初めてのお茶会
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします
お茶会の当日がやってきた。
ウチも大きい方と思っていた私が恥ずかしい…。
公爵様のお屋敷は言うなれば宮殿。
あのベルサイユ宮殿をイメージしていただきたい。
広大な植物園の奥にドドーンと豪華な城らしき屋敷が建っている。
私が今いるのは庭の一角。
ガーデンパーティの丸テーブルの席にお母様とお座りだ。
向かいにはサラ様と次男のロイが座っている。
サラ様はスラリとした長身にお似合いのマーメイドラインの赤いドレスを着ている。
初めて会ったロイはおとなしくお菓子を頬張っているが、サラ様に似てこちらも将来イケメンになりそうなかわいい幼児だ。
お姉様はその美しさでどこに行っても人気者だ。
多分前方の大人と子供の入り交じった塊の中にいると思われる。
お姉様の今日のドレスは晴れた空のような爽やかなブルーでお姉様の美しさを存分に引き出している。
はぁ、お姉様今日も美しいです。大好きです。
お兄様は…1時間ほど前にどこかに行ってしまった。
いつものことらしい。
しばらくお母様たちのお話を聞きつつ穏やかな時間を過ごしていると、遠くから兄と思われる子供ともう1人が走ってくるのが見えた。
「おーい!アンジェ!!」
え?お兄様、今日のお茶会の為にお母様が用意した服がとてつもない泥んこなのですが?
お母様の笑顔が引きつってるよ。
「ルークもアレンも泥だらけじゃないか。どこに行ってたんだい?」
サラ様が尋ねて初めて気づいたが、兄と一緒にいる黒髪に紺色の瞳の少年(またまた超絶イケ少年)も泥だらけだ。
兄の汚れが激しすぎて意識が逸れていたが、どうやらこのクール系美少年がルークらしい。
「ルークんちの犬と遊んだんだ。3匹ともめちゃくちゃにかわいい」
「でもアンジェが一番かわいいけどね〜」
イヤ、そんな泥だらけの手で私のほっぺもムニムニするのはやめていただきたい。
「アレン、汚れた手でアンジェを触ってはいけませんよ。手を洗ってらっしゃい」
お母様…めちゃ怒ってるぞ、兄よ。
早く空気を読め。
「はーい!とその前に。ルーク、この子が世界一かわいい僕の妹のアンジェだよ」
じっと私の母を見つめたまま直立不動だったルークにみんなの目が集まった。
こころなしか顔があからんでいる気がする。
「どうしたルーク?アンジェの可愛さに見惚れて声も出ないか?」
サラ様がルークをからかう。
「!!思ったより地味だなと思ってただけだよ!」
ルークが慌てたように言う。
うすうす思っていたが今世でもわたしの顔は地味なのか…。
まぁまわりが美しすぎるから平均だと思うことにしよう。
「ルーク、そんな言い方はないだろう。アンジェはとてもかわいいじゃないか」
サラ様が慌ててルークに言った。
「アンジェは地味なんかじゃない!」
兄がルークに食ってかかるが、ルークは慌てたように兄の手を引いて行った。
「手を洗いに行こう、アレン。こっちだ」
「すまないな、アンジェ。ルークも照れてるんだ。」
サラ様が申し訳なさそうに私に言った。
「大丈夫です。気にしてません」
「アンジェは大人っぽいな。ルークはまだまだ子供でな」
前世で散々言われた地味という言葉くらいでは中身大人な私は全く気にならない。
とはいえこの世界はゴージャス美人が美しいとされるのだろうか?
それならば地味な私はもっと技術面を磨いていかねば。
明日からまた魔法の自主練だ。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。