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恋愛小説短編集~ハッピーエンドストーリー~  作者: 来留美


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【九十四人目】 女神の彼女はいつまでも女神なんだと気付けたのは彼女のお陰なんだ

 俺は女神を見たことがある。

 それはそれは美しい女神だ。

 その女神は俺に柔らかく微笑んだ。

 だからその女神を見たその日から、俺は女神に夢中だ。


 その女神は俺の友達の姉だった。

 俺は高校生、女神は大学生だ。

 だから女神は俺を弟であるかのように扱う。


 でも女神が、俺に向かって笑いかけてくれるならそれでいい。

 女神が、俺の存在を知ってくれているからそれでいいんだ。


「なあ、今日お前の家に遊びに行ってもいいか?」

「ダメ」


 俺は女神の弟である友達に訊いたら、断られた。


「何でだよ?」

「今日は恋人が俺の家に来るんだよ」

「それなら俺もいいじゃん」

「いいわけないだろう? お前は邪魔なんだよ」

「邪魔でも俺は行くんだよ」

「また姉貴かよ?」

「そうだよ。なにか悪いのかよ?」

「姉貴目当てで俺の邪魔をするのは悪いに決まっているだろう? でも、姉貴の部屋に遊びに行くなら来てもいいけど?」

「えっ、それは、その、むっ、ムリだ」

「お前は、ほんとにチキン野郎だな?」

「うるせぇよ」


 俺は女神を前にすると固まってしまう。

 頭の中がフリーズして何も言えなくなる。

 チキン野郎なのは分かっている。

 それでも女神には会いたいんだ。


 しかし今日は諦めるしかないな。

 会いたかったなぁ。


 美しい黒くてサラサラした長い髪。

 奥二重の大きな目。

 笑うと右にだけエクボができる。

 白い肌にピンクの唇。


 どこからどう見ても女神なんだ。

 そんな女神と一緒に過ごすことになったら、俺の心臓は止まるかもしれない。

 女神が恋人になったら俺は、幸せすぎて死んでしまうかもしれない。






「おいっ、俺の家に来てもいいぞ」


 放課後、俺は女神に会えなくて落ち込みながら教室を出ようとしていたら、友達に言われた。


「何で? 彼女が来るんだろう?」

「あいつはもう、いいんだよ」

「何? ケンカでもした訳?」

「そうだよ。ほらっ、姉貴が待ってるから帰るぞ」

「あっ、うん」


 俺の顔は、嬉しさのあまりニヤけていると思う。

 女神に会えるから。



「ただいま」

「あっ、おかえり」


 友達が玄関へ入ると女神が迎えてくれた。


「あのっ、おっ、お邪魔します」

「ふふっ。また来たの? どうぞごゆっくり」


 女神が微笑んで言ってくれた。

 俺はそれだけで幸せだ。

 俺にとって彼女は女神だから、触れたいなんて思ったりしてはいけない。


 彼女は女神。

 彼女は聖女。

 彼女は穢れを知らない。

 彼女は遠い存在の人。


「俺の姉貴のどこがいいのか分かんねぇ」


 友達の部屋に入り、友達は俺にそう言った。


「どう見ても女神だろう?」

「お前、気持ち悪いんだよ」

「なんとでも言えよ。彼女が女神にしか見えないんだから仕方がないだろう?」

「姉貴のストーカーになったりしないでくれよ?」

「そうならないように気を付けるよ」

「そんなに姉貴が好きなら、姉貴に男ができた時お前はどうなるんだろうな?」

「男?」

「姉貴に最近、彼氏ができたかもしれないんだ」

「彼氏?」

「あれ? そんなに驚かないんだな?」

「いやっ、だって、意味が分からないんだよ」

「はあ? だから姉貴に恋人ができたかもしれないんだよ」

「いやっ、女神にはそんな人はいないんだよ」

「お前、大丈夫か? 現実逃避してるぞ?」


 現実逃避?

 いやっ、これは現実ではないんだ

 俺の女神に男ができたっていうのか?

 そんなはずはない。


「おいっ、お前は今すぐ帰ってくれ」

「はあ?」


 俺が女神のことを考えている間に、友達の彼女から電話があり、今から来るそうだ。

 先にいた俺を追い出すのか?


