食堂フィーバー
「エクリューシ殿下!なんか不穏な事をしゃべっている輩がいますよ?」
ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべた男子生徒が殿下に向かって言います。
貴方どっから入りましたの?
後ろの扉?えー、Aクラスって出入り自由ですの?ただの教室だし?そうですか。
護衛を増やせ、のお兄様の進言は意味をなさなかったみたいですわ。
「誰だ?不穏な事とは何だ?」
「アイツです、あの灰色の髪のヤツ。何様だ?とか言ってましたよ!」
ニヤニヤと嬉しそうにしゃべってますねー。
どこのどなたか調べましょう。来週とか?ご実家あると良いですね?
「またお前か、エアトル!!不敬だと、何度言ったらわかる!捕まえさせてもいいのだぞ!!」
「エクリューシ殿下にご挨拶申しあげます。
一つ、お伺いしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」
お兄様、不機嫌オーラ出しまくりで、
って、あら、ホネマント?貴方影からドス黒いオーラ増やしてない?ニヤニヤ笑いの生徒に影が伸びてる気がしますわ?
「な、なんだ?」
殿下、お兄様のオーラにびびってるわ。
「殿下は先程、〝皆の忠誠心受け取った〞などとおっしゃいました。
それを受け取って、どうする気ですか?」
「は?」殿下がポカーンとしています。
「この国の民、そして貴族であるならば、忠誠心は、国王へ、そして国へ向けるべきものです。
ただの王子である貴方に向けるべきものではない」
「た、ただの王子とは何だ!!」
「貴方は、婿入り先を探しているただの第三王子です。
貴方が学生のうちから多くの生徒の忠誠心を受け取った、と宣言するのは、
上を目指すと宣言されるようなものです!!
その結果どうなるか、プライドばっかり育ちやがって、ご自分の発言がどういう意味を持つのか、考えたこと無いのですか!!」
「プライドばっかりとか、失礼だ!「反応するのはそこじゃねぇ」私は最高の教育を受けてきた!!
我慢ならん!!決闘だ!!」「イヤです」「はぁ?!!」
パンパンパン!!!
「ホームルームの時間です!!全員、教室に戻りなさい!!!」
先生達が生徒達を無理やり解散させます。
先生、一歩遅かったですわ…
険悪な雰囲気の中、午前中の授業が終わり、食堂へ向かいます。
ものすっごくガヤガヤしてますけど、何がありましたの?
「って、ディ忘れたの?食堂無料開放だよ?」
あ、原因は私達でしたわ。
私達が食堂に入ると
「おお!エアトル家、ありがとうございます!!」「ご馳走さまです!」「マトモな昼食…」
色んな方にお声がけ頂きましたけど、え?最後の方、大丈夫ですの?
私達はニコニコと愛想を振り撒きながら定食を受け取り、2階のテラス席へ移動します。
その間も温かいお声がけ、頂きましたわ。
「お兄様、大盛況ですわ。食堂の職員の方にお礼しなくちゃいけませんね」
「いつもより2倍は大変だったかもね。そうだね、何が良いかな?」
「水仕事ですから、ハンドクリームなんていかがでしょう?」
「ディ、さすが!じゃぁ、不足分の料金と一緒にハンドクリームを差し入れしようか」
そんな和やかに食事を頂いてる時です。
「エアトル、お前の方こそ、ご機嫌取りに躍起になってるじゃないか!」
殿下が近づいて来て叫びます。
「は?」
ちょっと何言ってるか、わからないんですが?
「今日の昼食はお前の驕りでタダだそうじゃないか!
お前の方が、生徒達のご機嫌取りをしてるじゃないか!」
「いや、でん、昨日、皆に迷惑をかけたお詫びですが?」
殿下があの場を放置したから、という言葉を気力で飲み込んだお兄様。
「朝の事もだ、途中で邪魔が入ったからな、
学園にはこの制度があるのだろう!
改めて言う、
お前と決闘だ!!!」
一瞬の間があった後、
「「「「「ワーーーーーーーーー!!!!!」」」」」
食堂が揺れるような大歓声と悲鳴が混じった声が上がります。
「マジかよ!」「殿下とエアトル家が?」「仲悪そうだもんなー」
お兄様は額に手をあて天を仰ぎます。
だから、最後の方、誰ですの?
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