ゲノムの聖痕[ゼロ]- 第0話 アクティベーション -
黄色の大地が広がっていた。
いや――正確に言うと、それはところどころ赤茶けた色が混じり合い、斑模様になって延々と地平線の先に繋がっている。
だからと言ってそこは見渡す限りの平原というわけでもない。地面はむしろ不器用にでこぼこしていて、小高い丘のような突起物が唐突に横たわっていたりする。
目を凝らすと、それは意外にあちこちにあって、この場所の地形を少しだけ複雑にしていた。
緑はない。かつて何らかの植物が群生していたことを物語る、薄汚れた枯灌木の残骸があちこちにへばりついているだけだ。
当然、川に相当するようなものも見当たらない。いや――もしかしたらかつては控えめな流水があったのかもしれない。大地にはところどころ竜のようなうねりが痕跡を残している。だがその爪痕の底は、今やひび割れてめくれあがっていた。
どこまでも、乾いた大地――
その大地を見回すのに目を凝らさなければならなかったのには、理由がある。
大気が霞んでいるのだ。
斑模様の大地を覆うのは、少し黄色が混じった白っぽい砂埃だ。
それは遠くに行けば行くほど濃くなっていて、実のところ空と地平線の境目はそのせいでぼんやりと曖昧だった。視程はせいぜい2キロほどだろうか。
太陽すら、薄い雲に遮られてぼんやりと空の一角を照らし出しているに過ぎない。
この大陸は、いつだってこんな感じだ。取り立てて砂嵐が発生していなくても、いつも細かい粉塵が舞っていて、黄色の砂が息苦しく大地を覆っている。
戦術航空士席に座る新見千栞は、とっくに肉眼での監視を諦めていた。
現在地――北緯45°45′56″/東経124°54′52″――
大慶南方およそ115キロ、哈爾浜西方およそ145キロ地点付近だ。中国人たちは昔からこの地域を「トンペイ平原」と呼んでいるらしい。
座席前面に垂直に据え付けられた戦術操作卓モニターには、先ほどから広域警戒のために付近に展開している複数の無人偵察機からの映像が、順繰りに切れ目なく映し出されている。
いっぽうその隣のもうひとつのモニターには、自らが座乗する電磁推進機――兵士たちの間では『飛竜』という愛称で親しまれている垂直離着陸強襲降下艇21型――の機首下レドームに据え付けられている極超高精細監視カメラのライブ映像が映し出されていた。
二つのモニターはそれぞれ別角度で周辺一帯を監視している。
UAV映像は自らの機体の直下を、そして『飛竜』映像は自機の進行方向前方に向けて俯角60度くらいの斜角映像を、それぞれ送ってくる。
前者は飛竜より高高度を飛行しているので、真下しか撮影していない割に比較的広い範囲で地上の様子を死角なく映し出していた。一方後者――つまり新見の乗機からの映像は、どちらかというと横方向の撮影角度を少しでも広く確保するよう、パノラマモードで周辺を監視している。
つまり、今新見たちのチームは、必死であるものを捜索していたのだ。
だが今のところ、光学系以外の赤外線熱源感知センサーにすら、ピクリとも反応がない。目標どころか、この大地には生物ひとつ存在していないのではないか!?
やっぱり見つからないじゃない――
新見は心の中で溜息を吐く。
『――前哨基地から戦術指揮官。状況知らせ――』
ヘッドセットからコールが入る。新見のチームが所属する部隊司令部からの呼びかけだ。
「――C2よりコマンドポスト……目標探知できず。繰り返す――目標探知できず」
新見は努めて冷静に応答した。
『了解――あと120秒で索敵を中止せよ。長時間行動は本隊の秘匿性を損なう恐れがある』
「命令受領、120秒後に索敵中止――」
その時だった。
新見の視界の片隅――『飛竜』のパノラマ映像の右端に、何かが写る。白煙のような……
爆発――!?
