ここに来て、そう来る?
先生やシチミと相談し、洪水のあった場所を特定、どんな工事が必要か、なんて1人でやろうとするのではなく、お兄様と相談して進めていくべきだ、と結論。
私もそう思ったし、知らない人間が間違った方向で仕事してしまって、お兄様のお仕事を増やすのは本末転倒と思ったので、
結局、私はお兄様が帰って来るまで、日々の仕事をこなすしかなかった。
それから10日ほどして、予定より3日ほど遅れて
お兄様が帰ってきた。
「ディ!!!」
「お、お、お、お、おにぃざばぁぁぁぁあああ!!!」
「え?何があったの?大丈夫?大丈夫じゃないね?
誰よ?!ディをこんなに泣かせてるの?!
って僕?!」
「ぢがいばずぅぅぅ。
わだじ、おぢぃざばがいないと、なんじもでぎなぐでぇぇぇ」
ああ、どうしましょう、感情が抑えられませんわ。
「え?え?え?何にも出来なかったって、そんなに大変な事が起きたの?」
「ユーディリア様、エミリオ様もお疲れでございましょう。
まずは、旅の汚れを落として、何かを召し上がって頂いてからにしましょう?」
「先生?…なんか、ものすっごくユーディリア情緒不安定?」
「エミリオ様の居ない初めてのお留守番でしたからな、気負ってらっしゃったのが、エミリオ様のご無事を確認して安心したのでしょう。
さぁさぁ、お二人とも、これからは毎日一緒でございます。
今日はゆっくりと疲れを癒してください」
「ばい、はいぃぃ」
「イチイもユーディリアのそばにずっと居てくれてありがとうね!後でね!」
「そうなんですぅ、チィちゃんが、ずっとずっと支えてぐれだんですぅ」
チィちゃんのアピールもしておかなければ!!
「ハイ!ずっとユーディリア様のお側におりました!!眼福でした!!」
…チィちゃん、そうじゃないわ。
「イチイがそのまんまで、安心する日が来ると思わなかった…」
お兄様が苦笑いしてますわ。
先生からの提案で、疲れた頭と身体で話しても良いことありません、今日はぐっすり寝て、明日から始めましょう、ということになりましたわ。
でも、とりあえず、お兄様とぎゅーだけはしておきましたわ。あら、チィちゃんも混ざります?
あら、ロアも?
そして迎えた次の日。
「これより、報告会を始める!
まずは、領地の巡回からね?
とりあえず、滞りなく村は回ってきた。概ね、好評だった。
僕の顔と、これからの方針は受け入れられて、今年の冷害に対する備えは始めていること、
被害があった場合、人を派遣して調べて、順次、支援するつもりで居ることを伝えてきた。
ただ、1ヵ所、というか、1人?やたらホネが気にする人間がいた。
ホネ!報告を!」
「お、おぅ?
僕に回ってくると思わなかった。
山の麓の村なんだけど、まぁ、小さな村にはありがちの排他的村で、よそ者を受け入れないんだよ。
そこに、1家族、新入りっぽいのが居たんだよね。
そこの息子がエミリオと同じ位の年だと思うんだけど、やったらエミリオを睨んでたんだよ。
ブツブツつぶやいているから、まぁ目視出来るくらいの距離ならエミリオから離れられるし?
ちょっとそいつ見に行ってみたら、
〝悪役〞とか〝正義ヅラしやがって〞とか〝剣はオレのモノだ〞とか、
もうさ、コイツが瘴気を生み出すんじゃないか、っつーぐらい、嫉妬や妬みがひどいの。
他の村人から疎外されてるからかもしんないけど、
何か、一押しあったら、アレは闇堕ちするかもしれん。
だから、もうあそこから離した方が良いと思ってさ、軍で働かないか、ってエミリオから話して貰ったんだよ。
そしたら、時期が来るまで離れられない、とか言うしさ。
何か狙ってるんだよなぁ、欲望丸出し。でもそれが何か、わからん」
…え?ウソでしょ?転生者?
〖聖玉の剣〗を知ってる?




