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動き出す者たち  三人目

 ―――― 三人目 ――――



 その場所はビルに囲まれ、近いはずの都庁の大きなビルすら見えなかった。

 所狭(ところせま)しと、ビルが立ち並ぶ駅前から少し離れた、新宿御苑の近くの交差点。

 新宿区内藤町。

 真夜中でも車の流れが止まることの無い、通行量の多い大通りを眺めながめているのは、二人の異様な人物。

 一人は、若い白人の男性。

 身長が高く、短く切りそろえた金髪に、整った顔立ちで、ブランド物の大き目なサングラスをかけている。

 体格は細身の割には筋肉がつき、スリムなジーンズとスニーカーで足元を固めていた。

 近くのガードパイプに凭れかける姿は、余分な力は抜かれており、独特な雰囲気があるにも関わらず、誰もが目線を合わせようとはせず、彼の前を足早に通り過ぎていく。

 理由は、こんな寒さなのにもかかわらず、上半身が素っ裸だからである。

 彼は、三人目(・・・)

 若いながらに、天才っと称される魔法使い、レナード・ヴィレット。

 そして、その横にいる人物。

 粗末な着物に、戦時中の様な八端(はったん)織のドテラを羽織り、ボロ着で作ったような防災頭巾を頭からかぶっている、低学年の少女。

 防災頭巾が影になって、顔が見えにくいが、()っぺたには無数のニキビの様な吹き出物が出来ていて、それがとても(みにく)くみえた。

 少女が(ほほ)()こうと指を近付けると、男は面倒くさそうに声を上げる。

「Warum berühren Sie es nicht zu sehr? (それって、あんまり搔かない方が良いんじゃねーの?)」

 その言葉で少女は手を下ろす。

 男は待ちくたびれた様に、大きな欠伸(あくび)をしてから、再びその少女に話しかけた。

「Wen werden Wohl sie kommen? Wenn es Shinoda ist, habe ich nicht viel Wissen über Magie. Ich glaube, ich bin ein Neunwort. In diesem Fall ist es schwach in der Person, die es zerstört.(所でよ、誰が来るっと思う? 篠田じゃ魔法に対しての知識も薄いし、俺はナインワードと思うけど、あの壊滅師とか言う奴だったら拍子抜けだな)」

 その問いかけにも、少女は何も答えない。しかし、男は端から返答を期待していない様子で、そのまま話を続けた。

「Nun, sie scheinen die Strategie zu gewinnen, aber ich weiß.(まー、あいつらはハメたつもりで居るらしいけど、見え見えなんだよなっと)」

