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東京下町祓い屋奇譚4〈花束をキミに〉

 ビルの窓から眺める風景。
 真正面に見える街路樹の枝は、夏には力強い青々とした葉をつけ、秋には淡い黄色い葉になります。冬は葉の代わりに霜や雪で化粧をして、そして春には、淡いピンクの花びらをつけます。
 それは、こんなコンクリートの建物が並ぶ都会の中でも、四季を感じられ、情緒があります。
 東京という土地は、周りの街並も慌ただしく姿を変え、形を変えてとしていくけど、この事務所はコンクリートや配線が剥き出しで、昔の姿のまま、時間が止まっているようにも感じます。
 あくまでも、原色の赤いソファを除いてですが。
 そう、ここは、アルクィン拝み屋探偵事務所です。
 所長と、職員が二人だけの、総本山からすれば小さな小さな祓い屋です。
 わたしは窓から外を眺め、彼女に色んなことを教えていきます。
「あれ見て、渡り鳥だよ。あの方向は臨海の方に飛んでいくのね。まだ少し寒いから、夏に成ったら見に行こうね。それより、八重洲口の桜がもうすぐだから、先にそっちを見に行こうね」
 そう言うと、彼女は心なしか喜んでいる様子でした。
 わたしは鼻歌を交えながら、その窓から、変わりゆく街並みを眺めていました。
 そこで足音が聞こえ、わたしは慌てて彼女を消します。
 古びれた音を立てて扉があき、所長が戻って来ました。
「おい、今、あれを出していただろ!」
 そう怒り声を上げる所長の脇をすり抜け、わたしは逃げていく。
 所長は長い黒髪をなびかせながら、追ってきました。
 必死に逃げる、わたしの名は、折坂、うわっ、捕まった!
動きだす者たち  二人目
2019/10/19 23:00
動きだす者たち  五人目
2020/03/08 16:48
動きだす者たち  四人目
2020/08/07 16:15
動き出す者たち  三人目
2021/02/24 04:04
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2022/06/02 20:42
深淵から覗くもの
2024/10/22 12:01
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2025/06/12 02:47
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