お客様のニーズに答えよう①
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
しばらく大人しく健康を噛み締めようということで、久しぶりにお店に出てみることにした。
お客のニーズを調査してより良い店作りを行うのもオーナーの務め、今日は一日中お店で接客しよう。
「いらっしゃいませ」
朝は冒険者の方々が多い。
買うものはポーションや魔力回復薬だ。
「ありがとうございます。ちなみに他に置いてあればいいなと思うものありますか?」
私は商品を渡しながら、大柄でコワモテの冒険者さんに聞いてみた。
「そうだなぁ、保存食なんかあるとありがたいかもな」
ふむふむ、保存食。
冒険者さんたちは普段どんな保存食を持ち歩いてるんだろう。
顔見知りの冒険者さんたちに聞いてみよう。
冒険者の方々が一段落すると、昼前には近所の奥様方が多いようだ。
「何かあったらいいなと思う商品ありますか?」
奥様方にもリサーチだ。
「そうねぇ、少し休んでお茶できるスペースがあると嬉しいわね」
ハーブティーを置いて、試飲できるようにするのもありかも。
私は前世でハーブティーにはまっていたから結構詳しい。
まずはこの2案を検討してみよう。
冒険者の皆さんに保存食について聞いたところ、普段は干し肉や木の実、小麦粉を丸めたものなどらしい。
ためしにもらった干し肉のかけらを食べたが硬くて噛むのも難しく、味も全くない。
小麦粉の丸めたものはさらに味がなく、パサパサしていてひどく喉が渇く。
魔物を狩りに行って、この食事は辛い。
私やお師匠様は魔法袋を持ってるから、いつも美味しい食事が摂れるのがありがたい。
まずは干し肉を改良してみよう。
お店の作業場で研究だ。
生肉の塊にスパイスを効かせて噛むほどに味が出るように。
水分も調節してもう少しソフトに。
水魔法で徐々に水分を抜いて、絶妙に噛みやすいジャーキーに仕上げる。
燻製もいいかも。
色々試してスパイスと燻製の2種類ほど出来上がった。
ドライフルーツも作ろう。
プルーンやマンゴーなど前世にあった果物に似たものはないかスタッフに聞くと、色々買いに行ってくれた。
ドライフルーツは栄養価も高く甘味が疲れに良さそうだ。
これも水分を徐々に抜いて行く。
色んなフルーツを試したが、半分は味がしなかったり、形がなくなったりで、ボツになった。
小麦粉系のはもっとクッキーっぽく固めて、某バランス栄養食をイメージしてみた。
きな粉やドライフルーツを刻んだ物も入れてスティック状にしてからオーブンで焼く。
甘いのが苦手な冒険者さんも多いから、チーズと軽くスパイスで味つけた物も作ってみた。
閉店後、従業員みんなで試食会だ。
「ドライフルーツは冒険者以外にも人気が出そうですね。私はこのマングーのドライフルーツが一番好きです」
ケイトとミリーの女性陣にはドライフルーツが人気だ。
私もこのマンゴーによく似たマングーのドライフルーツが一番好みだ。
フルーツそのままより甘味も増しているように感じられる。
「この干し肉もめちゃくちゃウマイです!」
ダミアンはスパイスがきいた干し肉を気に入ってくれたようだ。
「小麦粉のこれもパサパサしなくて、味がしっかり感じられます」
ジェイドはバランス栄養食を食べている。
「うんうん、アンジェが作ったものは何でもおいしいね」
ルーク…何故かいるけど、もうツッコまない。
みんなもルークの突然の出没にすっかり慣れている。
「全て品質には問題ないですね。どれも充分商品として売り出せます」
「あとは値段設定ですね。干し肉と小麦食は他の店より高く売り出そうと思います」
おおっ!経理担当ミリーが頼りになる。
「ドライフルーツはまずは原価の安い4種類から始めて、人気が出たら徐々に増やしてはいかがですか?」
さすがミリーさん、それでいきましょう。
「それで、いいと思う。生産面は大丈夫かな?」
「当面は私たちで作り、販売数が終了したら売り切れにしようと思います」
「はい、まずはそれでいいと思います」
人気が出たらまた製造してくれるところを探してみよう。
新商品第一弾の発売だ!
「アンジェ!この干し肉もっとある?」
ルークのことはそっとしておこう。
1週間後、私はまた店にやってきていた。
ミリーを中心に、値段とパッケージ作り、ケイトを中心に仕入れと製造と順調に進み、本日新商品を発売することになった。
まずは試食をしてもらって味を知ってもらう作戦だ。
「開店します」
ジェイドは外に出てドアプレートをオープンにした。
今日も朝から冒険に出かける冒険者さんがポーションを買いにやってきた。
「いらっしゃいませ。こちら新商品の柔らかい干し肉です。試食にひとつどうぞ」
私は冒険者さんの手に試食の干し肉をひとつ手渡した。
「干し肉ねぇ…、何だコレ!ウマイ!そして柔らかい!」
よしよしいい反応だ。
その時ドアベルがカランと鳴って、以前助けた冒険者のモルド達が入ってきた。
「いらっしゃいませ、お久しぶりです」
「アンジェちゃんだ!久しぶり〜。あの時はありがとね」
サンディさんも元気そうだ。
「こちらこそお店を宣伝してくださって、ありがとうございました。おかげさまで順調です」
私がいうと。
「このお店はめちゃいいもの売ってるから、ほっといても人気になったよ〜。ところでコレ何?初めて見る商品だね」
サンディさんはドライフルーツに目を向けた。
「今日から発売のドライフルーツです。試食をどうぞ」
私はサンディさんの手に試食用のマングーのドライフルーツを載せた。
「何コレ!めっちゃ美味しい。スゴイ甘いよ」
「日持ちもするんで討伐にも持っていけますよ」
私はモルドさんとヤマトさんの手に干し肉を載せた。
「こっちは柔らかい干し肉です。どうぞ食べてみてください」
「何だコレ?めちゃくちゃ柔らかくて、味もうまいぞ!ほんとに干し肉か?」
「…ウマイ」
モルドさんたちは干し肉を美味しそうに食べてくれた。
「嬢ちゃん、この干し肉をくれ!10袋だ」
最初に試食してもらった冒険者さんが、さっそくお買い上げしてくれた。
あとから入ってきた冒険者の方も次々とジェイドの手から干し肉、ダミアンからドライフルーツを受け取っている。
「お、オレたちも買おうぜ!」
「そうね、売り切れる前に買いましょう」
モルドさん達も買ってくれるそうだ。
「ありがとうございます。この小麦食もどうぞ」
「これが小麦食か…全くの別ものだ。うまい」
新しい保存食の反応はとても良いようだ。
その日は午前中で新商品が全て売り切れになった。
読んでいただきましてありがとうございました。
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