結婚式のその後は
最終話となります。
少し長めですがよろしくお願いします。
公爵家のパーティをルークは早々に切り上げることに決めていたようだ。
私たちはパーティの前半で失礼することにした。
新郎新婦にはよくあることらしく、皆生暖かい目で退出を許してくれた。
「さあ、アンジェ!新居に着いたよ」
ルークが用意してくれていた新しいお屋敷は、もうすっかり生活の準備が整っていた。
玄関ホールに入ると、使用人の皆が列になって迎えてくれた。
もちろんその中にはマリアの姿もあった。
マリアは私についてきてくれたのだ。
結婚式が近づいていたある日、こわごわとマリアに
「よければフォードの家についてきてくれないかな」
と聞いたら
「もちろんそのつもりです。いらないと言われても無理やりついていくつもりでした」
と頼もしい答えが返ってきたのだ。
いくら子供の時から慣れているフォード家とはいっても、ずっと支えてくれた信頼できる侍女がいるのは心強い。
「ルーク様、アンジェ様、おめでとうございます。
そしてお疲れ様でございました。軽食と湯浴みの準備ができております」
侍女頭のソフィーさんがこちらの屋敷を取り仕切ってくれるらしい。
ウェディングドレスはすでに脱いで、夜会用のドレスに着替えていたものの、正直クタクタだ。
先にルークと軽食を摂ってから、1人でお風呂に入った。
「アンジェ様、今日は特に念入りに洗いますね。湯上がりにはこのとっておきの香油でマッサージしましょうね」
やけに今日は念入りだな。
「お嬢様、じゃなかった若奥様。何事もルーク様に任せれば大丈夫ですからね」
「…」
そうだ!今日は初夜というものじゃないか!
分かってはいたのだが、今日が忙しすぎて忘れていた。
ごめん、ルーク。
心の中で謝ろう。
意識したら途端に緊張してきた。
お風呂を出たらヒラヒラの夜着に着替えさせられて夫婦の寝室にいた。
セクシーは似合わないから清純派でいきましょうと少し失礼なことを言われた気がするが、今はそれどころではない。
こういう時はどこで待ってたらいいの?
ベッド?ベッドだと張り切ってるみたいに見えるかな。
ソファとベッドをウロウロ行き来していたら、ドアをノックする音が聞こえて思わず飛び上がった。
「アンジェ、入っていいかい?」
「ど、どうぞ」
ガチャリとドアが開き、ルークが入ってきた。
お風呂に入って間もないようで、まだ髪が少し濡れている。
湯上がりの色気がすごい。
「アンジェ、何か飲むかい?」
「ううん、大丈夫。ルークは?」
「オレも大丈夫」
恥ずかしくてルークの顔をまともに見られない。
「アンジェ、すごく可愛すぎて、心臓がどうにかなりそうだ」
私の心臓もどうにかなりそう…。
「もっとよく見せて」
うう、恥ずかしい…。
「アンジェ、かわいい。好きだよ」
ここは恥ずかしくてもちゃんと言わなければ。
「わ、私もルークが好き」
顔をあげてルークに伝えたら、ルークは両手でルークの顔を押さえた。
「アンジェ、必死で抑えているのに煽っちゃだめだよ」
煽る?そんなつもりは全くなかったが。
「全く、アンジェが可愛すぎるのが悪い」
そう言ってルークは私を抱きしめて、キスをした。
「アンジェ、いいかい?」
私がそっとうなずくとルークは私を抱き上げてベッドに運んだ。
次の日。
「ルーク様、アンジェ様、もうお昼になりますが入ってもよろしいですか?」
マリアの声で目が覚めると、私は全身のだるさと声がかすれて出ないボロボロの状態だった。
「マリア、入ってきて」
ルークが私の様子を見てマリアを呼んでくれた。
なんとかマリアにお水を飲ませてもらい、ルークに抱き上げられてお風呂に直行した。
しばらくお湯に浸かっているとなんとか動けるようになってきた。
「アンジェ様、大丈夫ですか?」
「ええ、もう大丈夫。世の中のご夫婦はみなさんこんなに大変なことをしていたのね。すごいわ」
「いえ、他の皆様はそこまでではないかと」
「!?」
まさかのルークが激しすぎるだけなのか…。
「私からさりげなく手加減下さるよう言っておきます」
「そうしてくれると嬉しいわ」
部屋に戻るとルークが心配そうに待っていた。
「アンジェ、本当にごめん。つい舞い上がっちゃって。体は大丈夫?」
「ゆっくりお風呂に入ったら、だいぶよくなったよ」
ルークはすでに反省してくれているようだ。
お詫びと言ってはなんだけど、と言って、ベッドに運んでもらった朝食をルークが食べさせてくれた。
こんな夫婦の始まりも私たちらしくていいか。
「これからもよろしくね、ルーク」
「こちらこそ、よろしく」
せっかく転生した人生、公爵夫人になっても私らしく前向きに生きていこう。
その後の話はまた次の機会があれば。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
また違う作品も書いていけたらと思っていますので、読んでいただけたら嬉しいです。