 そこに、新宿駅方面から歩いてきた、高級で暖かそうなポンチョコートに身を包ませた、中学生ぐらいの、白人の少女が、二人の前まで歩いてくると足を止めた。

 レナードはその少女に気付き、目線を向ける。

 彼女は、セミロングの金髪を、(ゆる)おさげにまとめいて、まだ成長途中の様な、あどけなさの残ったかわいらしい顔には不釣り合いな、鋭い眼光で二人を見ていた。

 自分たちを睨んでくる少女に、レナードは不思議に眉をひそめ、その少女は怒ったような声を上げる。

「………何て危険の物を! お前、この街をロックダウンさせる気か!!」



 三時間前。

 事務所前の廊下で、ある人物とすれ違った静香は、思わず目を奪われた。

 白人の少女で、ポンチョコートを着込み、(ゆる)ふわなおさげをなびかせながら歩いて行く。

 静香はその姿に見惚れてから、慌てて事務所に入った。

 すれ違った白人の少女は、自分の上司を、幼くした顔にそっくりだったからだ。

「ベネディクトさん、ベネディクトさん、あの、今のって、ベネディクトさんのお姉さんですよね?」

 少し興奮気味な静香に対して、ベネディクトは自分のデスクに座ったまま、心なしか不機嫌そうに口を尖らせて答えた。

「そうだ。――――全く、口うるさい小姑(こじゅうと)が、要らぬことを言いに来てたんだ」

「あの人が世界最強の魔法使いですか。お人形さんみたいに、すっごく可愛くって、全然そんな風に見えないのに」

 その台詞が気に入らなかったのか、ベネディクトはしかめっ面に変わり訂正した。

「あれでも姉は二十八歳だ。あの姿はな、初恋の相手にすぐに気付いてもらう様に、時間の枠からはみ出たからだよ。それに、外見はどうであれ、中身は化け物だよ、化け物」

「やっぱり、そんなにすごいのですか?」

「あぁ。姉は、全人類が総力を挙げても、倒すことは出来ない」

 ベネディクトは、そう、はっきりと宣言した。



 現在。

 上半身裸のレナード・ヴィレットは、しばらく中学生くらいの少女を見て、直ぐに表情を変えた。

 彼女は噂で聞いたことがある。

「Agat Alquin? Es ist wie ein Traum, dich zu treffen, der Stärkste an einem solchen Ort.(アガット・アルクイン? まさか、最強のあんたに、こんな所で出会えるとはな)」

 嬉しそうに呟くレナードに、アガットは彼の隣の、防災頭巾をかぶった幼女を見ながら、再び激しい声を上げた。

「そいつを早く消せ! そんなものが流行ったら、この東京(まち)は死者であふれかえる!」

 レナードの隣に居た防災頭巾をかぶった幼女は、激しく敵意が混じるその視線に、自分の無垢な目を合わせた。

 彼女は式守神(しきしゅがみ)笠ノ芋疱瘡明神かさのいもほうそうみょうじん

 無害そうに見えて、この神様は今は根絶した疫病(えきびょう)を内包している。その為に今まで死んだ者の数は、他の神様とは一線を画すほどである。

 レナードはそんなアガットの警告も解っていないのか、ガードパイプから身体を起こし、ニヤけ顔のままゆっくりと近づいてくる。

「Ich war einfach frei.Denn wenn du mit mir spielst, werden alle sofort sterben. Es ist nicht einfach für Sie zu beenden, können Sie Spaß haben.(ちょーど良かった、暇してたんだ。俺の相手をすると、みんなすぐに逝っちまうからな。アンタなら簡単に終わらず、楽しめるだろ?)」

 まるで会話が成立しない。

 そんな様子に、アガットは今度はドイツ語で問いかける。

「Verstehen Sie nicht Japanisch?(日本語が通じないか?)」

 レナードは我慢できない様に下を向くと、肩を震わせながら顔を上げた。

 その震えは笑いをこらえたものだった。

 天才、レナード・ヴィレット。

 しかし、彼が天才っと呼ばれている世界は、好戦的で、残虐な場所での話だ。

 彼は、本当に楽しそうにそう話す。

「いや、日本語もわかるよ。要は、俺がこのまま、このガキンチョを出してたら()るって事だろ? いいぜ、()ろうぜ。こっちはもう、痛いぐらいにギンギンだ! その可愛い声で、存分に(あえ)いでくれ」

 すぐさま詠唱を唱えるレナードに、アガットは再びため息交じりに、詠唱ではない言葉を発した。

「この東京(ばしょ)には守りたい者が居る。悪いが本気で行くぞ。変則(ギア)を変える。枠外(そと)に出る身体、――――大歯車(アウター)!」



 再び三時間前。

「全人類が総力を挙げてもですか? 魔法使い全員では無く?」

 静香は大袈裟なと言いたげな表情をして、ベネディクトは首を振る。

「これはな、大袈裟な表現や、比喩(ひゆ)な話ではなく、物理的な話なんだ」

「魔法ではなく、物理ですか?」

 混乱した様に、静香は眉間にしわを寄せた。一体何の話をしているのか解らなくなる。

「そうだな、例えば、人類が地球を破壊しようとして、世界中のあらゆる国の核弾頭ミサイルを一斉に発射したとする。それで地球を破壊することは出来ると思うか?」

 ベネディクトは手を爆発した様に広げる。しかし、まだ中学生の静香には難しい問題だったのか、再び首を傾げた。

 世界中に、いったいどれほどの核弾頭ミサイルがあるのか解らないが、地球の大きさからして、この星を木っ端みじんにすることは不可能に感じる。

「よく解りませんが………無理だと思います」

「その通りだ。人類の英知を結集した、世界一強力なミサイルを全て放ったとしても、せいぜい、地表の地理を変えたり、爆風や汚染物質で人類を絶滅させるだけで、地球を破壊することは出来ないだろう」

