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お兄様のお気に入りのようです

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします

「は〜、アンジェはほんとうにかわいい!!」


うっとりとした目で、ぷにぷにぷにと私のほっぺをツンツンしまくっているのは兄のルディ3歳である。


「このほっぺも最高にかわいい!!」


マリア……、得意げにうんうん頷いてないで、そろそろ助けて欲しいんだけど。


ベビーベッドにお座りしながら兄のおもちゃになっていたが、そろそろほっぺも疲れてきた。


「お父様が、僕はそろそろ領主になるための勉強を始めた方がいいって言うんだ」


「勉強ばっかりしてたら、遊ぶ時間がなくなっちゃうよ。

アンジェもそう思うでしょ?」


「あう、あう、あう」


しかしだね兄よ。


勉強は大切だよ。己の身を助けるんだよ。


「だよね〜!アンジェも僕と遊びたいよね!!」


話ができない赤ちゃんの身では、イマイチ話が噛み合わないが、3歳児の兄としては愚痴くらい言いたいのだろう。


ほぼ毎日私の部屋に入り浸っている兄だが、マリアと兄と話す内容によって少しずつこの世界のことがわかりつつある。


まず我が家は貴族でもなかなか格上のウィンライト家という侯爵家らしい。


道理で部屋がやたら立派なはずだ。


王都まで馬車で2時間ほどと近い場所に領地があり、今いるところはその領地になるらしい。


もちろん王都にタウンハウスもある。


またこの世界のほとんどの人々は魔法が使えるらしい。


魔法を初めて見た時はテンション上がりまくりだった。


私のイメージの異世界には魔法は必須だ。


マリアは水魔法が得意で、顔を拭くお水も洗面器にさっと入れてくれる。


兄はどうやら水と風の魔法が使えるらしいが、まだまだ練習が必要なようだ。


勉強に加えて魔法の練習も始まり大変だと言っていた。


両親は父が聖魔法。母が風魔法らしい。

姉も父と同じ聖魔法が使える。


聖魔法は回復と解毒の魔法で重宝されるが、実は圧倒的に使える者が少ないらしい。


魔法……なんてファンタジー。


憧れの魔法のある世界に転生したのだから、是非とも魔法を使いこなしてみたい。


そう思った私は、実は最近夜中にこっそり魔法の練習を始めた。


深夜……。


隣の部屋にマリアはいるが、どうやらぐっすり眠っているようで気配はない。


今日も魔法の練習を始めよう。


まず初歩と言えばアレ。


「ライト」


実際にはまだ発音できないので心の中で唱えつつ、ほんのり明るい光を指先にイメージする。


ぽぉっとかすかな光が赤子の指先にともる。


1週間前に初めて成功した魔法だが今では光の強さも自由に調節できるようになってきた。


そろそろ次のステップに移ろうと思う。


「アクア」


両手を胸の前で広げて水の球体を抱え込むイメージ。


プクッと音がして両手の間に水が球体に浮かび上がってきた。


なかなかいい感じだ。


両手の上に大きめの水の玉を作り出すことに成功した。


今度はこの水の球体を部屋にある洗面器に運ぼう。


水の球体はゆっくりふよふよ漂って洗面器の上で弾けた。


「バシャン!!」


思っていたより大きな水音が響いてマリアが起きてこないかドキドキしたが、大丈夫なようだ。


初めての水魔法、成功である。


でもとても疲れた……。


眠気で意識がぼんやりする。


まだまだ私には練習が必要なようだ。




読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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