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義妹が人気配信者であることを、俺だけが知っている。

作者: あざね

気晴らしに書き殴りました。

続き欲しい人いたら、感想でも投げてください(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾









 俺――斎藤実には、生意気な義妹がいる。

 継母の連れ子で凪というのだが、これが本当に言うことを聞かない暴君のような子なのだ。見てくれはかなり良いので、黙っていれば良いものの。

 口を開けば二言目には「ウザい」だの「死ね」だの。

 とにもかくにも、犬猿の仲、という表現がピッタリだった。


 そのはずなのに――。



「そんな義妹がどうして――」

「………………すぅ」



 ――俺のベッドで、一緒に寝ているのか。



 冷静になろう。

 まずは練る前に何があったのか、それを思い出すんだ。



「えっと、たしかアレは夜中のことだったはず……」









「ふぅ、今日はそろそろ寝るかな」



 課題を終えてからのゲーム。

 それが日課になっている俺は、時刻を確認してそう言った。

 電源をオフにして、大きく伸びをする。そして、おもむろに立ち上がってトイレへと向かった。部屋を出ると一本の廊下があって、その先に目的地がある。


 その途中には義妹の部屋があった。

 静まり返っている様子からして、もう寝ているのだろうか。



「まぁ、もう二時だからな。俺もさっさと寝よう」



 そう独り言を口にして、トイレを済ませた。

 そして部屋へと戻ろうとした時だ。



「ん……? なんか、微かに声が聞こえる?」



 義妹の部屋から、囁くような声が聞こえたのは。

 耳を澄ませてみると、やはりそれは凪の声に違いなかった。いったい、こんな夜中になにをしているのだろうか。

 俺はちょっとした好奇心から、耳をドアに押し当てた。

 すると――。



「やばい、殺される――ひっ……――だれか、助けて……!」

「えっ……!?」



 聞こえてきたのは、必死に懇願するような義妹の声。

 殺される、とはどういうことか。それは分からないがあまりに真剣な声に、俺は驚き勢いのままドアを思い切り開いていた。

 鍵はかかっていなかったらしい。

 中に入ると、真っ暗な部屋の中で画面に向かう凪の姿があった。




 茶色に染めた髪は肩ほどで切り揃えてある。

 小柄で細身な身体は、実に女の子らしいというところだ。

 そして横顔でもハッキリと分かる、整った目鼻顔立ち。そこまで首を突っ込んでないから分からないけど、読者モデルも経験しているとか……。




「おい、大丈夫か!? 凪!?」

「ふぇっ!? 兄貴!?」

「……って、アレ?」




 そんなことよりも、俺が気になったのは――。




「なにやってんの、お前……?」

「…………」




 義妹が豪華なパソコンや周辺機器で、ゲームをしていること。

 そして、これは――配信?



「えっと、なになに……【ナギたんのFPSちゃんねる】?」

「………………」



 硬直する凪を横目に、パソコンに表示された名前を口にする。

 すると俺の声も拾っているらしい「え、お兄さん?」、「兄フラ?」といったコメントが表示されていた。


 え、っと……?


 これは、どういうことだ。

 俺が困惑していると、凪がこう叫ぶのだった。




「お、お願いだから出てってぇぇぇぇぇぇ!?」









 そうして、部屋に戻って寝たのだ。



「いやいや、どうしてこうなってるんだ。重要な部分が抜け落ちているじゃないか。考えろ、考えるんだ俺……!」



 しかし、そこから先は思い当たらない。

 驚きはしたものの、普通に寝て起きたらこんなことになっていた。



「とりあえず、凪……起きてくれ」

「う、うぅん……?」



 もう、ここまできたら事の次第を訊くしかない。

 そう思って俺は、義妹の肩を揺すった。すると彼女は吐息を漏らしつつ、目を覚ます。そしてボンヤリとこっちを見てからこう言った。



「義妹に手を出したね、兄貴?」――と。



 ……はい?

 こいつ今、なんて言った?



「凪、なにをふざけて――」

「あー! 白を切るんだ! アタシを傷物にしておいて!」

「はぁ!?」



 朝から何を言いやがる!?

 俺は思わず飛び起きて、義妹から距離を取った。

 そうすると彼女は、ニヤリと笑って言う。



「いま、アタシがお母さんを呼んだらどうなるかな? こっちの言うことを信じると思うよ? ――ね、兄貴?」

「お前、いったい――」



 なんのつもりだ、と。

 俺がそう口にするよりも先に、凪はこう口にするのだった。



「分かったら、交換条件よ!」



 ビシッと、こちらを指さして。




「このことをバラされたくなかったら昨夜、アタシがゲーム配信をしていたこと、秘密にしなさい!!」――と。




 こうして、俺と義妹の秘密の共有は始まったのだった。



 


面白かった

続きが気になる



もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより★★★★★評価など。

創作の励みとなります。


短編ですが、よろしくお願いいたします。

<(_ _)>

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 考え無しに行動に移したのか、 考えた上でこの行動をしたのか。 [一言] レンサイバンオネガイシマス。 (モウスコシホカニヤリヨウハナカッタノカ、コノギマイサンハ) この義妹さんのこの…
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