開封
「あったあった。長いこと待ったから感慨深さもひとしおね」
「そんなに急がなくたって雑誌は逃げないだろう」
書店の特集コーナーに置かれていた写真誌の立ち読みをし始めた女性の横、追いついた男性が嬉しそうに手に取った写真誌を覗き込む。
「本棚を新調しないと。どんなものがいいかな」
「そりゃぁディスプレイもできるタイプがいいわ。きっとこれからも増え続けるもの」
楽し気に頷く男性は、もう一冊同じ写真誌を手に取って、女性が持っていた分を含めて二冊購入した。
「スクラップブック、作ってみたかったんだ。楽しみが増えたよ、茜さん」
「そういうセンスはあなたに任せます。春奈は恥ずかしがるでしょうけど」
写真誌の紙面には「三年かかりました。でもまた一つ、夢が叶いました!」と満面の笑みで編集担当者へのインタビューに答える春奈の笑顔が載せられていた。
了
発案から約4年ほど、本作は書いては消し書いては消し、なかなか形になりませんでした。
物書きとして死んでいた期間を経て、短くも社会人として得た経験も込めて書きあがりました。
就職活動という世代毎に様々な印象の残り方をするテーマです。
私はギリギリ12月解禁世代でした。
色々調べて、悩んで、迷いました。
もう就職していたり、社会人ベテランの方には微笑ましく読んでいただければと思います。
まだ学生でこれから、という方は本作を読んで感じたことが少しでも糧になれば幸いです。
ご感想、ご意見等心よりお待ちしています。
それでは、またどこかでお目にかかれることを祈りつつ。
2018/12/22 卯月




