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絶刀のヴァレリーア  作者: ラーメン上のマチク
序章《未来からの転生者》
7/264

7話 叫んで斬れ

 師匠が、言っていた。

 化け物とは、人間の手に負えないからこそ化け物なのだ、と。



「ううぅ……うっ……! クソォ……!」


 星が瞬く夜空とうねるような大地の大海原の中を、セリエ達が所持しているアポロノスが竜車を引いて全速力で走る。

 シオリはその竜車の後部席で震えながら座り込んで泣きじゃくっていた。


 セリエとドルタスにまたも助けられたのだ。しかも、彼女らを置いて。



 1



 真紅の竜(アジズ・ドレッド)、ゾルアジス。それが小さな戦場に降り立った存在の名だった。

 体長は竜車が引けるアポロノスよりずっと大きく、手足は太く長く、両翼は合わせて体長ほどもある。体表は赤黒い鱗がびっしりと覆い重要な部分は甲殻が守っている。全てを射殺すかのような邪悪な真紅の双眸――。

 二足歩行の巨大なトカゲの王様。

 シオリが聞いていた通りの特徴。間違いない、これがセリエさんが倒したと言う――。


 ――これを人間が倒せるのか?


 セリエが初めて動揺の表情を見せて叫ぶ。


「アルハイド、逃げる! ヤー!」

「に、逃げるったって! どこに!?」

「どこへ、デモ!」


 逃げると言っても、この障害物など殆ど無い、ほぼ平らな地形の場所でどうやって逃げろと言うのか。

 そこへドルタスが叫ぶ。


アポロッド(竜車だ)! アポロッド・ゼクシオ(竜車で逃げろ)!」


 それを聞いてセリエがシオリが隠れる竜車へ走り寄る。ドルタスはそれをカバーするようにゾルアジスとガーラス達を正面に構えている。

 強大な存在感を放ち続けるゾルアジスは、先にガーラス達に狙いを定めて、図体からは想像も付かない俊敏さを見せつけて、その図体から予想する以上の膂力でガーラスを粉砕していく。

 シオリの元へ辿り着いて、シオリを悲しげに見つめながら囁くように言う。


「……ゴメン」

「!? うわぁっ!」


 セリエはシオリの服を掴んで勢いよく後部席に投げ入れた。

 そのまま外側から前部席に回り込んで繋ぎっぱなしだったアポロノスの尻を思い切り叩く。

 ンゴォ――!と嘶いたアポロノスはシオリを竜車に乗せたまま昼の時では想像も付かないほど速く何処へともなく走り出す。


「タッシャで暮らせー!!」

「そんな、セリエさん! ドルタスさん!」


 どしどしと竜車は走りどんどん離されていく。セリエ達の姿がみるみる小さくなりながらもゾルアジスの凶悪な存在感は尚大きく感じられる。セリエが踵を返して戦いに加わる為に駆けるのが見えた。


 降りろ。降りるんだ。行かなきゃ。助けに行かなきゃ――。


 ――どうやって?

 どうやって彼女らを助けるんだ?わからない。

 どうやれば彼女らを助けられるんだ?わからない。

 僕に助けられるのか?無理だ。

 どうして助けようなんて傲慢な考えができる?馬鹿め。


 助けたくても助けられない、助けに行く勇気も持てない。助けたいという思いすら疎ましく感じて、シオリは……。


「うっ……ううう……うあああ……!」


 ただ、座り込んで涙を流すだけしかできなかった。



 2



 どしどし、どしどしと、竜車は走り続ける。まだ何分と経っていないが、シオリには永劫の時間にも思えた。涙を流し嗚咽を漏らしながら、想いを巡らす。


 ――僕は無力だ。戦う勇気すら持てない、臆病者だ。ただ、ただ怖くて怖くて仕方がない。ただの雑魚に過ぎない。ゲームの世界ですらこれだ。そうだ、セリエさん達だってゲームのNPCでしかないんだ。死んだって現実に戻ればどうってことのない――。


 ただの……。


 違う。


 あの人達は、違う。違った。違うんだ。

 セリエさん、ドルタスさん、あの二人はただの、ゲームのNPCではないんだ。


 ()()()()()()()()()。あの人たちは、生きている人なんだ。

 ほんの一日足らずしか付き合いがないけど、笑顔で色んなことを教えてくれた、不器用ながら語り掛けてくれた。優しげに微笑んで僕を気遣ってくれた。この世界で初めて会った人間の、人間らしい――。

