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そこは酒場でした

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

「ここがオレの行きつけの店だ」


フォードの街に戻った私達3人は素材は後日冒険者協会へ持ち込むことにして、そのままの足でシンさんおすすめの店へとやってきた。


「これは…なんというお店ですか?」


マントのフードを被ったまま、私は呆然とそのお店を見上げた。


「ダンの店っていう酒場だ」


「酒場…」


おぉ!これが噂に聞く酒場!荒くれ者が飲んだくれているというところか!一度でいいから行ってみたいと思っていた。


「ぜひ行きましょう!」


「アンジェは、目立つからしっかりフードを被るんだぞ」


お師匠様がそう言ったので、私はマントのフードを深く被り直した。


さあ、酒場に繰り出そう!


私はシンさんとお師匠様に続いて酒場に入った。


中は活気に満ち溢れていた。


あちこちから大声で話す声、注文を叫ぶ声、ガチャガチャというお皿の音が混ざってすごい迫力だ!


「ここが酒場!!」


周りを見渡すと冒険者っぽい人や街で働く男性客でいっぱいだ。


「あら!シンさんいらっしゃい!奥のテーブルにどうぞ」


スタイル抜群のウェイトレスさんが、私たち3人を人目につきにくい奥のテーブルに案内してくれた。


テーブルに向かう途中も何人かの冒険者達がシンさんに声をかけていた。


さすが常連だ。


「アンジェは、酒場は初めてか?」


「はい!すごく賑わってるんですね」


私は興奮して言った。


テーブルに座るとすぐに先ほどのウェイトレスさんが注文を取りに来てくれた。


「お前ら何を食べる?今日はオレの奢りだ。オレはとりあえずステーキとエールだ」


「わしはミートパイとエールにしよう。アンジェはどうする?飲み物は何があるかな?」


「お酒が飲めない人には果実水はどうかしら」


お姉さんが、私を見たが、わたしは隣のテーブルに釘付けだ。


隣のテーブルの人が食べているあれは、前世で憧れの漫画肉じゃないか。


「私はアレがたべてみたいです!」


もう二度と食べるチャンスはないかもしれない。


ぜひアレにかぶりついてみたい。


「お前見かけによらず大食いだな。じゃあコイツにはあれと、果実水をくれ」


今日の訓練大変だったけど、最後にこんなご褒美があるなんて。


「お待たせ〜。熱いから気をつけてね」


ウェイトレスさんが私たちの注文の品を運んできてくれた。


「うわ〜、すごい」


外はバリバリでとても美味しそうだ。


私はフードをとって肉に向き合った。


「いただきます!」


手で骨を持ってガブリとかじりつくと、ハーブでしっかり味付けされた肉の旨みがジュワッと口いっぱいに広がった。


「おいひいです!!」


「よかったよかった!お前うまそうに食うな」


うちの料理人が作った料理はもちろん美味しいが、こんなワイルドに食べる肉料理はまた格別だ。


大きくてもどんどん食べられる気がする。


果実水もオレンジとりんごが混ざったようなさっぱりとした甘さで、肉とよく合う。


「これもおいしい!」


「だろう?ここの店は何を頼んでもハズレがないんだ」


もぐもぐと肉を満喫していると、突然声がした。


「アンジェ、み〜つけた」


「ル、ルーク⁈なんでここに?」


口周りを油でベタベタにしながら私は振り向いた。


「見つかってしもうたか…」


師匠が頭を抱えた。


「オレを置いていくなんてひどいんじゃない?」


「え?でも今日は訓練で…」


ルークは椅子を持ってきて私のすぐ隣に座った。


「オレにもエールを!」


ウェイトレスさんに向かってそう言うと、私に向き合った。


「アンジェが危ないことする時は絶対オレも行くからって言ったよね」


言ったような言ってないような。


「そんなこと言ったっけ?」


「言った!それを置いていくなんてヒドイよ」


しかし今日は訓練だ。


「でも今日は訓練だし」


「それでもオレも行きたかった」


ルークがいては訓練にならない。


「おい、ルーク!その辺にしてやれ」


シンさんが止めに入ってくれた。


「それもなんでシンさんがアンジェと一緒なんだよ」


「アンジェとは少し前に知り合ったんだ」


「そんな話聞いてないし」


魔物に襲われて死にそうになったなんて言ったら、これから絶対に面倒になるから言わなかったんだよ。


「ルークとシンさんは知り合いなんですか?」


「この国で騎士をやってるなら、シンさんを知らない人はいないよ」


へ〜、じゃあお兄様も知ってるわけか。


面倒だから知られないようにしよう。


「ところでアンジェ?何食べてるの?」


ルークがポケットから出したハンカチで私の口周りを拭きながら聞いた。


「おっきい肉だよ」


私は食べかけの肉を掲げた。


「へぇ、美味しそうだね。一口ちょうだい」


ルークは私の手ごと肉を掴むとかぶりついた。


「うん、これはうまいね」


「でしょう?初めて食べたけどすごく美味しいの」


シンさんが呆れたように私たちを見ている。



「じいさん、こいつらいつもこんな感じか?」


「いつもこんな感じじゃ。こいつはめんどくさいヤツじゃから、あまり刺激しないでくれ」


「へえ、オレに牽制とはいい度胸してるじゃないか?」


「刺激しないでくれと言ったのに」


「シンさん、今日はオレの婚約者がお世話になりました。次からはオレが訓練に付き合うので、お忙しいシンさんには迷惑かけませんよ」


あれ?まだ婚約してないと思うんだけど。


「アンジェはオレの弟子みたいなもんだから、迷惑なんかじゃない。気にしないでくれ」


あれ?いつのまにか弟子っぽいことになってる?


バチバチと火花を飛ばす2人をしばらく見ていたが、せっかくのお肉が冷めてしまう。


放っておいていただこう。


私は再び肉にかぶりついた。


「アンジェは大物じゃ…」


お師匠様がつぶやいた。


読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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