雑貨と薬の店 サニー
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします
親方が張り切ってくれたようで、予定より少し早くお店の建物が完成した。
「あと看板を掛けて出来上がりだ」
親方が大工の皆さんに指示を出す。
今日は店の完成を見守りにジェイドを始め、ミリー、ダミアン、ケイトと従業員全員集合だ。
「そういえば、店名は何ですか?」
そういえば伝えてなかったかも。
私は付いたばかりの看板を指差した。
「雑貨と薬の店、サニーだよ」
これから「晴れた日」のようにこの街を明るくしていってほしい、という気持ちを込めてみました。
「さあ、完成だ!みんな中に入ってみてくれ」
マリアと従業員一同で店の中に入ると、新しい木のいい匂いがした。
「ここが、私達の店…」
ミリーが呟く。
しっかり店を見て回ったが、どこも注文通りで完璧だ。
「親方!こんなに素敵に仕上げてもらって…ありがとうございました!」
私は感動して親方のゴツゴツした手を握った。
「久しぶりに楽しい仕事だったぜ。これはおまけだ」
そう言って親方は凝ったデザインのドアプレートをくれた。
プレートの真ん中にはオープンと書いてある。
裏はクローズ、なるほどこれは必要だ。
親方達が帰って、私とマリアと従業員達で掃除をしていると、お師匠様がやってきた。
「アンジェ!店が出来上がったか。これは頼まれていたものだよ」
お師匠様はキッチンのテーブルで魔法の袋から中身を取り出した。
お師匠様にはキッチン用と作業場用の魔道コンロと魔道蛇口を頼んでおいたのだ。
普通にも売っているのだが、師匠が作ったものは性能が段違いに良い。
「お師匠様、ありがとうございます。さすがお師匠様、仕事が丁寧ですね」
良い仕事にはきっちりほめなければ。
「そうだろう、そうだろう。それとこれは開店祝いだ」
そう言ってお師匠様は、魔道コンロを入れていた魔法袋を差し出した。
「えっ?魔法袋をいただけるんですか?買えばすごくお高いですが」
魔法袋は空間魔法を付与できる人がほぼいないので、ものすごくレアだ。
お値段も桁違いだ。
「あぁ、わしが作ったものだから材料費だけしかかかってないから大丈夫だよ」
え?ますますお師匠様が何者なのか謎は深まる。
「凄すぎます、お師匠様…。これで商品を運ぶのがとても楽になります。ちなみにどれくらいの量が入るんですか?」
馬車1台入ればすごいと言われている魔法袋だがお師匠様のことだから、どうせもっと入るんでしょ?
「この店全体くらいは楽々入るよ」
もうケタ違い過ぎてツッコむ気力もない。
「あ、ありがとうございます」
深く考えるのはやめよう、今はやることが多い。
さっそく魔道コンロと蛇口を設置した。
これで誰でも火が使えるし、蛇口に触るだけで水が出る。
便利な世の中だ。
「キッチンが使えるようになったので、お茶でも淹れましょうか?」
マリアの提案に、
「それならオレが隣のパン屋でパンを買ってきます」
ジェイドは気が利くねぇ。
店の向かって右隣はパン屋さん、左隣はお肉屋さんだ。
ちなみに向かいは八百屋さん、食材を買うのに困らない立地だ。
「ジェイド、おねがいします」
マリアはジェイドにお金を渡し送り出した。
「ただいま戻りました」
「アンジェ!きたよー」
パンが入った紙袋を持ったジェイドの後ろに、同じくパンの袋を持ったルークが現れた。
いや別に呼んでないけど安定の出現率だ。
「パン屋の前で会って、ルーク様が買ってくださいました」
とジェイドはマリアにお金を返した。
「ルーク、パン多すぎない?」
「人数いるし大丈夫でしょ」
確かに、育ち盛りも多いし。
「ところでルーク、今日は騎士団の訓練があるんじゃなかったの?お兄様も来たがっていだけど休めないからって泣く泣く訓練に行っていたわよ」
ルークとお兄様は今年から王都の第一騎士団に入隊した。
貴族の男児は基本一度は騎士団に入る規則だ。
ルーク達は幼い頃から剣術をやってきているので、一番ハードで有名な第一騎士団に入隊が決まったらしい。
兄が訓練がハードだともらしていた。
「今日の訓練内容は午前中に全部終わらせてきたから大丈夫」
それってできるもんなの?よくわからないからそっと流しておこう。
「オレはアンジェの人生のイベントは見逃さないって決めてるんだ」
何か勝手に決められているが、いつものことなので気にしない。
「大丈夫ならいいけど。えっと、パンをありがとう」
ティーセット足りるかな。これから来客も増えるかもしれないからもっと買い足しておこう。
みんなでランチを摂った後、師匠は帰って行った。
せっかく魔法袋をもらったからには早く使ってみたい。
私はマリアとルークと工房に商品を取りに行くことにした。
「こんにちは〜。商品を取りにきました」
「いらっしゃい、アンジェちゃん。お店は完成したのかい?」
デイビットさんの工房に着くと、おかみさんが迎えてくれた。
「はい!おかみさん。無事完成しました」
「開店したら、私も行くからね」
そういいながら、デイビットさんと在庫の置いてある倉庫に案内してくれた。
「今日はどのくらい持っていくかい?」
デイビットさんには多めに在庫を作ってもらっていた。
「全部もらって行きますね」
師匠にもらった魔法袋で一番大変な積み込み作業があっという間に終わった。
工房の人たちは魔法袋に驚いていたが、お師匠様のことを知っているだけに、お師匠様の手作り袋といえば納得だった。
後は頼んでいた家具や小物を入れていよいよ1週間後に開店だ。
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