 とにかく、彼女らは、生きた人間だ。


 そう思った時、シオリは、自分がいるこの世界がバーチャルの世界では()()ことを確信した。


 シオリは立ち上がって前部席へ移る。


 ――戻らなきゃ。

 何ができるのか、そんなことは戻ってから考えよう。


 そう思ってシオリのアポロノスの手綱を取ろうとする手が、止まる。


 怖い。怖くて手が動かない。自分から死地へ舞い戻るのを恐怖が邪魔してくる。

 でも、もう恐怖の御し方は思い出している。


 師匠――。





 §





 この術はな、所謂、臨死体験のような経験があることが前提条件なんだ。

「はぁ……」


 まあ要するにだ、この術は瞬間的に死に際を思い出して火事場の馬鹿力を出したり、体感時間を遅らせたりする術なんだが……。

「ふむふむ」

 それは本来の使い方ではないんだな。

「はあ……」


 まずお前には雑念が多い。雑念があるから、迷いも、戸惑いも、恐怖も芽生える。すぐ驚くし、すぐ慌てる。これは剣の世界では致命的でなぁ。有り体に言うとだ、お前、剣は向いてないよ。

「うう……っ」


 まあ安心しろ。この術は、そんなお前の為に私が編み出した、お前の為だけの術だ。

「本当ですか?」

 ふふっ……、お前がこの術を習得しても使い道は一つだけ。

 落ち着き、集中することだ。


 ……。

「えっ、それだけ?」

 ()()()()だ。これが使えれば、恐怖を払い、戦いの中でも高い集中力を得られる。極めれば明鏡止水の境地に至ることも可能だろう。

「……えーと、それで、それで集中できるとします。それで何が出来るんでしょう?」

 忘れたのか? 私達には()()があるだろう?

「……あっ!」


 そうだ。

 幻のように儚い命を燃やして刹那の瞬間のみ夢の如し無限の可能性を得ることから、この技を、こう名付ける。





 §





 ーー夢幻(むげん)

 刹那の長さに脳裏で再生される記憶。僕を無慈悲に蹂躙する木刀。軽蔑し切った表情で見下す()()の姿。

 恐怖は嘘のように消えていた。思考は澄み渡り、死んだように隠れていた戦いの記憶が蘇る。


 ――そうだったね。そんなことがあったよね。

 僕はあの時、心のなにかが壊れてしまった。でも、今、僕は彼女に感謝している。

 あの惨めな経験があったから、僕はあの人達を助けに行けるんだから。だから――。


「ねえ、止まってよ」


 シオリは、手綱を思い切り引きながら言う。

 しかし、食物連鎖の最上位から逃げるために尚も竜車は止まらない。

 シオリは、もう一度ゆっくりと言う。


「お願いだから、止まってよ」


 さもないと――。

 次の言葉を言い切る前に竜車がピタリと止まる。アポロノスは不安げにこちらを振り返る。

 シオリはにっこりと微笑んで穏やかな口調で言う。


「大丈夫、安心して? 絶対無茶はさせないからさ。ちょっとさ、さっきの所まで戻ってよ」



 3



 セリエとドルタスが懸命に戦っている。あれからもう何分経っているかわからない。ガーラス達はとっくに死に絶えた。

 真紅の竜の(アジズ・ドレッディオ)ゾルアジスは殺したガーラスを食う前に二人の人間の命を摘み取ろうとしていた。


イエーメン・(聖者よ、三度)テスタロッサ・デッサ(目の奇跡をここに)!!」


 ドルタスが叫び、全身を広げて前面の護符を全て解放する。聖者の御力のほんの一部を下界に降ろしたかのような光がゾルアジスの放つ真っ赤を通り越し白みを含む業火の火球を受け止める

 ドルタスが最大法術を以ってして辛うじて持ち堪えながら叫ぶ。


「グッ!! ウオオオオ!! エルフォードーーー!!」

ゼァラ(任せろ)!」


 地を駆けて一度に間合いを詰めたセリエがゾルアジスの横を走り抜けるように、大長刀の渾身の一撃をゾルアジスの横っ腹から後脚に掛けて撫でるように叩き込む。

 だが、


コナク(クソ)ッ!」


 効かない。

 その堅牢な鱗に傷は付けられても剥がすことさえ敵わない。

 ――もっとでかい武器と人数が要る。


 セリエは歯痒い思いでそう思考を巡らせる。

 しかし何故歯が立たないのか、セリエが言うには過去に別の個体のゾルアジスを倒した経験があるはずだ。セリエの自慢話を聞いたことがある者なら誰もがそう思うだろう。

 それはそうだ。


 何故なら、セリエが倒した時は、神殿騎士団副団長ドルタス・ザイガス率いる神殿騎士隊五十名、聖騎士団団長セリエ・エルフォード率いる聖騎士隊百五十名を合わせて計二百名のシュレイド連合王国が誇る精鋭達で以って立ち向かい、百七十八名の尊い犠牲の上で辛くも討ち果たしたのだから。


