雨の日
雨の日は距離が近い
心じゃなく体なのが
悲しいけれど
小さな幸せを私は拾う
一本の傘で寄り添って
私はあなたの声に私の声を重ねていく
夢のような昨日の夜のように
土砂降りはいつか小雨に変わり
虹さえも見られるかも
期待だけは
いつだって大胆で
あなたの心
変わることも天気みたいならと 苦笑い
自分の気持ちさえ伝えられない私に
空は嘲笑うように
雨を落とす
大きな雨音にかき消されて
私達は無口になる
あなたが本当に欲しいのは
自分の傘を黙って手渡したあの人
不器用なあなたに
傘なんて要らないのにと笑ったあの人
あともう少しだけと
願ってみても
雨音は止んでいく
傘をたたんだらまた いつもの他人の距離