「姉貴なら隣の部屋にいるからそっちに行けよ」

「むっ、無理だ。おっ、俺には、、、」

「このチキン野郎。早く行けよ」


 友達は俺が話をしているのを遮って言った後、部屋から俺を追い出した。

 追い出されてしまった俺は、閉まったドアの前から動けなくなった。


 女神の部屋に行けだと?

 女神と二人っきりになれだと?

 チキン野郎の俺にできるわけがない。

  

「チキン野郎?」

「えっ」


 俺は後ろから聞こえる声に反応をして、ゆっくりと振り返る。

 その声の相手に俺の頭はフリーズした。

 動きも固まってしまった。


「チキン野郎って何が?」

「…………」

「ねぇ、どうしたの?」


 女神が俺の顔を覗き込む。

 俺はその女神から素早く離れた。

 そんな俺の行動に女神は少し悲しそうな顔をした。


「えっ、そのっ、あのっ」

「どうしてそんなに離れるの?」

「いやっ、そのっ、あのっ」

「ちょっと来て」


 女神は俺の腕を掴んで女神の部屋へ入った。

 女神は俺の腕を掴んだままうつむいている。

 女神が俺に触れている?

 ダメだ、女神に触れてはいけない。


「だっ、だめです」


 俺はそう言って女神の腕を振り払う。

 簡単に女神の手は離れた。

 そして女神は俺を見つめてきた。


「ごめんね。嫌だよね?」


 女神は傷ついたような顔をして俺に言った。

 嫌じゃないんだ。

 ただ、俺に触れたら、女神は穢れる気がしたから振り払っただけだ。


「えっと、その、いやっ」

「君はいつもそんな話し方だよね? そんなに話すのが嫌?」


 嫌じゃない。

 女神と話をしたくて仕方がないのに、言葉が出てこない。

 声さえも出ない俺は彼女を見つめるだけだった。


「話をしたくないのなら首を動かすくらいはできるの?」


 俺は首を大きく縦に振り、うなずいた。

 女神はそれに気付いて微笑んだ。


「君は弟の友達?」


 俺は大きく首を縦に振り、うなずいた。


「君は弟の部屋で遊ぶのが好きなの?」


 俺はまた大きく首を縦に振り、うなずいた。

 女神はどうして、分かりきっていることを俺に訊いてくるんだ?

 俺が首を縦に振る質問しか女神は訊かない。


「君は毎日、この家に遊びに来たいの?」


 俺は一度、女神を見つめて首を縦に振り、うなずいた。

 女神に会いにここへ来たいのだと伝えるように。


「君は私にあい、、、」


 女神が言いかけた所で女神の電話が鳴った。

 女神は電話のディスプレイを見て、少し困った顔をした後、俺にごめんねと言い電話に出た。


 女神は俺の目の前で電話をしている。

 電話から聞こえてくる相手の声で、男の人だと分かる。

 その時、友達が言っていたことを思い出す。


 女神には男がいると。

 女神の恋人なのだろうか。

 少し待っても電話は終わらないようだ。


 俺って邪魔なのかな?

