さあ、遠征だ①
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
2ヶ月はバタバタと、あっという間に過ぎた。
その2ヶ月の間にサニーのみんなに説明と指示出しして、ミーシャや、サラ様とロイに挨拶して(ルークのお父様も隠しておけないという事で内緒だ)、装備やポーションなどを整えた。
ルークやお兄様にバレてはいけないので大変だったがなんとかやり遂げた。
そして今、私は新しい杖とローブに身を包み、辺境伯領へと向かう一団の後方にいる。
もちろんお姉様とお師匠様と一緒の馬車の中だ。
「アンジェ、その髪と目の色はどうしてるの?」
今私の髪と目の色は地味な茶色である。
「わしが魔法で変えておるんじゃ」
「これなら地味だからフードを取っていても目立たないでしょ?」
私は得意げにお姉様に、おろしているふわふわの髪を見せた。
「あなたの場合、その容姿だけでも充分目立つけど」
ありがとうお姉様、でもそれは姉の欲目ですよ。
「それにしてもこの杖すごいわね」
お姉様が私の杖をじっくり見て言った。
「じゃろう?わしの自信作じゃ」
えっ!師匠の手作りだったの?
「お師匠様が作ったのですか?」
「なんじゃ、気がついてなかったのか。素材を集めるの結構たいへんだったんじゃぞ」
そりゃあ威力が桁違いなはずだ。
「お師匠様がそこまでして作ってくれたとは、これからも大切に使わせてもらいますね」
「もちろんじゃ、ただ、火と水系の魔法はくれぐれも杖を使うなよ。威力が出過ぎるからな。もし使うとすればここぞ!という時だけじゃぞ」
ここぞかぁ、見極めが難しいな。
「それより、ルークにはバレてないんだろうな」
お師匠様はそこが一番心配なようだ。
「バッチリ大丈夫です」
昨日もルークとしばらく会えないからと言って、しっかりお見送りしてきた。
「アンジェ、オレのいない間くれぐれも危ないことはしないでね。約束だよ」
と言っていたが、今回は後方部隊だから別に危なくないし、約束を破った事にはならないはずだ。
しばらくすると、馬車が止まって警備の騎士さんが声をかけてくれた。
「王太子妃様、今日はこの辺りで野営をするそうです。テントを設営しますのでしばらくお待ちください」
「あ、テントは持ってきたので大丈夫です」
私とお師匠様は馬車から降りると、野営地の一部に魔法バッグから出した大型のテントを設置した。
「お姉様、準備ができましたよ、どうぞ」
「まあ、すごいわね」
テントにはお姉様がくつろげるようなソファセットが置いてある。
寝る時にはソファセットをしまってベッドを出す予定だ。
「お姉様、お茶をどうぞ。マリアが淹れてくれたお茶ですよ」
魔法バッグから温かい紅茶が入ったポットとティーカップを取り出す。
「こんなところで、マリアのお茶が飲めるなんて…」
「お菓子もありますよ」
お姉様が少しでも安らげるよう誠心誠意サポートします。
「王太子妃様、少しよろしいですか?」
お姉様の護衛の騎士さんだ。
「どうぞ」
騎士さん2人組はテントの中を見て明らかにギョッとしている。
「この中のことは秘密にしてね」
とお姉様が言ってくれた。
「はい。今日はここで一泊するのですが、王太子妃様の食事はこちらにお待ちしてよろしいですか?」
「あ、旅の間、食事は私達で用意するので大丈夫です」
お姉様には美味しい食事を食べてもらいたい。
「失礼ですが、あなたは?」
「この子はわしの弟子じゃよ、王太子よりローズの世話と護衛を任されておる」
お師匠様ナイスフォローです。
「そうでしたか、それならば問題ありません。外の警備はおまかせください」
そう言って騎士さんたちは戻って行った。
「お師匠様、ありがとうございます」
「いや、本当にマクシミリアン王子からローズとアンジェのことは任されておるからの。事実を言っただけじゃ」
マクシミリアン殿下、いい人。
「おいローズ、様子を見に来たぞ」
やばいこの声は、お兄様。
慌ててソファの陰に隠れた。
「ちょっと待って…どうぞ」
「入るぞ…ってなんじゃこりゃあ!」
お兄様が応接セットを見て声をあげる。
「オズワルド様がご用意くださったのよ」
「心配して様子を見に来たんだが、すごいなこりゃ。まぁこれなら大丈夫そうだな」
「わしがおるから大丈夫じゃ」
お師匠様が得意げだ。
「ええ、見にきてくれてありがとう、アレン」
「なんか困ったことがあったら、いつでもオレに言えよ。じゃあまたくるな」
お兄様が出て行ったあとそろそろとソファの陰から出た。
「お兄様、いいとこあるじゃん」
「アレンは優しい子ですよ」
ちょっとドキドキしたけど全然バレなかった。
遠征中、お兄様は時々来そうだから気をつけなければ。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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