慌てて手元のジョイスティックをクイクイと軽く操作し、機首レドームに据え付けられた16Kカメラのレンズを右舷側に回転させる。
そこには確かに、爆発と思われる濃密な粉塵が広がっていた。周囲の薄い砂埃とは、明らかに異なる様相だ。
「――C2より各員。方位〇―三―八に爆発と思われる噴煙を確認。至急確認されたし」
『了解――』
新見が間髪入れず指示を出すと、元気のよい返事が複数戻ってきた。
とても可愛らしい――若い女性の声だ。
直上からの映像を捉え続けるUAVの映像が、地上を疾走する何かを捉える。新見からの指示を受け、俄かに針路を〇―三―八に向けた、チームのメンバーたちだった。
それは恐らく、時速100キロ近いスピードだ。でこぼこした大地を、まるでミズスマシが水面を滑るような滑らかさで疾走していく。その後方には、ラリーカーのように凄まじい砂埃が湧きたっていた。
「――C2よりCP、目標発見の可能性あり。ただいまより確認に向かう」
返事が返ってくるのに、少しだけ間があった。
『……CP了解――本当にいたのか!?』
それは、信じられないというニュアンスの声色だった。新見はゴクリと唾を呑み込み、大きく息を吸ってから冷静に返事をする。
「確定ではありませんが――」
『――イモータルよりC2、目標発見! 繰り返す――目標発見! やっぱりいたでしょっ!?』
突如割り込んできた音声が、リアルタイムで現場の状況を伝えていた。
続けて別の音声が上にかぶさってくる。
『こちらクロノス――目標付近で複数のホイップアンテナを確認。破壊してよいか!?』
ホイップアンテナ――!?
ということは、電磁防壁でこちらの索敵レーダーをジャミングしていたというのか!? 道理で発見できないわけだ。
「了解――破壊を許可する」
その直後、パノラマ映像の中心から、新たな爆発噴煙が立て続けに立ち昇った。クロノスがアンテナを爆破したのだ。すると、目の前の戦術操作卓にいきなりどこかの部隊の生命監視盤がリンクする。電波妨害が止んだのだ。
「――こ……これは……!?」
間違いない――
それは友軍部隊だった。先ほどからイモータルが必死で救援に向かうことを主張し、最終的には新見の制止を振り切って『飛竜』を飛び降りてしまった、その元凶――
こんなところに友軍部隊が本当にいたなんて――
先ほどCPからこの辺り一帯を管轄とする第1軍の師団司令部に確認した時は「当該地域に該当部隊の展開は承知していない」という返事だったのに――
なんていい加減なんだ!? 司令部にとっては、辺境のパトロール小隊の安否など、取るに足らないとでもいうのか。あるいは、ただ単にジャミングによって敵味方識別信号が途絶えていたからか――
いずれにせよ、この小隊が追い詰められているのは間違いなさそうだった。
先ほどホイップアンテナを破壊した直後から、この小隊が既に発していたと思われる緊急事態信号を受信している。
つい先ほどリンクしたばかりのこの小隊のバイタルモニターも、もともと30名いたはずの彼らが、今や半数が戦闘中死亡で、さらに数人が戦闘中行方不明であることを示していた。
残りの十数名も、大半が『最優先治療』もしくは『待機的治療』の“要救護者” 。
要するに、現時点で残存する兵士の大半も、いまや傷だらけということだ。『健在』表示は今のところ数名だけ。一個小隊は30名編制だ。
ほとんど壊滅じゃないか――!? まさに絶体絶命だ。
新見は慌てて地形図を画面にレイヤーすると、『飛竜』の目標進路をモニター上でなぞる。すると数秒後、操縦席の戦術モニターをパイロットが確認したのだろう。新見がなぞった進路通りに『飛竜』が大きくバンクして、軌道を変更し始めた。
それと同時に、またしても無線が入る。
『こちらイモータル……オメガチームはこれより全員で突入を開始します。一五五七――接敵』
「一五五七、エンゲージ――了解」