 そう思ったら、女神の部屋にいてはいけないと思えてくる。

 部屋を出よう。


 俺は女神に軽く会釈をして部屋を出て、友達の部屋のドアを開けて、すぐに閉めた。

 友達と彼女がイチャイチャしていたからだ。


 俺はドア越しに帰ると友達に伝えて家へ帰った。

 女神に恋人がいることを知り、俺はしばらくは友達の家へ行くことをやめた。


 俺の女神への愛が、女神の迷惑になってはいけないと思ったからだ。

 女神には俺なんかよりも、女神に相応しい相手がいるのだから。


◇


「なあ、最近お前が遊び来ないから、姉貴が心配してたんだけど、どうしたんだよ?」


 友達が昼休みに弁当を食べながら言ってきた。


「女神は俺の女神じゃなくなったんだよ」

「最初からお前のじゃないだろう?」

「そうだな」

「どうしたんだよ? もっと姉貴の話に食い付けよ」

「女神には恋人がいるようなんだよ」

「そんなの本当にいるか確かめたのか?」

「この前、電話をしていたんだよ。俺が目の前にいるのにさ」

「姉貴って、男がいたんだな。だから最近、服装とか気にしてたんだな」

「オシャレをするなんて、やっぱり恋人がいるんだ。それなら俺は、女神の恋の邪魔をしたくないんだ。だからしばらくは、お前の家には行かないことに決めたよ」

「そっか。今度また姉貴に、お前がなぜ家に来ないのか訊かれたら、恋人との邪魔をしたくないからって伝えてやるよ」

「うん」


 女神の幸せの為なんだ。

 だから会いたくても我慢をするんだ。

 女神が幸せなら俺はそれでいいんだ。

 女神が幸せなら、、、。






「あっ、いた!」

「えっ」


 俺が落ち込みながら学校から家へ帰ろうとして、校門を通り過ぎようとした時、聞き覚えのある声がして声のする方を見た。


「君が来ないから私から来たよ」

「えっ」


 女神がそこにはいた。

 周りの男子がチラチラと女神を見ている。

 美しい女神は目立つようだ。


「また、何も言わないの?」

「あっ、いやっ、その」

「私が来て迷惑だったかしら?」


 女神は悲しそうな顔をして言った。

 俺は迷惑じゃないよと言うように、首を大きく横に振った。


「ここは目立つみたいだから歩こうか?」


 女神はそう言って俺の腕を掴み歩き出す。

 あの日と同じように俺は女神に触れている。

 ダメだと分かっているのに、久し振りに会う女神と一緒にいたくて振り払うことをしないまま歩いた。


「この前はごめんね」


 女神は申し訳なさそうに俺に言うから、俺は首を大きく横に振る。


「彼ったら電話をすると話が長くなるのよ」


 俺は女神の惚気(のろけ)を聞かされるのか?

 そんな話は聞きたくないのに。


「あの日、君にちゃんと伝えたかったの」


 女神はそう言って立ち止まり、俺を見つめた。

 大きな目が俺だけを見ている。


 伝える?

 何を?

 私には恋人がいるから女神なんて呼ばないで、なんて言われるのかな?

 もう、家には来ないでって言われるのかな?


 聞きたくない。

 そう思ったら俺は大きく首を横に振っていた。

 まるでわがままを言う子供のようだ。


「えっ、聞きたくないの?」


 女神は悲しそうな顔をして言った。

 どうしてそんな顔をするんだよ?

 女神は困った顔をするんじゃないのか?

 わがままを言われて困るんじゃないのか?


「そうなんだね。君は本当に私が嫌いなのね」


 嫌い?

 俺が女神を嫌い?

 それは違う。

 俺は大好きだ。

 女神が大好きだ。


 俺は首を大きく横に振って違うんだと伝える。

 俺は女神が大好きなんだ。

 どうして伝えたいのに声が出ないんだよ?

 どうしてここまで緊張するんだよ?

 どれだけチキン野郎なんだよ?


「どうしてそんなに首を横に振るの? 何が言いたいの?」


「おっ、俺は、俺は、、、」

「あっ、あれ? 何で高校生といるんだよ?」


 俺が女神に伝えようとした時、前の方から男の人が駆け寄ってきて女神に言った。


「なっ何でいるの? 今日は用事があるからって言ったでしょう?」

「ちょっと君のことが心配になってね。君の家に行こうかなって思っていたところなんだ」

「心配なんてしなくても私は大丈夫よ」

「そうだね。高校生の弟くんがいれば大丈夫だね」


 男の人は俺が弟じゃないことを知っているようだ。

 だってニヤリと笑って俺を見下しているからだ。

 ムカつく男だ。

 どうしてこんな男が女神の恋人なんだろう?


