた。
なので、振り返ってみると。
!!
……うふ……ふふふふふ…………。
見た事の無い子が上目づかいに「僕」を見ていたから。「僕」を、笑っていたから。
「僕」は……。
「だれ?」……と……。
…………
……
聞く間すら、与えてはくれなかった。
夕方の風が、みんなを不安に沈黙させる。
「ミキオくーーん!!」
「ミキーー!」
「志村くーーんっ! どこなのーー?」
赤い光が、容赦なく公園を染め上げて背景をつくる。その中に「僕」は いない。
寒い。
寒いよ、ここは。ここは どこ。
出して。ここから出して。
いつか見つけてもらえる日を願って。
もう いいよ……。
……ふふ……ふふふふふ…………。
《END》
【あとがき】
かくれんぼのオニって、スキだらけですよね。
何気に怖いそれ。
本作品は、読者様の ご指摘により加筆・修正をしています。(H19.11.6.)
ありがとうございました。