***
そこは、黄土色の大地に貼り付くように造られた、小さな苔のような集落だった。
一見するとただの農村で、恐らく住民が住んでいるであろう粗末で古ぼけた土壁の平屋家屋と、家畜が飼育されていると思われるトタン屋根の半屋外厩舎、そして、住宅よりは少しだけ大きめに造られた薄汚れた倉庫だけが建っている。まさに、朽ち果てる寸前の集落だ。
だが、今やその廃墟のような集落からは、夥しい銃砲声と心臓を握り潰しそうな爆発音が断続的に聞こえていた。時折それに混じる小さなか細い音は、人間の悲鳴だろうか。
待ってて……今すぐ助けるから――
イモータルと呼ばれたその少女は、ようやく追いついた仲間たちをぐるりと見回した。
自分を含めて全部で6人。みな同じような出で立ちをしている。
身体にピッタリと貼り付くような、漆黒のスーツ。目を引くのは、その上に皆が纏っている、まるで中世ヨーロッパの鎧のような装甲だ。
胸から両肩にかけては、まるで剣闘士が纏うようないかついアーマー。
そして、腰回りは剣道の「たれ」のように両腰と下腹部前面を薄い湾曲した装甲板が覆う。
四肢はいずれも肘から先と膝から先を、籠手、脛当てのように装甲が守っていた。
腹部や二の腕、太腿など鎧が当てられていない部分から覗く身体のラインが、この戦士たちがみな女性であることを示していた。
「――ねぇ……問題は、敵だけじゃなく友軍兵士まで見境なくいっちゃうかもしれないところなわけで……」
少女のひとりが皆に話しかける。まるで砂糖菓子のような、甘ったるくて可愛らしい声だ。
「確かにそうだ。助けてやりたいのはやまやまだが……こないだみたいなことになっては本末転倒だぞ!?」
別の少女が同調する。6人の中では一番背が高く、凛とした声がどこか厳しさを湛えている。
「私はどちらでも構わないのです」「私は……それでも何とかしてあげたいかも……」
小柄な二人が相次いで口を開く。この期に及んで――という空気を、イモータルがじわりと周囲に滲ませ始めた。
「なら私ひとりで――」
「いえ! ここまで来たんだから、みんなで行きませんか? そうだ――鉄帽を脱いだらどうでしょうか……どうもこれを被っていると、戦闘に没入してどんどんテンションが上がっちゃいそう……」
ひときわスタイルのいい少女が、少しだけ緊迫する空気をなんとか和らげようと割り込んできた。優等生的な口調で、明らかに委員長キャラだ。
「――そうか、確かにそれはいい案かもしれんな。もしひとりでも様子がおかしくなったら、周りの冷静な奴が制すればいいのだからな」
長身の少女があっさりと手のひらを返す。甘声の少女は、ひょいと肩をすくめた。別にイモータルと喧嘩したいわけじゃない、という意思表示だ。
すると集落の方から、一際大きな爆発音が轟き渡った。
「――決まりですね! じゃあ早速突入準備を! もう一刻の猶予もなさそうです」
妥協案を呈示した委員長少女が、さっそく自分の鉄帽を脱ぐ。他の少女たちも、次々に鉄帽を脱ぎ始めた。
イモータルも、ホッとした様子で自分の鉄帽に手を掛ける。
中から現れたのは――
胸元辺りまでの長さの、さらさらの銀髪。
細面で白磁のような肌を持つ、恐ろしく顔立ちの整った――美しい少女だった。
彼女だけではない。他の5人も、およそ戦場には似つかわしくない容貌だった。脱いだ鉄帽は首の後ろにヒンジで装甲と繋がっていて、そのまま背中側にパカンとひっくり返したままにする。
「でもね――」
イモータルが、鉄帽のせいでクシュっとなった美しい銀髪を手でほぐしながら口を開く。
「――今回は、たぶん大丈夫だと思う。そんな気がする」
その顔はあくまで無表情だが、それでもその目はなぜだか自信に満ちていた。
「――じゃあ今回のリーダーは決まりだな」
長身の少女がニッと笑った。前髪をぱっつんに切り揃え、艶やかな黒髪が腰までなびく。切れ長の瞳が、涼やかにイモータルを見つめていた。
