王子の正義とやら
とうとうやってきてしまいましたわ。
学園の入学式。
お兄様と一緒に馬車に乗り込み出発です。
あらあらまぁまぁ、使用人の皆がまたお見送りしてくれてますわ。
あら、義妹ちゃんもいるわ。
「おおぅ、勢揃いしてくれてありがとう。
この1週間、とても快適に過ごせたよ!
クソ親父にも会わずにすんだし、後妻は遠目に一回見ただけだし。
皆がそう誘導してくれてたんだろう?助かったよ。
僕達は学園の寮に入るからまた離れるけど、まぁ近くにいるわけだし?
なにかあったら連絡してくれ!
じゃぁ、ディも一言?」
「この1週間、本当に楽しかったわ。
皆のおかげよ、ありがとう。
ハジカミ達も学園にいるわけだし、連絡も取りやすくなると思うわ。
あと、皆がナターリエの親代わりになってくれてたのよね?
排泄物両親に似ないでまっとうに育ってくれたのも皆のおかげよね。
ナターリエ、皆と一緒にこれからも頑張りなさいね?」
「ハイ、ハイ!お二人のご迷惑にならないよう、頑張ります!」
「「じゃぁ、行ってきます!」」
「「「いってらっしゃいませ!!!」」」
馬車は出発します。
「お兄様、私達、幸せですわね?」
「ああ、使用人に恵まれたよ」
馬車の中、お兄様と手を繋いで笑いあいました。
さて、学園ですわ。
入学式ですわ。
滞りなく進んでたんですけれど。
新入生代表の挨拶。
まぁ、そうでしょうね、第三王子がいますものね。
あちこちからステキ、なんて凛々しいお姿でしょう、とかお褒めの言葉がザワザワと広がる中、
壇上で片手を上げて、黙らせるあたり、王族の自覚をお持ちなのでしょうね。
「このような晴れの日に、入学できたことを嬉しく思う」
という、ありきたりな文言から始まった挨拶。
でしたが。
「学ぶ意思は平等で、機会も平等に与えられるが、平等と無礼と履き違えるな」
うん、まぁ、言ってる事はわかるんですが、言い方、もっと他に無かったんですの?
「私は王族として最高の教育を受けてきた。皆を導こうじゃないか」
いや、だから、他に言い方ってもんがね?
「王族からの呼び出しがあれば、必ず果たすべきものであろう。高位貴族としての役目を果たせ」
って、え?自分を最優先しろってこと?
え?私達の方見て睨み付けてます?
隣にいたお兄様を見ると、眉間にめっちゃシワがよってますわ。
ですよね?
なぜ、私達目の敵にされてますの?
「…以上をもって、入学の挨拶とする。
新入生代表、エクリューシ・プロシェード」
うん、拍手はするけどさ、なんですの?
「ディ?終わったら、ハジカミに連絡して調べてもらうから、今はこのままで」
「わかりましたわ」
お兄様と小声でやり取りします。
第三王子が壇上から、おもいっきり私達を睨んでくるんですもの。
そりゃぁ、私達とお近づきになりたい、なんて思う貴族はいなくなりますわ。
初日から、強制的に、ぼっち確定ですの?
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