「…………」

 この例えが何を示しているのか、静香には解らないが、ベネディクトは当然のように付け加えた。

「つまり、そう言う事なんだ(・・・・・・・・)



 再び現在。

 レナードは攻撃の手を止めた。

 一回の戦闘で、ここまで魔法を放ったのは初めてだ。

 単純な攻撃魔法から、(ことわり)を捻じ曲げるような呪いに近い魔法に、身体に直接機能する暗殺の魔法までも。

 その結果、辺りの街路樹や信号機は倒れ、アスファルトはえぐれ、亀裂が走る。停まっていた車は転がり、横倒しのまま燃え上がり、爆発を起こす。

 そんな大規模な自然災害が過ぎ去ったような場所で、アガットは一歩も動かず、その場所でただ防災頭巾をかぶった幼女を睨みつけているだけだった。

 彼の魔法を避けず、だからと言って、防御結界を張るわけではない。

 ただ真正面から受け止めいるのだ。

 しかし、彼女の体には傷一つなく、服も乱れていない。

 最初は、魔法に対しての強力なレジストを持っているのかと思ったが、多種多様な魔法で攻撃したのでそれはありえ無い。

 あと考えられるのは、空間のゆがみだが、確かに空間の制御は感じるが、完全に遮断しているような強力なものではない。その程度ではこちらの魔法は止められないはずだ。

 なのに全く効いて(・・・)いない。

 ならばと、方法を変えた。

「Dieser Affe ist der Himmel. Engel voller Wunden kommen also nicht auf diese Stadt herab.(あのサルは天国、だから、傷だらけの天使は、もうこの街には降りない)」

 詠唱の後に、空に手をかざしす。そこでは空間が歪み、近くのビルに匹敵するほどの、巨大な剣が現れる。

「Es gibt niemanden, der dich schützt.(君を守る者が、居ない)」

 そして、アガットに向かって振り下ろした。

 レナード最大の、この辺りの地形すら変えるような、広範囲を破壊する魔法。

 この剣は魔法で作られているが、実際の物質として存在している。すなわち、今までの魔法だけの攻撃ではなく、物質による圧迫も入った攻撃。

 空気を断ち切る音を立て、巨大な剣が高速でアガットに向っていく。

「こんなおっきなモンに突き刺されちまったら、ちっちゃなアンタのは裂けちまうか? でも心配すんな、()てーのは最初だけで、先っぽが入ったら、直ぐ逝っちまうからよ!」

 その巨大な剣が迫るが、アガットは先ほどと同じように逃げるそぶりさえしない。

 そして、その巨大な剣先とアガットの頭部が接触した。

 ドグォォォオォォォォォォン!

 そう、鈍い接触音を立てて、巨大な剣がぴったりと止まる。巨大な剣はそれ以上は進まず、ゆっくりと倒れていき、地上に着く前に光の粒子と化して消えた。

 辺りには暴風が舞い起こり、アガットは何事も無かった様子で(たたず)む。

 流石にこれには、レナードも口を開けて絶句だ。

 これは、この辺り一帯を完膚無(かんぷな)きまでに破壊するような攻撃。魔法の防御結界が有ったとしても、止めれるようなものではない。

「もう気が済んだか? これが最後の警告だ。早くそいつを消せ!」

 アガットは、もう一度警告した。



 さらに三時間前。

「どう言う事ですか?」

 ベネディクトの説明に、まったく理解できない静香は訊ねた。

「そのままの意味だ。姉はお前と同じく根本的衝動の魔法使いで、願望の副作用で、地球と同化できる方法を編み出したんだ」

 それれはあまりにも現実とかけ離れ過ぎて居て、理由を聞いても理解しがたい。

 静香は地面を指さした。

「地球って、この地球ですか?」

「そうだ、その地球だ」

「それって、さすがに根本的衝動でも、不可能では無いのですか?」

 ベネディクトは頷いた。

「だろうな。いくら願望があったとしても、生物とは違う、岩石と、肉体を同化するような出鱈目な事は不可能だろう。だから、姉も正確には、他の生命体と同化できるが正しい言い方なんだ」