 真紅の竜の(アジズ・ドレッディオ)ゾルアジスとは、そういう存在なのだ。通常の人間では決して敵わない正真正銘の化け物(ガルデラージ)なのだ。人間の手には負えないからこその化け物(フリークス)なのだから。

 奴らに単独で立ち向かえるとしたら、それはもう同じ化け物になるしかないのだ。


 二人は、今日この場で死ぬと覚悟して立ち向かっている。

 あの少年を守る為に。

 何も知らずにこの世界に迷い込み、これからを懸命に生き抜くであろう弱々しく女々しい少年の為に。

 セリエは必死に身体を動かして化け物が繰り出す死を掻い潜りながら、思考を巡らせる端で少年を想う。


 ――あの子はもう逃げ切ったかしら。思えば気の毒な子だったわね。本当に何も知らなかったんだから。何だか無性に守ってあげたくなる子だった。ドルタスの奴も珍しく可愛がってたし、本当に長く生きて欲しいな。


 ドルタスは持ち得る法術の限りを尽くして化け物の吐き出す死の業火を受け止めながら、心に祈りの言葉を紡ぐ端で少年を想う。


 ――あいつは何も知らな過ぎた。この時世にあれほど現実を知らずに生きてきたガキなんて見たことがない。転生人だとか言う平和な世界で生まれ育ったとか宣うクソガキ共でさえもっと濁った心を持ってた。あいつの純真さは宝だ。決して失わせてはならん。


 二人とも限界が近づいてきていた。全力で能力を使い尽くして辛うじて命を繋ぎ止めるのが精一杯の、一撃でも貰えばそれで終わりの不公平な闘争も、その終わりは近い。

 シオリが逃げる時間を残り短い寿命を燃やして一秒でも多く伸ばし続ける。


 真紅の竜の前脚がセリエを捉えた。風のように地を駆ける羽虫を叩き潰す為、四肢と尾を振り回したのだ。ゴウゴウと轟音を立てて振り乱されて五体の一部をぶつけられ、セリエは吹っ飛ばされる。


「グオォ……! ダガ(まだだ)!」


 ゴロゴロと転がりながらも素早く体勢を立て直すセリエ。だが、既にゾルアジスは追撃の魔の手を繰り出していた。巨体に見合わぬ速度で大地を唸らせながら駆けて、セリエへと迫る。


「エルフォード!!」


 ドルタスも慌てて追い掛けるが、真紅の化け物の速力には到底追い付けない。護符を抜かれた時の保険にと着込んでいた鎧の重さが今は煩わしい。

 セリエの元に迫ったゾルアジスが、強靭な紅蓮の前脚を振るう。


 ――避けられない。


 そう考えたセリエは刀身を盾にするように構えて受ける体勢を取った。

 丸太のような大きさの業火を纏った腕が唸り、セリエの体躯が吹き飛ばされる。体躯は宙を舞い、地面に叩きつけられて勢いは止まらずゴロゴロと転がり、やがて止まる。

 倒れ伏したセリエはピクリとも動かない。

 ゾルアジスがもう一度同じようにして確実なる死を与えようと走り出す――。


コナクリア(このクソ野郎が)ーーー!!」


 漸く追い付いたドルタスが叫んで巨大な二振りのモーニングスターをゾルアジスの右後脚にぶち当てる。長年の研鑽の果てに可能となった化け物を唸らせる渾身の一撃が、ゾルアジスを僅かに怯ませた。セリエへの追撃の手が止まる。

 そのままドルタスが両腕を振るい痛烈な猛攻を繰り出す。

 今までただの的のように不動の体勢で己の業火を受け止め続けていた射的の玩具が、ここに来て牙を剥いて来たのが煩わしいと感じたのか、ゾルアジスが振り向きざまに死の左腕を振るう。

 ドルタスは咄嗟に聖者の掌(イエーメン・トロッフ)を展開したが、さっきの大きな結界よりも、その光の御力はずっと弱々しい。

 結界を容易く貫かれ、セリエの時と同じようにドルタスの巨体も吹き飛ばされる。短い浮遊感を覚えながらドルタスは保険に鎧を着ていたことに感謝した。


 鬱陶しい女は後にしてこの男から食らおう。

 そう思ったのか、ゾルアジスは、生まれたての子鹿のように震えながら立ち上がろうとするドルタスに向けてゆったりと歩を進め始める。


 前のめりに倒れ伏しているセリエは――。


 ――もう、身体が動かない。

 何とか生きていた。攻城兵器の敵陣地の門をぶち破るが如き一撃を受ける寸前、攻撃が来るのとは逆方向に飛んで全身の力を抜いて最小限のダメージに抑えていたのだ。羽のように軽やかに舞う姿から妖精乙女と呼び讃えられたセリエの神業の如き奥義と、同じ化け物の素材が使われた革鎧の防御力が、辛うじて彼女の命を繋いだ。

