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「魔王様、ただいま帰還しました。」
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あぁ、イムザか。
怪我はないようだし、交渉、話はできたと見えるな。
「無事ぽいっな。イムザ。
で、今回の妙な魔力の正体はわかったのか?」
俺に長年使えてきたこいつが失敗するとは思えないがな。有益な情報は掴んで帰ってきたんだろう。何も掴まず帰ってくるやつでは無い。
「はい、結論から申しますと、
周囲の気に紛れて、木の家に
1人の猫の獣人の少女がおりました。」
少女、1人?木の家?
周囲にカモフラージュした家ということは
バレたくはなかったんだろうな。
あの森には、正式な名前は無いが
冒険者たちや我々は
"迷宮の森"
と呼んでいる。方向感覚が崩れてたり、人間からすると強いと言われる魔獣、モンスターが
いる場所だ。
そこからの景色はとても綺麗でいいが...
「本当に1人でか?」
「はい。蜘蛛と鳥を従えていました。
おそらく、あの森の中でテイムしたかと。
あの種類はあそこにしか住んでいませんし。」
…相当な実力者か。
敵にしたら厄介、味方ならありがたいが、
「イムザ、お前はその少女をどう見た。」
コイツでも敵にみなしたならば即効始末しに行く必要性がある。
「彼女は
"少なくとも、戦力的な意味で人とは関わるつもりは一切ない。私は平和主義で、今のこの生活を乱されたくはない。"
とおっしゃられておりました。何か訳ありな感じでした。後、今の人間界の動きを聞いてきましたので、
人間との関わりがないと見れるかと。
何か大きなきっかけがあれば、こちら側に来てくれるでしょう。
後、美味しいお菓子とお茶をご馳走してくださいました〜。それがとても美味しくて。
また食べたいです。」
コイツ…。まともに調査してきたと思ったら、甘いものでつられてやがる。
…いや、待てよ。
いままでこいつは、人間に変装したりして
色んなものを食べてきたはずだ。
その度に散々感想を聞かされたからな。
でも、ここまで言うものは今までにない、
「魔王様にもってくださいましたよ。ほら。
クッキーだそうです。」
…美味そうだな。
パクッ。
! 今まで食ったことない美味さだ。
こいつから土産で食わされたクッキーよりも断然美味しい。でも、あれも人間達や獣人達が作っていたはずだ。あそこは差別がない帝国だ。
少女の獣人が作れるなら、アイツらも作れるはず、なのに何故初めて食べたものと感じたんだ?
「イムザ…。
このようなものを今まで食べたことは?」
「ありません。美味しいでしょ?
今までのとは美味しさが段違いです。
多分、彼女しか作れないかと。
(あぁ、早く結果を報告しに行くと言う理由で行ってお菓子食べたい。)」
「独自の技術か…
なら、ほかの技術を持っていたとしても不思議では無いな。
敵に回すのは最適ではないな。
分かった。彼女は敵とみなさないとしよう。
このことを幹部に知らせてくれ。」
「承知致しました。」