「生命体と同化ですか? でも、地球って生命体ではないですよね?」

 一般的に考えれば、地球は岩石や金属の集合体であるはずだ。そこに生物的要素は無い。その意見にベネディクトは頷いて尋ねた。

「静香、ガイヤ理論って聞いたことは有るか?」

「ガイヤ理論ですか? 聞いたことはありません」

「これはな、昔、姉の家庭教師をしてた人から聞いた話なんだが、ガイヤ理論とは、ある生物学者の唱えた理論で、地球と生物が相互に関係し合い、環境を作り上げていることを、ある種、《巨大な生命体》と見なすとした仮説の理論なんだ」

 ベネディクトは少し得意げに話す。しかし、いくら地球を生命体と見なすガイヤ理論があったとしても、そんな屁理屈(へりくつ)の様なものでは、地球が生命体に変わるわけでは無い。

「それって、無理がありませんか?」

 静香の意見にベネディクトは頷いた。

「私もそう思う。だけど、それをやってのけたんだ。――――言っただろ、姉はバケモンだって」

 だから、アガット・アルクインは、人類が束になっても倒すことが出来ない。



 そして、現在。

 自分の使える魔法にすべて耐えられ、攻撃手段を失ったレナードに変わって、無垢な表情を見せていた笠ノ芋疱瘡明神かさのいもほうそうみょうじんは、少しだけ口の隅を上げたいたずらっ子の様な表情に変わると、頬のニキビの様な吹き出物を搔こうと手を伸ばした。

 それにいち早く気づいたアガットは、指で何かをはじくような仕草をする。

 その途端、爆発したような音が鳴り、辺りには一気に突風が起こり、笠ノ芋疱瘡明神かさのいもほうそうみょうじんはパンッと爆ぜる音を残して、後ろの建設中のビル共々、四散して東京湾に向かって飛んでいった。

 それは、霊力や魔法で、祓ったり壊滅したわけでは無い。

 ただの空圧と言った、ありえない物理の威力で、巨大な霊力を持った笠ノ芋疱瘡明神かさのいもほうそうみょうじんを弾け飛ばしたのだ。

「………」

 今まで雄弁だったレナードは、もう言葉が出なかった。

 人を殺すどころか、街を破壊するような魔法を何発も放とうが、まるで効くことが無く、指先一つで、あの何百万人も殺して来た、最凶の笠ノ芋疱瘡明神かさのいもほうそうみょうじんを消し去ったのである。