他の少女たちも、それぞれにこくりと頷く。
「……分かりました……では皆さん、お願いします!」
「「「「「了解――!!」」」」」
その時、再び集落から激しい戦闘音が聞こえてきた。
今度は何か、獣の唸り声のようなものまで聞こえてくる。さらにそこに重なる怒号、悲鳴――
追い詰められた兵士たちの慟哭が、切り裂かれるようなノイズとなって彼女たちに伝わった。
それを聞いた途端――
少女たちに変化が起こる。
その瞳が、深いターコイズブルーと白色が混じりあったような、青白光の光芒を放ち始めた――
全身が総毛立つ。
『こちらイモータル……オメガチームはこれより全員で突入を開始します。一五五七――接敵』
イモータルは一方的に無線連絡を行うと、ダンッ――とその場から跳躍した。
次々とそれに続く少女たち。
6人は、信じられない高さまで一気に飛び上がると、そのまま集落に突っ込んでいった。
***
前哨基地――
中国大陸東北部某所。黒竜江省の省都・哈爾浜の西方約200キロ付近。
辺りにはほとんど人が住んでおらず、目立った都市もない。ただの荒涼とした大地だ。数十キロの間隔を空けて、ところどころに寂れた集落が点在しているが、人目を憚りながら秘匿実験を行うにはむしろ好都合なロケーションだ。
そのCPの中央部、厳重に秘匿された半地下の作戦指揮所に陣取っていたのは、第一種軍装に身を固めた女性将校だった。
四ノ宮東子。
階級は中佐。恐らく士官学校の同期の中では一番の出世頭。その風貌は誰もが振り返る美貌の持ち主だが、鋭い眼光に射すくめられた途端、大抵の男はすごすごと退散する。勇猛果敢で知られる国防軍の中で、女性の彼女がこの若さで中佐を張っているのには、それだけの理由があった。
薄暗い指揮所の中で、数々のコンソールがボゥッと輝いている。
電測員のひとりがきびきびと報告した。
「部隊長――オメガチーム、接敵しました」
「うむ――」
すぐに次の報告が別のオペレーターから入る。
「部隊長――戦術指揮官より入電。目標の取り扱いについて!」
「C2は何と言っている?」
「はッ――もし生存していたら、我が隊で保護すべきとの意見具申」
「なにっ!? 生存の可能性があるのか!?」
「は……はいっ! オメガは今のところ、敵勢力の排除のみ行っていると……」
「オメガの状態はっ!?」
「はッ――いつも通り……アグレッサーモードです」
どういうことだ――!?
連中がその状態で、あの小隊が生き残れると……!?
四ノ宮は、リンクされたバイタルモニターの映像をあらためて注視する。
大陸派遣軍である第1軍第111連隊に所属する、軽装機動歩兵小隊。師団司令部はさっき「当該地域に該当する部隊なし」などと抜かしていたが、恐らくこの一帯を巡回していたパトロール小隊だろう。
小隊長は……石動士郎……?
つい最近任官したばかりの、ド新人少尉じゃないか!?
どうせ巡回ルートを変更する旨、司令部に報告し忘れたのだろう。なぜなら、私たちの部隊が展開するこの地域には、参謀本部から入域禁止の通達が全軍に出ていたはずだからだ。秘匿部隊である我々が、むやみに他の部隊に目撃されるわけにはいかないのだ。
それにしても――
と四ノ宮は思う。運の悪いことだ。どんな事情があるのかは知らんが、通常のパトロールルートを外れた挙句、現地の恐らく民兵組織に不意に襲撃されたのであろう。
それは薬物製造拠点か、あるいは武器貯蔵施設だったか――
いずれにしてもビンゴだったわけだ。
おまけに立入制限地域だったから近くに友軍はいない。
もちろん一番近くにいる我々は同じ日本陸軍で、彼らの友軍なわけだが、うちの場合は少し事情が複雑なのだ。
今はただ、オメガたちが彼らを無事に生きたまま連れ帰ることを祈るしかない。
あるいはいっそのこと――
オメガの秘密を守るために、彼らには名誉の戦死を遂げてもらった方がいいのだろうか!?
