ルークと街へ
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします
私は今、ルークと共に王都の繁華街に来ている。
マリアも一緒だ。
ルークがピアスのお礼にと誘ってくれたのだ。
ピアスはもともと狩りのお礼なのでと遠慮しても、ルークは全く聞いてくれない。
でも単純に、ルークと街に来るのは嬉しい。
まだ子供だからとお父様が街に遊びに行くのを、なかなか許してくれないのだ。
「アンジェ、どこから見たい?」
「あそこのかわいいカフェにも入ってみたいし、メイドたちが噂していた向こうの店の焼き菓子もお土産に買って帰りたいし。そこのかわいい雑貨屋さんも見たいな」
私はテンションが上がってしまって早口で答えた。
「よし、じゃあまずカフェだな」
結構な行列に並んで気づいたのだが、この行列は女性ばかりだ。
子供達も私たちだけだし、ルーク、大丈夫かな、
「ルーク、ここのお店結構並んでるし、並んでいる人もほとんど女性なんだけど大丈夫?」
私は急に心配になってルークに尋ねた。
「大丈夫だよ。アンジェと一緒ならいつまででも並んでいられるよ」
周りの女性からのキャアという小さな悲鳴が起こった。
「あ、ありがとう」
ルークはまだ子供だが、自分の顔の良さをもう少し自覚してほしい。
いつも優しいルークだが、最近甘い言葉を吐いてきて対応に困る。
店内はやはり女性が好きそうな、可愛らしい内装になっていた。
マリアと3人で、テーブルを囲む。
「どれにしょうかな。この苺のショートケーキも美味しそうだけど、葡萄のタルトもいいなぁ」
メニューを真剣に悩んでいると。
「じゃあどっちも頼んで、半分こしようよ」
ルーク、なんていい人。
紅茶と共に運ばれてきたケーキはとっても美味しく、ルークと仲良く半分こして食べた。
紅茶と共に美味しいケーキをいただいた後(マリアは胸がいっぱいと言って、紅茶しか頼まなかった)
カフェの次は通りの向かいにある雑貨屋さんに入った。
「わぁ、かわいい!」
繊細な陶器でできたお人形や、レースやアクセサリーなど女の子が好きそうなものがいっぱいだ。
ふと窓の方を見ると、赤ちゃんくらいの大きさのクマのぬいぐるみとうさぎのぬいぐるみが色違いのリボンをつけて飾られていた。
「わぁ、このクマのぬいぐるみかわいい!」
私はブルーのリボンをつけたクマを抱き上げた。
なにを隠そう前世の私はテディベアを集めていた。
このクマの顔めちゃくちゃ好みである。
でも隣のペアのうさぎもかわいいな。ひとつだけ買ったら可哀想かな。
「このクマ気に入ったの?今日の記念にプレゼントさせてよ」
ルーク、さらにお礼のお礼を重ねる気?
でもこのクマくんの可愛さには勝てない。
「ありがとう。でも悪いし、自分で買うから…」
私がそう言うと
「そうだ!じゃあアンジェはオレにそのウサギを買ってよ。これでおあいこでしょ?」
とルークが提案してきた。
それならルークばかりに払わせるわけじゃないし、このウサギさんも1人で残らないで済む。
「うん、それならいいよ」
と私はクマさん、ルークはピンクのリボンのウサギさんを大切に抱えて店を出た。
そのあと、マリアにみんなのお土産用に焼き菓子をたっぷり買ってもらって家に帰ったのだった。
自室にて
「お嬢様、クマさんをベッドに飾るのですか?」
「そうよ、気に入ったから一緒に寝るわ」
マリアはなぜかにこにこと私を見ている。
「ルーク様とお揃いですね」
「たまたま2人とも気に入ったからよ」
私は少し照れくさくなって言った。
それにしても今日は楽しかった。
またルークと街に行けるといいな。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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