「彼は弟じゃないわよ?」

「えっ、でも弟みたいな存在だろう? 高校生なんだし」


 男の人は、年下はみんな弟扱いにするのが当たり前だというように言っている。


「高校生だから何? 関係ないわよ」


 女神がムッとした顔で言った。


「それなら君はこの高校生を選ぶのか?」


「そうよ」

「えっ」


 女神は考えることもなく当たり前のように、そうだと言ったから俺は驚いて声が出てしまった。


「君はこの高校生を好きだと言うのか?」

「それをどうしてあなたに言わなきゃいけないの? 言うならちゃんと本人に伝えるわよ」

「きっ、君は俺のことが好きじゃないのかよ?」

「それはあなたの勘違いよ。あなたは格好いいけれど中身が格好よくないもの」

「中身?」

「そうよ。あなたは自分のことばかりで私に優しくないじゃない?」

「俺達って付き合っているんだろう?」

「何を言ってるの? そんなこと一回も言ったこともないし、言われてもないわよ? それに好きとも言われていないわ」


 女神は驚きながら言っている。


「言わなくてもそうだと思っていたよ」

「付き合っていると思っていたから、あなたは私のことを心配していたのね?」

「そうだよ。それならちゃんと言うよ」

「いいえ、言わなくていいわ。だって私には、好きな人がいるもの」


 女神はそう言って俺を見つめた。

 それに気付いた男の人は、時間の無駄をしたと言って帰っていった。


 俺と女神は、男の人がいなくなっても見つめ合っていたが少しして、恥ずかしくなって俺はうつむいてしまった。


「君って可愛いわよね?」


 俺はうつむいたまま首を大きく横に振る。


「ふふ。チキン野郎なんでしょう?」


 俺はうつむいていた顔を上げ女神を見る。

 女神は初めて会ったあの日のように、柔らかく微笑んでいた。

 そんな女神を見て俺は大きく首を横に振った。


「違うの? 私の弟に言われていたでしょう?」

「おっ、俺は、その、もう」


 やっぱり緊張して話せない。

 ちゃんと伝えたいのに。


「ふふ。いいよ、言えないならね。君がチキン野郎じゃなくなったら私も伝えるから。それまでは前のように家に遊びに来てよ」


 女神はそう言って歩き出す。

 家へ帰るようだ。

 俺の前を背を向けて歩く。

 少しずつ離れていく女神。

 離れたくない。


「女神!」


 俺は叫んでいた。

 女神は振り向いて驚いた顔をしている。


「女神って私のことなの?」

「えっ、そうだけど知らなかったんですね?」

「うん」

「てっきり、弟から聞いているのかと思っていましたよ」

「ふふ」

「何で笑うんですか?」

「それは、君の声を聞けたからよ」

「あっ」

「もう、チキン野郎じゃないの?」

「あっ、その、いやっ」

「まだ、みたいね」


 そして女神はまた歩き出す。

 また離れていく。

 どうすれば、女神が離れていかないようにできるんだ?

 そうだ。


 俺は離れていく女神を追いかけて、後ろから抱き締めた。

 これなら離れていかない。

 捕まえておけばいいんだ。


「えっ、どうしたの?」

「こうすれば、女神は離れていかないからです」

「ふふ。私は離れないよ」


 女神はそう言って俺の腕に手を添えた。


「女神の顔を見なければ緊張はしないみたいなんです。だから今、伝えてもいいですか?」

「うん」

「俺は女神を初めて見た時から好きなんです。好きすぎて緊張して話せなくなるくらいに。でもそれじゃダメなんだって分かっているから、これからはちゃんと伝えたいんです。好きだって」

