赤き血潮1
未知の技術で侵略を行う敵に対し、自衛隊を投入した日本は苦戦を強いられたが、たった五人のヒーローが姿を見せると、戦況は一遍した。
まるで戦隊ヒーローを彷彿とさせる出で立ちはとても印象的であり、使用する武器も実弾を使用する現代兵器とは一線を画していた。
それが名もなきヒーローの始まりであり、異世怪人と呼称される敵との戦いは一年にも及んだ。
そして朱音は子供の頃に一度、誰かは分からないがヒーローに助けられている。
だからこそ、ヒーローに強く憧れているのだ。
「はぁ」
頬杖をついたまま窓の外を眺めていた朱音は、授業中にも関わらず深々とため息をついてしまう。
だがそれを咎める教師もいなければ、怒られるのではないか心配してくれる友達もいない。
今は異世怪人の出現警報によって既に近隣の地下シェルターへ避難済みである。
警報発令時には避難することが義務付けられているが、当然ながら警察は避難誘導する際に全ての人をケアできない。
逃げ遅れるという事故はそう珍しくもなく、幸いながら人命を失う惨事は今のところ起こっていない。
それは警察のヒーローが異世怪人を撃退するのもそうだが、この街には影から見守るもう一人のヒーローがいる事を朱音は知っている。
だから今回もあえて避難しなかったのだ。




