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異界の放浪者  作者: ヒヨとモカ
第一章
7/9

極彩色のまどろみの中 1


極彩色のまどろみの中


ふわりふわりと


灰黒の羽根



*************



小さな小さな女の子。


それは、5歳のわたし、ヒセ。



手に抱いてるのは、ぬいぐるみ。


いちばん大切なぬいぐるみ。


キズついたぬいぐるみ。




ぬいぐるみに向かってヒセがいう。


「もう大丈夫だからね!」


飛世は言う。


―――その言葉に嘘はないの



ぬいぐるみに向かってヒセはいう。


「必ず助けてあげる!」


飛世は言う。


―――その思いに嘘はないの




「なのに」


―――なのに




ぬいぐるみはどこにもない



ヒセはただ泣きじゃくる


「ごめんなさいっ」


―――あなたを巻き込んでしまった


「ごめんなさいっ」


―――あなたの未来を奪ってしまった


飛世はただうずくまる



ぬいぐるみはどこにもない



泣きじゃくるヒセと


うずくまる飛世がいるだけ



*************



極彩色のまどろみの中


ゆるりゆるりと


羽根は泉に溶けてゆく



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