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プロローグ
美しい。 あぁ、君はなんて美しいのだろう。まるで黒炭のような黒髪、滑らかで白い肌、燃えるような赤い唇そこから紡がれてゆく言葉は歌のようだ。時折見せる無邪気な顔。まさに君はグリム童話に登場する白雪姫じゃないか!僕だけの美しい白雪姫!!なのにどうして君は泣いているだ?僕という王子がいるじゃないか?そうか.....分かったよ。君が泣いている理由が君に纏わり付く虫が邪魔なんだね。それなら僕は狩人にもなろう。そうすれば笑ってくれるだろう?その美しい顔で微笑んでくれるんだろう?待っていてくれ、すぐに邪魔な虫たちは殺そう!そしたら楽園を作ろう。二人だけの! 狂おしい程愛おしい僕の白雪姫......。