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短編集

使い捨ての勇者

ああああ は 魔王 に872ダメージあたえた!

ああああ は 魔王 を倒した!


勇者「……はっ、はっ!」


魔王「どうしてだ……どうして俺が負けるんだ!?」


勇者「さぁな……! 想ってくれる人が居ないからじゃないのか……!」


魔王「くそっ……くそっ……どうして俺がっ、」


「使い捨ての勇者」


魔王「なんかに、負けるんだっ!!」


勇者「――え?」


魔王「……はは、その反応だとお前は知らないらしいな……!

 俺も、貴様も、操り人形なんだよ!!」


勇者(なんだ……何言ってるんだこいつっ……!

 でもっ……どうして《嘘に聞こえない》んだっ……!?)


魔王「この世界は……作られた世界なんだよ!

 俺たちを操ってるやつは大騒ぎしてるだろうなあ、

 《キャラ》が勝手に動いてるって、話してるってよ!!」


勇者「は……ははっ! どうした!? 怖くなって気でも振れたか!?

そんな作り話、俺は信じない! 信じない!」


魔王「ならお前は違和感を感じなかったのか!?

 同じ人に何度話しかけても同じ言葉、家の物を盗んでも咎められない事に!」


勇者「あ……あれは俺が勇者だから――」

魔王「勇者だから!? なんだと言うんだ!!」


勇者「っ…………!」


魔王「それに、休んだ後の闇は何だと言うんだ!

 あの暗闇は! 漆黒は! 不安にならなかったのか!?

 ここで消されてしまうのかと!!」


勇者(不安。不安)「あの闇は! お前が!」


魔王「そんな訳無いだろう!!それにだ!

 なぜお前は《モンスター》の弱点を正確に突けたんだ!?」


勇者「それも!」


魔王「勇者の資格だと!? 詰まらないな!

 あれはな! 操ってるやつが《攻略本》とやらを見ているからだ!

 面白いだろう!? その本にはこの世界の全てが載っているのだ!! 本当に面白いな!」


勇者「嘘だ、嘘だ嘘だ!!」


魔王「それにお前の仲間はどうなった! どうなんだ!」


勇者「俺を助けるためにみんな……!」


魔王「ああそれはそうかもしれないな!

 だが何故《死んだ人間が生き返る》!? 奇跡か!? そんな訳無いだろう!!」


勇者「あ、ああ……!」


魔王「貴様は俺を倒したあと

 《強くてニューゲーム》や《隠しダンジョン》に行くだけために

 また操られるんだ!!」


勇者「あ、ああ


ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


魔王(くそ、終に終わってしまうのか!!)


あああああああああああああああああああああああA



























彼は、操られていた。

世界を救うはずだった勇者が。

全てを知ってしまった魔王に、世界は終わりを告げた。

もう、このゲームは遊べないな。

魔王は、終わりの淵でそんな言葉を聴いた気がした。


……こんな戯言さえも、《プログラム》されていたのだろうか?

……こんな戯言さえも、《物語》に組込まれていたのだろうか?

……こんな終末さえも、《ゲーム》だったのだろうか?

そんな事は、誰も、《プレイヤー》も、《キャラ》も、《プログラマー》にさえ、わからない事なんだろうか?





まあゲームはあまり捨てないで、という話でした。


結局魔王が勇者に《世界の公式》を伝えてしまったのも物語だったのだろうか?

――愚かな《全て》には、決してわかる筈の無い物語が、幕を閉じた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 発想が面白いです。 魔王は意外と良い人・・・? [気になる点] もうちょっと書いて欲しかった。 あの魔王の語りを。 [一言] 始めましてとこんにちはといきなりすみません! 漣波 雪と申し…
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