表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/78

魔物を狩りに行こう

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします

後日


魔物を狩るための動きやすめの服に身を包んだ私の前に、ニコニコ顔のお師匠様となぜか怒った顔のルークがいた。


「何故ルークがここに?」


私が尋ねると


「魔物を狩りに行くなんて、たとえオズワルド様が一緒でもアンジェに万が一のことがあったらどうするんだ!」


「オレも一緒に行く!」


ルークは小さい頃から剣の稽古を欠かさず、魔法も火と風のかなりすごい使い手だから一緒にきてくれるのは心強いけれど、できるだけお姉様のプレゼントは自分で作りたい。


素材採取からできると楽しみにしていたのに、最近ルークが過保護になってきたんじゃないか?


「ルークは忙しいでしょう?お師匠様がいれば大丈夫だから」


「オレが行かないなら、アンジェもダメだ」


あなたは保護者ですか…?


「まぁいいじゃないか。ルークにはできるだけ手を出さないでもらったらどうだい?」


「わかりました。ルーク、私が危なくなるまで手を出さないでくれる?」


「わかった」


ルークはしぶしぶと言った感じでうなずいた。


「それでは気を取り直して、しゅっぱーつ!」


それから数時間後、私達はルークの操る馬車に乗って領地のはずれの湖にきていた。


霧に包まれた湖の水は、澄んでいるようだが底が深そうだ。


周りには樹が鬱蒼と生い茂っている。


「いかにも何かいそうだな」


ルークがそういうと


「いるからここにきたんだよ」


とお師匠様が答えた。


「アンジェ準備をしなさい」


「はい、お師匠様」


私は前方に腕をまっすぐあげ、指を銃のように構えた。


「いくよ」


お師匠様が雷魔法を湖全体に放った。


「しっかり引きつけて狙いを定めるんだ」


「はい!!」


湖から10体ほどの魔物が飛び出してこちらに向かって来た。


「ウンディーネか!!」


ルークが剣をかまえる。


「行きます!!」


ドドドド!ドドドン!!


端から火魔法をギュッと固めた物を打ち込んでいく。


ファイヤボムのイメージで、ウンディーネに当たったものから爆発して湖畔に落ちていく。


「まだ来るよ!」


お師匠様が言うのと同時にさらに大きなウンディーネが湖から飛び出す。


ドンドンドン!


大きめのファイヤボムを3発打ち込むと、やっと落下した。


「見てみよう」


ルークが先に落ちたウンディーネを見に行ってくれた。


「すごいなアンジェ、全部1人で倒したようだ」


「やりました!!」


むふー、となった私はルークのところに魔物を見に行った。


これだけあれば気に入ったものがあるだろうか。


さっそくお師匠様が便利な魔法袋に収納してくれる。


いいなぁこの袋。


お師匠様レベルの袋は無理でも、今度入手できないか聞いてみよう。


異世界に魔法袋はつきものだ。


帰り道、お師匠様は解体を頼みに冒険者ギルドで途中下車した。


お師匠様を降ろしたので、私は御者台に座るルークの隣に移動した。


何かルークの沈黙が重い…。


「アンジェはいつもこんなことをしているのかい?」


しばらくしてからルークが静かな声で尋ねた。


「い、いつもじゃないのよ。たまに、たまによ」


私は怒られるような気がして慌てて答えた。


「アンジェはいつもオレの想像を超えていくね。

オレも負けてられないな。もっと頑張らないと」


ルークは前を見据えたまま思い詰めたように言った。


「ルークはいつも頑張ってるじゃない。私、ルークがいつも一生懸命頑張ってるの知ってるわよ」


「アンジェ…。ありがとう、大好きだよ」


「危ない、前見て、前!」


街中で馬車を走らせながらよそ見はやめてほしい。


ルークにも色々悩みがあるんだろうな。


しかし人一倍努力しているルークには幸せになってほしい。


「ルーク、今日は一緒にきてくれてありがとう」


今日の日はきっといい思い出になるだろう。


2日後、お師匠様が待ちに待った魔石を持ってきてくれた。


「これです!これがいいです!」


最後に狩った魔石が色といい大きさといいネックレスにピッタリだ。


「まずは小さいものから練習したらどうだい?他の誰かにあげてもいいし」


「そうですね。まずは少し小さめの方から試して行きます」


まずは一番小さい魔石に身体強化を試してみる。


魔術式を宙に描き小さくしていく。


それをそっと魔石に載せていく。


ピシッ。


「魔石が小さすぎて割れてしまったね。次はコレで試してみなさい」


お師匠様がもう一回り大きな魔石を差し出す。


今度はもう少しゆっくり魔石に載せてみた。


「お師匠様、上手くいきました!」


身体強化の術式を載せた魔石は輝きを増した。


そのあとさらに少し大きな魔石に疲労回復の術式を載せていく、こちらも成功のようだ。


「よし!次は本番だ!この一番大きな魔石に載せてみよう」


緊張するが、お姉様のために心を込めて作るのだ。


そっと魔術式を載せると、澄んだ魔石はキラキラと輝いた。


「お師匠様、やりました!成功です!」


「よくやったアンジェ!バッチリできてるぞ」


お師匠様の太鼓判をもらった私は、さっそくマリアに準備をしてもらっていたゴールドの土台とチェーンも取り付けた。


そうだ、裏にメッセージも彫ろう。


 大好きなお姉様の健康を祈って アンジェ


いい感じに出来た。


あとは素敵な箱に入れてリボンを付けたら出来上がりだ。


もう一つの疲労回復の魔石はお師匠様にあげることにした。


最近腰が痛いと言っていたもんね。


お師匠様はめちゃくちゃパワフルなので忘れがちだが結構なおじぃちゃんである。


たまにはいたわってあげなければ。


身体強化の魔石の方はどうしよう。


ルークも素材集めについてきてくれたし、ルークにあげようかな。


片耳だけ開けているピアスにでもしてみよう。


大きさ的にもちょうど良さそうだ。


私はようやくお姉様へのお誕生日プレゼントが完成したことを喜んだ。


「お姉様喜んでくれるといいな」


「ローズ様は絶対喜びますよ。それからルーク様も」


マリアが微笑んだ。


読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