 こんなものに、どう対抗していいか解らなかった。

 今まで天才だの、才能があるなど言われ続け、天狗になっていた自分が世間知らずだとは思わない。

 自分はそう称えられるほど強いことに変わりはない。ただ、目の前の、年端もいかないその少女が、あまりにもかけ離れすぎているだけなのだ。

 そう、例えるなら、蟻の世界の中で、最強な自分が、巨大な人間に対して戦いを挑むようなもの。

 そんなもの、勝負にすらならない。

 最強の魔法使いとは、ただの噂だけでない。ここまでかけ離れた存在だったのか。

「解った、俺の負けだ。………殺せ」

 力を抜いたレナードに対して、アガットは後ろを振り向き去っていく。

 その姿に彼は頭を下げた。

 ここまでの屈辱を、今まで味わったことは無い。

 最初から最後まで、彼女には天才と謳われた自分が眼中に無かったである。

 アガットが気にしていたのは、彼の式守神(しきしゅがみ)の、笠ノ芋疱瘡明神かさのいもほうそうみょうじんだけ。

 なぜなら、彼程度(・・・)なら簡単に殺せるから。

 レナードはその小さな背中に、殺気の孕んだ鋭い目を向けるが、アガットは振り向くことの無いまま進んでいく。



 その様子を、少し離れた場所からナインワードが眺めていた。

 本来なら、あの場所で戦っていたのは自分だったはずだ。しかし、アガットが現れたので様子を見ていたのだ。

 天才と呼ばれるレナードに、最強と言えど多少ないし手こずると思っていたが、これほどまでとは。

 アルクインと敵対するのは極力避けるべきだろう。

 そう考えながら、ナインワードはスマートフォンで篠田に報告する。

 結果的には、戦う人物が変わっただけで、笠ノ芋疱瘡明神かさのいもほうそうみょうじんが壊滅され、彼らの計画に狂いは生じなかった。

 これで、後二体。

 自分が最強の式守神(しきしゅがみ)に憑かれるまで、あと二回の戦闘のみ。

 残りは一人目と、これから自分が戦うナンバーリング無しのみ。

 ナインワードは、篠田が電話に出るまでの短い時間に笑った。

 篠田は自分を、ひっかけた気でいるのだろ。

 しかし、そんな事はとっくに気が付いている。

 彼は、最後の最後で、必ず裏切るはずだ。

 確かに彼の技は対処しにくいが、倒せないものではない。

 しかも、さらにこっちは、この辺りに部下を手配している。

 現実を知った時の、信田の慌てる顔が見ものだと、警察や消防車のサイレンが近づくその場所を、ニヤけ顔のまま後にした。

 それまでは馬鹿正直にこの作戦に乗ってやろうと。

 時間が掛かってすいません。


 ここで何を言っても言い訳になるので、謝りません。[なぜか強気]


 何とか出来上がったけど、大変でした。

 いや、この章は、オトノツバサ史上、二番目に心が折れそうな章でした。


 とにかく、心が折れても、必ず完結するぞ。


 あと少しで半分。頑張るぞ。


 今回はアガット・アルクインの説明です。


 彼女の技はややこしかったですね。なぜ、そんなにややこしくなったかというと、彼女の願望によるものです。


 アガットは、13,4歳ころ、親に家庭教師をつけられます。その家庭教師は日本人で、勉強をそっちのけで、自分の好きな宇宙や、物理の話ばっかりする人物だったのです。しかし、そんな彼に初恋をして、その恋愛感情を未だに引きずっている人物です。


 そして家庭教師は日本に帰り、アガットはその家庭教師の願いを叶えたいと言う願望を持ちます。

 その家庭教師の願いは宇宙は有限か、無限かを知りたいって事でした。

 アガットは思います。

 考えても解らないのなら、直接見に行けばいいと。

 しかし、宇宙の果ては想像もつかない程遠い。

 自分の空間をとぶ魔法では、最長でも銀河一個分が限度である。だから、何度も空間を飛んでいこうと考えたが、それでも数年かかる。

 その間、食事も呼吸も取れないのなら、もちろん死んでしまう。

 それなら、肉体を呼吸も食事も要らないものに変えればいいと、思いつき、地球と同化する魔法を考え付いたと言う事です。


 この辺りは、東京下町祓い屋奇譚を書くにあたって、最初の方に出来た案で、本文の方に載せたかったのですが、長くなるわ、本筋とはあまり関係がないわで、泣く泣くカットです。


 ちなみに、この話を始める前に書いた、活動報告書に書いた、「わたしが物理を好きな理由の根本にある悩み。宇宙は有限なのか、無限なのかに挑みます。まぁ、要するに、宇宙に果てはあるのか、ですね」の所なんですが、、、あとがきで、さらっと終わっちゃった。

 本当は、オマケの所で、壮大に宇宙の果てを描こうと考えていたのに、今となっては、この程度です。


 おっと、アガットですね。

 それで、彼女は二年をかけ、それを見てきて、報告に日本に行ったとき、その家庭教師はもう結婚していたっと言う事です。


 それから数年たち、名家アルクインを、ベネディクトに任せて、自分は日本に行こうとします。そこでベネディクトと大喧嘩をして、近隣を破壊の渦に巻き込み、フランスでの知名度は一気に上がります。

《簡単に書きましたが、地球の滅亡を掛けたような戦いだったようです》


 結局、一番日本に行きたかったアガットはフランスに残り、ベネディクトはこれ見よがしに日本にやって来て、その後を追いかけて、三女のセリアも日本の大学を受験したようです。


 時間があれば、アガットvsベネディクトは書きたいけどな、これは時間かかかりそうだ。


 次回は、一人目です。


 では、また。




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