「うん、私も君を初めて見た時から好きなのよ? いつも、怯える子犬のように小さく震えている君を見て、可愛いなぁ守ってあげたいなぁって、いつも思っていたのよ?」


 女神の顔は見えないけれど、微笑んでいるんだと思う。


「俺って男というよりも、弟として見られていますよね?」

「そんなことはないわ。だって、君の身長は大きくて君の腕の中に私はちゃんとおさまるし、声は低くて、私を優しく包んでくれているもの」

「それなら良かったです」

「だから、チキン野郎を卒業してほしいのよ」


 女神はそう言うと、クルリと俺の腕の中で向きを変えて、俺の方を向いた。

 可愛い女神が目の前にいる。

 心臓がバクバクしている。


「心臓の音がすごく速いよ?」


 女神は俺の胸に耳を当てて聞いている。

 そんな女神が可愛くて、ギュッと抱き締めた。


「ふふ。ちゃんと私の顔を見てくれなきゃ、チキン野郎は卒業できないわよ?」

「でも、女神を見てしまったら、緊張をしてしまうので、、、」


 女神は俺の胸に耳を当てていたのに、いきなり顔を上げ俺を見上げた。

 自然な上目遣いに俺の心臓がまた速くなった。


「ふふ。また速くなったよ?」


 女神はクスクスと笑っている。

 俺をからかっているようだ。

 なんだか、悔しい。

 でも、チキン野郎を卒業なんて無理だと思う。


「俺はチキン野郎でいいんです」

「でも私は、チキン野郎を卒業して、私の目を見て言ってほしいわ」


「俺は、女神が大好きです」

「もう! だから違うの」


 俺は、女神から目を逸らして言った。

 目を見るなんて無理だ。


 すると女神は、俺の腕から抜け出し逃げるように前を歩く。

 女神に嫌われてしまったのかもしれない。


「ねぇ」


 女神がいきなり振り向き俺を呼んだ。


「今日は弟の部屋じゃなくて、私の部屋に来るでしょう?」


 俺は、女神に嫌われていると思っていたから、その言葉が嬉しかった。


「行ってもいいですか?」

「いいから言っているのよ?」

「はい、そうですね」

「さっきから、チキン野郎じゃないのね?」

「それは、女神と距離があるので」

「それなら、言えるわよね?」


 女神は俺を試しているようだ。

 少しずつ近付いてくる。

 

「私は君が大好きよ」

「えっ、あっ、はい」

「もう、チキン野郎の君に戻ったの?」

「いいえ、嘘ですよ」

「騙したの?」

「いいえ、チキン野郎になってしまっては、あなたに言えませんから」

「えっ」

「俺もあなたが大好きです」

「うん」


 女神は嬉しそうに微笑んでうなずいてくれた。

 女神の家に着き、女神は先に女神の部屋へ入り、俺も入ろうとしたら、隣の部屋から友達が出てきた。


「えっ、姉貴の部屋に入るのか?」

「そうなんだ」

「女神には緊張しないのかよ?」

「うん、もう女神じゃないからね」

「女神じゃないって、もう好きじゃなくなったのか?」

「違うよ。女神という呼び方じゃなくて恋人になったんだよ」


 俺は驚いている友達を置いて彼女の部屋へ入った。


「どうしたの?」

「ん? あなたの弟に、もう女神と呼ばないって言ってきました」

「私は女神じゃないの?」

「はい。あなたは俺の恋人です」

「恋人は女神じゃなくなるの?」

「女神はそのままですが、言う必要はないんですよ。だって、好きな女の子を、女神と思わない男はいないですよね?」

「君って、チキン野郎じゃなかったら、私を照れさせる天才ね?」


 彼女はそう言って顔を真っ赤にしていた。

 照れている彼女も可愛い。


 彼女は言葉だけではなく、表情や態度でも気持ちを伝えてくれるから、チキン野郎の俺だけど言葉で伝えたい。


「俺もあなたが大好きです」


 俺がそう言うと彼女は嬉しそうに笑い、俺の胸に顔を埋めた。

 俺はそんな彼女の頭を優しく撫でた。

読んでいただき、誠にありがとうございます。

楽しく読んでいただければ幸いです。


次のお話は、婚約者に浮気をされ婚約破棄を覚悟する主人公の物語。

主人公は婚約者の彼女が知らない男と一緒にいるところ見てしまう。

婚約者に誰といたのか訊くと、女性の友達と一緒にいたと嘘をついた。

しかし、その浮気現場には視覚のトリックがあった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 年下の男の子は、かわいいです。 キュンとしてしまいます。 その年下の男の子が、ちょっと男らしい事を言って、顔を赤らめてしまう女神さまが、かわいいです。 素敵な作品をありがとうございました…
[一言] もし私が「女神」と呼ばれたらどんな気持ちになるんだろう……と考えたけど全く想像できませんでした。でもなんとなく顔真っ赤にして照れる気がします(笑) 甘いですね、お姉さまが素敵でした。 でも…
[良い点] 甘い…激甘ですね… これぞくるみんワールドです 前から気になっているのですが、やたら歳の差カップルが多いですよね? このストーリー集のコンセプトなのでしょうか? 単に来留美さんのお好みの…
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