 だが、ゾルアジスから受けた一撃は最小限に抑えたと言っても、それは強烈に彼女の身体を痛め付けて、セリエは最早立ち上がることもできない。

 彼女の身長程もある大長刀は中程からポッキリと折れ、どこかへ吹き飛んでいってしまった。


 ――あの子の逃げる時間は、もう十分稼げたかな。

 そう思い、セリエは限りある時間を今は遠くにいるであろう少年の安否に費やす。


 ――生きて。強く生きて、シオリ・アルハイド……。もう会えないけれど、貴方の無垢な笑顔は掛け替えのない宝物になった……。さようなら――。


 ――リエ……ん。


 ――おかしいな、あの少年の声が聴こえる気がする。とうとう幻聴まで聞こえ出したのかな。


 ――ルタスさん!


 ――いやっ!違う!これは、まさか……!


「セリエさん! ドルタスさん!」


 ああ、なんと言うことだろうか。シオリが戻ってきたのか。アポロノスを駆って。どうして、どうして戻ってきたんだ。


 ゾルアジスがドルタスの元へと進む歩みを止めて戦場に舞い戻ってきた参戦者に目を向けている。ドルタスも。セリエも。この場の生きている者がシオリを見ていた。


「ほら、行きな。怖い思いさせてごめんね」

「ンゴォ……」


 シオリが竜車を降りて、アポロノスを逃してからセリエの元に駆け寄る。いつの間にか何処かに飛んで行ったはずの半分の長さしかない刀を握っている。


「アル……ハイド……! この、オオバカ……! なんで、モドって、きた!」

「ごめんなさい! でも、二人がまだ生きているんだと思ったら! 居ても立っても居られなくて戻って来ちゃいました!」

「バカ……!! アナタが死んだら、イミ、ないのに……!」


 シオリがにっこりと微笑んで言う。


「僕は、死ぬ気なんて無いですよ。アイツを倒して、三人で街に行くんです。街の案内、お願いしますよ?」


 セリエは、呆気に取られた顔になる。


「ゾルアジスを倒すなんて、ムリだ! アイツは――」

「じゃあ、もう行くんで」

「あっ、オイ! マテ!!」

「……」


 シオリはゾルアジスへと向き直って、ゆっくりと歩き出す。右手には半分に折れた頼りない刀を握って。


 ――夢幻。

 世界から、ゾルアジスの発する存在感と息遣い、シオリの呼吸音以外の音が消える。セリエの叫びも聞こえない。今、この場には一匹の化け物と一人の人間しか存在しない。


 恐怖は無い。それ以上の恐怖で誤魔化したから。

 迷いは無い。現実から目を背けたから。

 戦う理由はある。僕の手に、二人の恩人の命が掛かっているから。

 勝機はある。僕には師匠の教えと、夢幻と、あの技があるから。


 シオリが一気に駆け出す。シオリが使える唯一の技を放つ為に。近付いて行く程みるみるゾルアジスの巨大建築物のような存在感が増してゆく。


 ゾルアジスは、先ほどまで囀っていた羽虫の如き矮小な人間よりも、ずっと弱々しく何も感じるものがなかった存在が、わざわざ死にに戻ってきたことで興味を持ち始めていた。


 この二匹を食い殺してから追いかけて食ってやろうと考えてたのに、あっちの方から食われに戻ってきた。人間とは愚かで面白いな、と。

 それが更に自分から己に向かって駆けてきた。これほど面白いことはない。


 ――一息で食い殺してやろう。

 そう考えたゾルアジスは、四足に屈み、頭の高さを少年の背丈に合わせて、駆け出す。シオリを一口で丸呑みにする為に。


 ――夢幻。

 再度、コンマ数秒の間にシオリは思い出す。心が死んだあの時。彼女の歪んだ笑み。

 そして、師匠の言葉を。




 その技は、剣を志す者なら誰もが目指す斬撃の到達点。


 我らは三百年の時を費やしてその技術(わざ)能力(ちから)の段階まで昇華させたのだ。


 幾ら斬ろうと切れ味は落ちず、刃毀れすら起こさない。


 天地を断つその()、無尽の如し。


 高らかに叫べ、その技の名を。


 そして斬れ、お前の進む道を阻む敵を、尽く。




 天地無空流 絶刀――。


「――無尽剣(むじんけん)!!」


 シオリが高らかに叫ぶと、折れた刀身から透明な色の無い色が溢れ出て、それは、ピタリと刀身を覆う。

 シオリは化け物の頭に向かって、高く飛び上がり、折れた刀を振り下ろした。

 その命を終えたと思われた刀身は、目に見える程に濃い(くう)の如き軌跡を残しながら――。


 化け物(ガルデラージ)真紅の竜の(アジズ・ドレッディオ)ゾルアジスの頭を打ち砕いた。

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