魔王、いや、聖母降臨
「あーー、ディ?みんなを危」
お兄様が話しだそうとしたら
「ば、ば、ば、化け物…」
そんな声がした方を向くと、殿下が涙目で尻餅をついてます。
私がコテンと首をかしげたら
「なんなんだよ、なんなんだよ!苦手って言っただろ!
あんな力持ってるって、平気であんなの出せるって!
オマエ天使だなんだ言われてるくせに、化け物じゃないか!!!」
半分泣きながら叫ぶ殿下。
そっか。
過ぎた力は恐れになるかぁ、お兄様やチィちゃん達としか一緒に居ないかったから、忘れてた。
そうだよね、化け物だよねぇ。
だから、先生も〝普通を学べ〞って、1ヶ月通えって言ってたんだっけ。
あーー、もしかしてフーティ様達にも嫌われたかなぁ?
せっかく脱ぼっちだと思ったのになぁ。
ちょっと落ち込んでたら、後ろから、殺気が駄々漏れし始めたので、慌てて振り返ると
あ、お兄様、ホネマント出そう。
「おにぃ」パーーン!!
え?!
もう一度殿下の方を向くと。
イーリー様が殿下の頬を平手打ちしており、殿下は驚愕の表情でイーリー様を見ていました。
「殿下、最っ低です」
「ななな、なにすんだ!親にもぶたれた事ないのに!!不敬罪だ!」
「貴方は、王族に誇りを持っていますよね?
なんで王族は偉いのか、考えた事ありますか?
貴方のその固有魔法はなんのためにあるのか、考えた事ありますか?」
「は?え?そんなの今関係ないだろ?!
フロスティ!ヨーク!イーリアンを捕まえろよ!私をぶったんだぞ?!」
「優秀な臣下は、上が間違った行動をしたら、何をしてでも止めるものですわ。
イーリアンのいまの行動は、殿下を諌める行動として正しいと、私も思います」
「フロスティまで何を言ってるんだよ、なぁ、ヨーク、お前なら私の味方だよな?!」
「えーっと、殿下。僕達、ずっと味方してきましたよ?
殿下にとって、味方って、全部が全部うなずくだけなんですか?
一緒に学んでいかなくて良いんですか?
それって、バカ殿になっちゃいますよ?」
「なんだよ、なんだよ、みんなして!私が間違ってるって、なんだよ!!!」
そう言って、ダッシュで行ってしまいましたの。
お、追いかけなくて良いんですの?!
「こういう時、慰めるのはギーニーの役割だから」
ヨーク様?いや、今ギーニー様居ないですよ?!
「どっかに護衛が居るから大丈夫でしょう」
フロスティ様も、殿下の扱い、軽くない?!
「そんなことより、エアトル嬢!!」
イーリー様、殿下へ平手打ちは〝そんなこと〞程度ですの?!
「さっきの魔法、凄かった!!!
キミ達!その年でどれだけ訓練したらあんな風になれるんだい?!」
イーリー様が詰めよって来ます。
それを押し退けて、フーティ様が私に抱きついて来ました。
「なんとも無いわね?ああ、良かった。
貴女達が魔物の大量発生を処理しに行くと聞いた時、
シラヌイが行くなら大丈夫かしら?と思ったけど、大量なんだもん、どっかに打ち漏れがあって、襲って来るかも知れないでしょう?
今ので確信したわ。
貴女達は、守られてるだけじゃなくて、自ら戦ってきたのでしょう?
今さらだけど、本当に、本当に、無事で良かったわっ…」
ああ、どうしましょう。
「フーティ様?私達、力強すぎでしょう?」
「それがなに?領地を守ったのでしょう?」
「私達、化け物、ですって」
「ウフフ、私ね、女侯爵になるの。
領地を、領民を守らなくっちゃいけないのよ。
だから、私も貴女と一緒に〝化け物〞になりましょう。
ね?ほら、貴女の過保護な兄が心配で見てるわ。
でも、今は譲ってあげないわ。さ、じゃぁ、まずは、一緒に泣きましょうか?」
フーティ様は、くしゃっと笑って、ぎゅっと抱きしめてきましたわ。
私も抱きしめ返します。
私のお友達は、
〝化け物〞ごときに怯むような人物じゃない、聖母のような人でした。
リオ 天使のディを化け物だとっ…おのれヘドロ、許すまじっ!!
ライ 俺のリアは女神のごと
リオ ドシュッ!まだお前のじゃなーーーーい!!
ライ ック!相変わらずの素早いウィンド・ショット!ですが私は負けません!必ず認めてもらいます!
リア え?婚約は成立してますよ?お兄様、ライ様以外に私を守れそうな方、います?
リオ ック!悔しいが、悔しいが…
イチイ ハイハイハーーーーイ!イチイが全身全霊をかけてお守りいたします!!
リオ 居たな!
リア 居ましたわね!!
ライ こんなところに伏兵が!!!
フー 私達の感動、返しなさいよ!
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