彼女が騎士団にやってきた ルーク視点
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
公開訓練は憂鬱な1日のはずだった。
見学の人たちはいつもうるさくて訓練の邪魔だし、騎士団員たちも浮ついててまともな訓練にならない。
基本の訓練が終わって休憩時間になると、団員たちがいつも以上にざわつき始めた。
「おい、見てみろ!あそこにすっげーかわいい子がいるぞ」
「マジか?うわ!ホントだ。めちゃくちゃかわいいな」
ザワザワザワ。
うるさい奴らだ。アンジェ以上にかわいい女の子なんているわけがない。
まぁ、お前達がアンジェに会うことは一生ないだろうが。
その日もうるさい外野の声にイラつきながら、午後のトーナメントの出番を待っていた。
アレンの出番が来た。
見学の女達の声が一際うるさくなる。
その時だった。
「お兄様〜、頑張って!」
アンジェだ!アンジェの声がする。
オレがアンジェの声を聞き間違うはずがない。
オレは急いで声のした方に走り出した。
「アンジェ、きてたのかい?」
今日のアンジェもとてもかわいい。
優しい空色の外出用ドレスがよく似合う。
もしや、騎士団の奴らが騒いでたのはアンジェだったのか。
こんなかわいい姿を奴らに見せてしまったとは一生の不覚だ。
アンジェを見せる予定はなかったのに。
とりあえず目立たない方に移動しよう。
「アンジェ、きてくれたのか」
試合を終えたアレンが嬉しそうに走ってやってきた。
お前か?アンジェをこんな男たちの前に呼んだのは。
アンジェが減るだろうが。
「お兄様お疲れ様、かっこよかったよ」
「!!」
アンジェが俺以外の男をかっこいいだと⁈
さらにアレンは、アンジェの手作りのお菓子をもらっている。
オレも絶対欲しい。
「アンジェ、オレにもアンジェの作ったお菓子ちょうだい」
保存用と観賞用、試食用と3つは必要だ。
「ルークも頑張ったらね」
頑張ったら手作りお菓子をもらえるのだ。
オレはアンジェのためならなんだってできる男だ。
全力で戦い抜こう。
「ルーク、頑張って!」
アンジェもオレを応援してくれる。
そうしてオレは、準々決勝、準決勝、決勝と勝利して3つの手作りお菓子を無事手に入れた。
さぁ後はアンジェを人目につかないように帰すだけだ。
「さぁアンジェ、アイツらに見つかる前に帰ろうね〜」
オレはアンジェを無事に馬車まで送り届けた。
「おい、お前といたあのかわいい子誰だよ」
なんとか騎士団のみんながアンジェに関わらないうちに帰すことができたようだ。
「先輩方には関係ないですが、今オレは機嫌がいいので答えましょう。あの子はオレの婚約者です」
どうだ、手出し無用だ。
「オレの妹ですよ」
アレンめ、余計な情報を。
「じゃああの子が聖女の妹なのか」
「初めて見たがめちゃくちゃかわいいな」
「妖精姫って噂は本当だな」
確かにアンジェはかわいいが、その可愛さはお前たちの目を楽しませる為ではない。
「だろう?アンジェは最高にかわいいんだ」
まぁそれには同意だが。
家に帰って、さっそくアンジェからもらったお菓子を飾ろうとコレクションルームに向かっていると、弟のロイが向こうからやってきた。
「兄さん、どうしたのそのお菓子」
ロイは3歳下でアンジェと同じ年の弟だ。
小さい頃体が弱かったので、剣術はあまり得意ではないが、頭はすごくいい。
「アンジェの手作りお菓子だ。悪いがお前にはあげられない」
「いやそんな後が怖いものいらないよ。でも3つも食べるの?」
ロイは両手いっぱいのお菓子を見て言った。
「保存用、観賞用、試食用だ」
「あ、そう。ヨカッタネ」
ロイは遠い目をして自分の部屋に戻って行った。
ガチャ。
自室の奥の扉を開けるとそこはアンジェのコレクションルームだ。
正面にはアンジェの大きな肖像画が飾ってある。
そして保存魔法のかかったケースに向かう。
ここにはアンジェとオレの思い出がいっぱい詰まっている。
例えば、アンジェにもらったどんぐり。
アンジェにもらった綺麗な石。
アンジェが作った石鹸やシャンプー、ポーション。
そして今日からこのお菓子も飾られることになる。
「思い出がまた増えたね、アンジェ」
オレはアンジェの肖像画に向かって言った。
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