ポーションと冒険者
今回少し長めです。
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
今日はお師匠様と魔物のいる森のさらに奥にある洞窟にきている。
なぜかというと、お師匠様が新しい魔法袋を作ってくれることになったので、その素材を取りに来たのだ。
以前お師匠様にいただいた便利すぎる魔法袋だが、私のいない時でも従業員のみんなが使えるように、店舗で管理することにした。
お師匠様に聞かれてそう話したら、何と私専用の魔法袋を作ってくれることになったのだ。
それも好きな素材でバッグを作れば、そこに付与魔法をかけてくれるというのだ。
前回巾着だったのは、お師匠様がバッグについてのこだわりがなかったからなのだとか。
持つべきものはチートなお師匠様だ。
せっかくなので女の子がお出かけの時持っていても違和感のないおしゃれなショルダーバッグにしようと思う。
お師匠様いわく、魔法伝導の良い魔物の皮でできたものがいいそうだ。
それなら赤のショルダーバッグにしよう。
お師匠様と魔法伝導の良い赤色の魔物を相談したところ、森の奥の洞窟に多く生息するレッドサラマンダーが良いだろうということで、今日は早朝から遠出をしてここまでやってきた。
お師匠様の魔法バッグにはマリアの用意してくれたランチバスケットも入っている。
「せっかく洞窟まできたから、ここらでしか取れない素材もついでに取っていくか」
お師匠様と私はブラックスネイクやブルーサラマンダーも取っていくことにした。
魔石もまた何かに使えるかもしれないし。
「いたぞ」
お師匠様が指さす方へ目を向けると、開けたところの水場にお目当てのレッドサラマンダーがいた。
「思ったより大きいですね」
あれならバック数個はできそうだ。
「素材の皮が傷まないようにするには、出来るだけ1撃で仕留めないとな。できるか?」
「はい、お師匠様」
私は静かに魔法でレッドサラマンダーの上に氷の大きな槍を作った。
「首の辺りを狙うんだ」
「はい。行きます」
ズドン!!
氷の槍は真っ直ぐにレッドサラマンダーの首のあたりを貫いた。
「やりました!お師匠様!」
ガッツポーズを決める。
「よし、綺麗に仕留められているぞ。外傷も少ない」
お師匠様はさっそく魔法袋にしまってくれた。
ランチと魔物が一緒に入っているけど上手く干渉し合わないのが不思議だ。
目的を終えた私達は洞窟を後にして、魔物の森まで戻り、少しひらけた場所で持ってきたランチを食べた。
「これは美味しいな。何のサンドイッチだい?」
師匠が2個目のサンドイッチを頬張りながら聞いた。
「スモークチキンとレタスのサンドイッチですよ」
「デザートのアップルパイもありますよ。お師匠様がお好きだと言っていたので料理人に作ってもらいました」
お師匠様はアップルパイに目がないのだ。
「それは嬉しいな。君のところの料理人は腕がいいからな」
そんなふうにほのぼのランチを食べ終え、食後の紅茶を飲もうとしていた時、悲鳴と魔物の気配を感じた。
「どうやらゆっくりお茶はできないみたいだね」
ティーセットを手早く袋にしまって、お師匠様は気配のする方へ走り出した。
私も付いて行く。
すると3人組の冒険者がキングオークに追いかけられていた。
「もっと早く走れないのか!追いつかれるぞ!」
「全速力で走ってるでしょうが!」
「…」
女の子は火魔法使いのようで、オークの顔めがけて火魔法を撃ち込んでいるが、追いかけてくるオークの速度を落とすこともできないみたいだ。
「お師匠様、助けます!」
「ああ、助けてあげなさい」
私はオークの頭めがけてファイヤボムを撃った。
ドン!!
一撃でオークは顔が吹き飛んで、ゆっくりと後ろに倒れた。
「す、すごい!」
3人も衝撃で尻もちをついた。
「大丈夫ですか?」
私とお師匠様は3人の元へ駆け寄った。
「あんたらが倒してくれたんだね。ありがとう」
女の子がゆっくりと立ち上がって、大剣を持った男性のところへ行き、腕を取って立たせた。
もう1人の男の子も細めの剣を持っている。
「ありがとう。助かった。オレたちは王都からきた冒険者で、オレはモルド、彼女はサンディ、こっちの無口なのはヤマトだ。ランクはEランクだ」
Eランクとはどのくらいの強さなんだろう。
冒険者の知り合いがいないからよくわからない。
「そうか、この森は奥に入ると高ランクの魔物が出るから気をつけなさい」
え、この森っていつも素材取ってる森だよね。
「おじいさん、さっきの火魔法すごかったね。ひょっとして高ランクの冒険者?」
サンディは師匠に向かって聞いた。
「いや、さっき火魔法を撃ったのはこの子だよ」
「え!?この虫も殺せなさそうな女の子がオークを一撃かよ!」
モルドが驚いて私を覗き込んだ。
「怪我してるじゃないですか!」
モルドは右腕をざっくり切られていた。
痛そう。
「お師匠様、あれを」
「そうだな、治してあげなさい」
お師匠様は魔法袋からポーションを出して私に渡した。
「良かったらこのポーションを使ってください」
「いいのか?オレたちポーションを使い切ってしまって…。正直助かる」
「困った時はお互いさまです」
モルドはポーションを一気に飲んだ。
「このポーションうめえ!」
え?他のポーションって美味しくないの?
「このポーションすげぇな!もう傷がふさがってきた」
え、いつもどんなポーション使ってるんです?
「このポーションどこで手に入るんだい?」
モルドが興奮して聞いた。
「これはわしたちが作った…」
慌ててお師匠様の前に出る。
「このポーションはウィンライトの街に新しくできたサニーって言うお店で売ってますよ」
私はお師匠様の魔法袋から魔力回復薬を取り出した。
「よければ魔力回復薬もありますので、どうぞ」
そう言ってサンディさんに渡す。
「ありがたくいただくわ。魔力がもうほとんど尽きかけてて。え、ほんと、おいしい」
「これもサニーに置いてありますよ」
宣伝宣伝。
「貴重なポーションをありがとう。助けてくれたうえにポーションまで。代金を払わせてくれ」
モルドさんはお財布を取り出した。
「いえ、代金は結構ですので、このポーションのことを冒険者の方々に広めてもらえませんか?」
「実はサニーというお店でこのポーションと魔力回復薬も売ってるんですが、なかなか売れなくて」
モルドさんから冒険者の方々に少しでも広まればポーションも売れ出すかも。
「そんなことならお安い御用だ。な、みんな」
「もちろん!こんな効き目がよくて美味しい魔力回復薬、みんな欲しがるわよ」
「オレも…」
3人は何度もお礼を言って街の方へ帰って行った。
頼みますよ!皆さん!
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
よければ評価、ブックマークもお願いします。




