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騎士団を見に行こう

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします

13歳になりました。


最近は、私も少しずつ背も伸びて、胸はそんなに膨らんでないけど、女性らしくなってきたんじゃないかと思っている。


あいかわらずゴージャス美女には程遠いけど、今の自分が結構気に入っている。


お姉様には頻繁には会えないけれど、時々王城にお茶をしに行く。


お姉様はとても忙しそうだが、王城の生活にもだいぶ慣れたようだ。


お姉様といえば、街では王太子妃のことを聖女様と呼んでいる人が多いのに驚いた。


魔物の瘴気を払ってもらった人が口々にそう言っていて、そこから広まったらしい。


お姉様にはピッタリの呼び名だ。


ところで先日、お兄様から第一騎士団の公開訓練に差し入れをしにきて欲しいと頼まれた。


お兄様とルークが騎士団に入って結構経つが、公開訓練なるものがあるなんて初耳だ。


何しろ、同僚が婚約者からの差し入れを見せびらかしてきて悔しかったそうな。


ルークもいることだし少し多めに何か焼き菓子でも作ろうかな。


ちょうど最近私はウチの料理人に教えてもらって、いくつか焼き菓子を練習したところだ。


なかなか筋がいいと褒められて調子に乗っているので、さっそく次の公開日に突撃しようと思う。


実際騎士団の訓練がどんなものか、前から興味があったのだ。


次の公開日、私は昨日1日かけて作ったマドレーヌとフィナンシェを魔法バッグに入れて(ラッピング済み)マリアと共に第一騎士団を訪れた。


訓練場の周りには少し高くなった観覧スペースがあり、どうやらそこから訓練を見られるようだ。


しかし想像以上の女性の多さである。


それも若い女性がほぼ占めている。


訓練場では2人1組になって木剣でそれぞれ戦っている。


カンカンと鳴る木剣の音に負けないくらいに、女性たちのキャーキャーという叫び声が響いている。


「なんか想像以上に女性が多いわね」


マリアと完全に雰囲気に押されて後ろの方へ移動しながら言うと。


「私も初めてきましたので、これほどとは」


とマリアも驚いている様子。


そうしているうちに、


「打ち合い終了!ただいまよりトーナメント方式の模擬戦を始める」


という声が聞こえた。


試合形式とは見応えありそうだ。


すでに初戦は別日に終わっているらしく、今日は準々決勝からだ。


木剣といえど、流石に迫力がある。


あ、次はお兄様らしい。


「お兄さま〜!頑張って!」


お兄様は女性たちからわりと人気があるのだろうか?


一際大きくなった女性たちの黄色い声に混じって、私も応援を送る。


するとお兄様はあの距離で気付いたのか、私に向かって大きく手を振った。


「「キャー!」」


わっ、周りの声がスゴイ!


「始め!」


カンカンと鋭い打ち合いが始まる。


相手の男性は、お兄様より一回りほど体格が良く強そうだ。


しかしお兄様も負けてはいない。


軽いステップで踏み込んで鋭い剣捌きを見せる。


お兄様なかなかやりますな。


しばらく一進一退の攻防が続いたが、最後はお兄様が相手の剣を撥ね飛ばした。


「スゴイ!お兄様!」


私はマリアとパチパチと拍手でお兄様を讃えた。


「アンジェ!きてたのかい?」


「わっ!ルーク!いつの間に!」


いつのまにかルークが私の真後ろに来ていた。


「こんなむさ苦しいところにどうして来たの?あいつらにアンジェを見られたらアンジェが減ってしまうよ」


そう言ってルークは私を人の少ない奥の方に連れて行った。


「イヤ減らないから」


ルークはどこでも通常運転だな。


「お兄様から訓練が見学できるって聞いてきたのよ。ルークも教えてくれればいいのに」


「う〜ん、アンジェが減っちゃうからな〜」


さっきから何なんだ、それは。


「アンジェ!きてくれたのか!」


そこへお兄様は息を切らしてやってきた。


「お兄様、お疲れ様。かっこよかったよ」


兄は誇らしげに笑って言った。


「そうだろう、そうだろう。オレは結構強いんだ」


「頑張ったお兄様には、差し入れだよ。私が作ったから味はそれなりだけど」


私はバッグからお菓子の包みを取り出した。


「アンジェがオレのために…。ありがとう、アンジェ!次も頑張るよ」


「うん、次も応援するね」


「アンジェ、オレにもアンジェの作ったお菓子ちょうだい」


兄を押しのけてルークが言った。


「ルークも頑張ったらね」


まぁ負けてもあげるつもりだけど、少しでもやる気が出ればいいな。


「もちろん頑張るよ!絶対勝ってアンジェの手作りお菓子をもらうんだ」


あれ?変なスイッチ入っちゃった?


ルークは兄を引きずって訓練場に去っていった。


次の試合はルークとヤンだ。


いよいよルークの試合が始まった。


「「ルーク様〜、頑張って!」」


こちらも女性達に大人気らしい。


声援がすごい。


私も負けてられないな。


「ルーク!頑張って!」


ルークがこちらを見て手を振った。


ザワッと女性達が一瞬ざわついた。


ルークの相手はこれまた筋肉モリモリの強そうな男性だ。


ルーク無理しないかな。


負けてもお菓子をあげると言えば良かったかも。


「はじめっ!」


審判役の騎士の掛け声と共に、ルークは一瞬で踏み出し相手の木刀を空に弾いた。


は、速い。


「勝者、ルーク!」


審判騎士がそう宣言したが、すでにルークはいない。


「アンジェ!勝ったよ!おかし、おかし」


またしても、ルークはいつの間にか私の後ろに現れてワンコのような瞳で両手を私に差し出してくる。


「お、おめでとう。はいどうぞ」


カバンから一袋のお菓子を差し出す。


「やった!初めてのアンジェの手作りお菓子!」


そんなにお菓子が欲しかったのか…。


「ルーク!戻ってこい!」


上官らしき人が言ってもお構いなしである。


「まだある?また勝ったらくれる?」


「ええ、まだあるから大丈夫」


私がそういうと、ワンコは絶対全部勝つ!と張り切って戻って行った。


それからもルークは凄かった…お兄様はもちろん、決勝でもあっという間に相手を打ち負かした。


「ルーク、すごい…」


あまりの勢いにあっけにとられていると、いつのまにか兄が隣にきていた。


「本気になったあいつに勝てるのは、団長くらいだな」


え?団長って第一騎士団の団長様?


強いとは思っていたけど、そんなに強いとは。


優勝したルークは3つ目のお菓子を嬉しそうに抱えていた。


「さぁ、アンジェ。訓練も見たし、アイツらに見つかる前に帰ろうね〜」


そのままルークに連れられて私とマリアは馬車まで送られて、騎士団を後にした。


今日はルークのいつもと違う一面を垣間見た気がする。


奥が深い男である。


また機会があったら騎士団の訓練を見に行きたいな。




読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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