お姉様の結婚①
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします
お店の設計は商人ギルド紹介の親方と話し合って進めていくことにした。
商人ギルドの1室をお借りしてあーでもない、こーでもないと話し合っている。
「店舗部分には壁に作り付けの大きな棚だな」
親方はこの街で何軒も人気店を建てたという経験豊富な人だ。
「真ん中に大きな台もいりますね」
マリアが珍しく乗り気になって話を進めている。
ここにきて、大手の商会の娘の血が騒いだのか。
「カウンターの高さはこのくらいですかね」
マリアが言うと
「いや、アンジェがカウンターに立つこともあるかもしれないから、もう少し低くてもいいんじゃないか?」
何でいるんだ、ルーク。
忙しいはずのルークなのに、なぜか安定の出没感である。
確かに以前からマリアやルークにはどんな店にしたいか話していたが、私が口を挟む隙がない。
どんなレイアウトかというと1階が店舗部分と倉庫、作業部屋、ダイニングキッチン。応接室。
2階がそれぞれの従業員の部屋と客間が2部屋。
外の通りからはお店の中が見えるように一部ガラスになっている。
いよいよ夢のお店が現実を帯びてきた。
「ゴランの旦那の紹介だし、優先的に作ってやるぜ。楽しみにしてな」
親方はそう言って帰って行った。
「2人ともお疲れ様。ありがとう」
「楽しくて、ついしゃしゃり出てしまいました」
マリアが珍しく、興奮した様子で言った。
「店が出来上がるのが楽しみだね、アンジェ」
ルークを呼んだ覚えはないがありがとう。
結果的に2人が前に出てくれたおかげで、話がスムーズに進んだことは間違いない。
建物ができる前に、在庫を確保して、従業員教育してと考えていると
「そういえば来月のマクシミリアン殿下とローズの結婚式にはアンジェも参列するんだろう?」
とルークが聞いてきた。
「うん、私も参列できるよ。楽しみだね、お姉様のウェディングドレス姿」
お姉様達の結婚式がいよいよ来月に迫っている。
王太子の結婚式ということでみんな1年近く準備をおこなってきたらしい。
式には他国からも皇族がやってくるようだ。
もちろんルークも貴族として出席する。
「アンジェのドレス姿も楽しみだよ。本当はオレがドレスを贈りたかったけどね」
ルークは私に色々プレゼントをくれるけど、お父様は断固としてドレスを贈ることを許さないらしい。
父の意地だと以前お父様がつぶやいていた。
「当日は男と目を合わせちゃダメだよ」
え、それは普通に考えて無理なんだけど。
いつも優しいルークだが、時々訳がわからないことを言ってくる。
「とにかくお姉様のウェディングドレスはこの国で一番有名なデザイナーが1年前から手がけていた素晴らしいものなんだって」
「それを着たお姉様は素晴らしく美しいわよね。
あぁ、想像するだけでドキドキする」
いよいよお姉様はこの国の王太子妃となるのだ。
あと1週間でお姉様がご結婚という時、お姉様が久しぶりに我が家に帰ってきた。
準備もほぼ終わり、今日から3日間は実家で過ごすことができるらしい。
家族も使用人も久しぶりのお姉様に浮き足立っている。
「お姉様!お帰りなさい!」
やっと馬車が到着し、降りてきたお姉様をみんなで迎える。
「みんな、出迎えてくれてありがとう。久しぶりに帰れて嬉しいわ」
久しぶりの生お姉様!相変わらず安定の美しさ。
この家に、この国に生まれて良かった。
「ローズ、疲れたでしょう?まずは自室でゆっくりしなさい」
お母様もお父様もとても嬉しそうだ。
その日の夕食は、料理人が張り切ってお姉様の好きな物を取り揃えた。
「どれもとても美味しいわ、ありがとう」
お姉様も嬉しそうだ。
「好物ばかりで食べ過ぎて、体調を崩すなよ」
兄なりに心配しているのだろうが、もっと言い方はないのか。
「お姉様、体調はいかがですか?お疲れではないですか?」
「心配してくれてありがとう、アンジェ、アレン。自室でしっかり休んだから大丈夫よ」
お姉様、心なしか痩せたような。
それくらいでお姉様の美しさは変わりませんが。
その夜、私はまた夜着でお姉様のお部屋に来ていた。
お姉様が家にいるのだ、もう少しだけお話したい。
「お姉様、アンジェです。入ってよろしいですか?」
「どうぞ」
お姉様はソファでハーブティーを飲んでいらしたようだ。
「お姉様?どうかされました?」
私は、お姉様が泣いているように見えて、慌てて聞いた。
「何でもないのよ」
「お姉様、何でもないことはないです。私にできることはないかもしれませんが、お話を聞かせてもらえませんか?」
お姉様が悲しんでいるとわかって放ってはおけない。
「実は今更なのだけれど、結婚式が近づいて、王太子妃としてちゃんとやっていけるのか不安になってしまって」
何と!マリッジブルーというやつではないか。
お姉様だって人の子、そんな心のケアを怠るとは大丈夫か王太子様と王城の人々。
「お姉様、アンジェはお姉様がいつもいつも努力を続けていたのを見ていました。お姉様は充分頑張っているのですから不安になることなんてないのです」
私は仁王立ちになって、お姉様を見つめて訴える。
「アンジェ…」
「王太子妃や聖魔法使いじゃなくたって、お姉様は私の大好きなお姉様です。嫌になったらいつでも帰ってきてくださいね」
お姉様は私を見つめて微笑んだ。
「ありがとう、アンジェ。アンジェがそう言ってくれたらなんとかなるような気がしてきたわ」
そうだそうだ、いざとなったらお姉様と他国に移り住めばいい。
お金を貯めよう。
お姉様は立ち上がってぎゅっと私を抱きしめた。
「あ〜、アンジェはほんとに癒しだわ。いつまでもそのままでいてね」
「はい!お姉様!」
みんなを癒す聖魔法の使い手のお姉様を少しでも癒せるといいな。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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