まんじりともせずに考え込んでいると、不意に電測員から報告が入った。
「C2より入電――オメガは無事、目標を保護! 繰り返します、オメガは無事、目標を保護!」
その瞬間、指揮所の中に大きなどよめきが起こった。そんなことは初めてだったからだ。
「――そうか……では以降の手続きはC2の判断で構わん」
「了解しました、伝達します」
四ノ宮は、動揺を隠すのに必死だった。
いったい何が起こっている――!?
石動士郎とは……何者だ――
オメガたちは、いったいどうしたというのだ……
四ノ宮は、はたと気が付いて、師団司令部へ繋がるホットラインのコールボタンをタップした。
「――あぁ、師団長殿。こちらオメガ実験小隊、四ノ宮中佐です。……えぇ……えぇ……そうです、石動小隊はうちで預かります……はい、いえいえ……お気になさらず……では――」
***
男は、あまりにも悲惨な光景に思わず息を呑んだ。
滅多に感情を表に出さないのは、自分でもどうしようもない。そうやって、今まで生きてきたからだ。
だが、今目の前に広がる情景は、セメントのように固まったそんな男の感情さえ揺り動かさずにはいられない。
それはまさに、地獄のような光景だった。
兵士たちはもとより、あの怪物どもまでズタズタに引き裂かれている。こんなことは、あり得ないはずだ。普通の人間なら到底太刀打ちできないこの頑強な生き物が、これほどまでにやられるとは……
もしかしたら、日本軍は自律型戦闘ドロイドを繰り出してきたのか――
いや、それならばもっとこれらの遺骸は綺麗なはずだ。目の前に広がるのは、まるで地獄の番人が怒りに任せて罪人を切り裂いたかのような、徹底的な破壊痕だ。
ただちに軍団長に報告しなければ――
この戦場に、何かが起き始めようとしている……
男は黙って立ち上がると、くるりと踵を返して荒野に消えていった。
***
人間にはおよそ37兆個の細胞があり、その形質はすべて遺伝子によって保たれている。ところが分子生物学の世界では、それらDNAのうち、実に97パーセントが実際には何の役にも立たない〈ジャンクDNA〉である――と看做されていることを知っているだろうか。
この物語は、破滅に向かって突き進む人類文明のなかで生まれた、人外の異能を持つDNA変異体である少女たちが、その存在理由と人間の再生を賭けて戦いに身を投じていく姿を描くものだ。
青白く光る眼を持ち〈オメガ〉と呼ばれた少女たちは、なぜ殺戮を繰り返すのか。彼女たちの異能の正体とは何か。歴史上、何度も人類が絶滅の危機に陥ったことを科学的に証明するDNAの痕跡〈ボトルネック〉とは……?
物語は、新任の陸軍少尉・石動士郎率いる小隊が、大陸での作戦中に壊滅の危機に陥るところから始まる。その窮地を、圧倒的な力で救った〈オメガ〉と呼ばれる異能の少女たち。
個性あふれる彼女たちと一緒に戦うこととなった士郎だが、やがて「不死」の異能を持つ神代未来という名の銀髪の少女が、幼い頃の士郎とかつて出逢っていたという事実が判明する。
時間を超えて互いに惹かれ合った二人の関係は、やがて〈オメガ〉と〈ジャンクDNA〉の秘密に迫る鍵となっていく。
人間の遺伝子情報〈ヒトゲノム〉に隠された「種の保存」システムの驚くべき真実を、やがてあなたは知ることとなる――。
今からほんの70年ほど先の近未来。物語の舞台は、客観的な国際情勢シミュレーションと未来科学に基づいた、緻密でリアルな世界。放射能汚染が深刻化する戦乱の東アジア。そこで繰り広げられる絶望の戦いの果てにあるものとは……!?
西暦2089年4月21日。
その日、歴史が動き出した――
★続きはぜひ本編でご覧ください★
「ゲノムの聖痕[完全版]」(ミッドナイトノベルズ)
https://novel18.syosetu.com/n7114fx/
※完全版は刺激的な描写が多数含まれておりますのでR18カテゴリーとなっています。