第三話 奴隷市
俺は都の奴隷市で縄で縛られていた、俺はリーナたちがいないかと探して見るがやはりいなかった。
リーナたちはどこにいるのだろうか?何時かまた会えるのだろうか、そう考えるとだんだん不安になって来た!
よし、そこらの名もなき愚民に助けてもらおう
(誰か助けて~ こいつら盗賊です!)と叫んで見た、だが誰にも相手にされず盗賊に殴られた、愚民ふぜいが無視すんなぁ~!
客たちが集まり品定めをしはじめた、ここはなんとしても生き延び再びリーナたちに会わねば!
そのためにはいい客に俺を買ってもらはねば始まらない、俺は必至に良さそうな客を探す。
その中に20歳くらいの優しそうな女性を見つけた、よしこの人に買ってもらおう
「キラ~ン」俺の必殺キラースマイルが女性のハートを鷲掴みにする!
(子供なので女性の目にはすごくかわいい!と映る)
女性は目をキラキラとさせ頬がわずかに赤らむ、間もなく何を思ったか女性は走って立ち去った。
おいおい俺に惚れたからって逃げるなよ!しばらくしてその女性は主人らしき女を連れて戻った
なんじゃこりゃ~!!
その女主人を見た俺の顔が引きつった、表現不可能なので『でかい』とだけ言っておこう
さらに女性と話す女主人『デカイ』は『うんうん』と満足気の表情だ。おそらく俺を買う気満々なのだろう
これは拙い!『でかい』は見ただけで心がすり減るモンスターだ!
誰かほかにはいないかと辺りを見直す、30前後のお供付きの金髪の美女を発見!
俺はすかさず男前のキラースマイルを女性に送る、金髪美女の目が輝く! よしヒットした!
やがてセリが始まり兄は20貫文で売られていった
さらば兄上永遠に不幸にな!
そして俺のセリが始まった
「なかなかいい品なので、お代は3貫文からです」
司会者がセリを始めた、俺はどきどきしながらそれを見ていた
「10貫文」
やはり『でかい』が動いた
「でました10貫文! ほかにございませんか?ほかには...」
『12貫文』
金髪美女が対抗する 2人の一騎打ちが始まった
「20貫文」
『22貫文』
「30貫文」
金髪美女の顔が引きつる、俺はすかさずキラースマイルを送る
『100貫文』
やったこれは金髪美女の勝ちだろう!
「200貫文」
嘘だろ!『でかい』はすごい金持ちらしい、金髪美女に懇願のスマイルを送る
だが金髪美女はごめんね!わたしも残念なのと言う表情を返してきた
ノォォォ~『デカイ』が主人とは俺の貞操の危機だ!
『300貫文』
その時30代半くらいの何かの棟梁のような女性がセリに加わった
『でかい』は新手に目を細ませた
「400貫文」
『500貫文』
女棟梁が500と言った頃『でかい』の顔は怒りで真っ赤になっていた
「550貫文」
俺ってそんなに価値あるのかよすげ~と我ながら思った
だがすぐに「こいつら俺に何させるつもるだよ~」と考え背筋が凍りついた。
女棟梁は指を1本立てた
『1000貫文でよろしいですか?』司会者が尋ねる
棟梁はうなずきながら「ふっ」と言う表情で『でかい』を見下した
『でかい』は戦闘意欲を失い後ろを向きいそいそと歩きだした
『でました! 歴代最高額奴隷の誕生です!』
司会者は興奮して叫んだ、だが俺はその言い回しに馬のセリ市の高額な駄馬を連想していた。
俺は女棟梁と数人の男に連れられて京をあとにした
女棟梁は男たちに俺の事をきっちり教育するように命じて俺とは話すことはなかった
「わしはタルト! 坊主の教育官だ、坊主の名は?」
がたいのいい40歳過ぎのハゲのおっさんが俺に言った
「豊臣秀吉です」
「ぐはっ」
だが俺はいきなり腹に膝蹴りを食らった
「嘘をつくな、お前が苗字がある身分か? 貴様の名は今日からパシリだ」
「い いえ次郎です」
「ぐはっ」 再び蹴りを食らう
「なんか言ったか?」
「ぼ 僕の名前はパシリです、よ よろしくお願いします」
「わしの命令は絶対だ、あとわしが言った事は一度で覚えろよ、いいな」
「はい...」 このハゲ殺す
タルトの話では俺をこれから伊賀のアジトに連れていき一人前の伊賀忍者に育て任務を与えるそうだ
えっ 忍者? 俺の予定表に忍者などと言う文字はないぞおぉぉぉ~
しかもこいつらは「伊賀上忍三家」 阿部家、百済家、藤原家の内最大勢力の阿部家だそうだ
特に阿部家は歴代陰陽師最強と名高い安倍晴明を祖とし陰陽道の世界で並ぶ者無しって話だ。
忍者も陰陽師も興味ねえよ! なんでこうなったぁ~! 俺は魔法がいいんだけどぉ~!
タルトの話では女棟梁はたまに見込んだ子供を買い忍者として育てるそうだ、だが当然ほとんどの忍者は伊賀の里出身だ。
幸い金で自由を買う事が出来るらしい、ただし10万貫文(約60億円)が必要との事、ボッタクリじゃねぇか!
女棟梁がなぜ俺を気に入ったのかは分からない。必死で客の中から買主を探す俺に興味を持ったのか、俺の顔を気に入ったのかどちらかだろう。




