SUBARU
ゴロゴロ…
アスファルトの地面を転がる音。
珍しい、藍色の短髪、細身で、10歳前後の、白いレインコートを着たスバルが歩いている。
決して早くはない。ここまで20キロメートル歩いて来たという様相だ。
スバルは両手に白のキャリーバッグを抱えて歩いていた。
タイヤが付いているのにそうして歩いている辺り、きっとこのスバルには重いのだろう。
車道は2車線で、ずうっと続いているようだ。
歩道は両脇にあるが、歩行者はスバルだけで、人の気配を感じない。
スバルは歩く。
スバルの歩くペースは変わらない。
ずっと同じ。遅くなる事も、早くなることもなかった。