真っ当な感覚が育ってない
「こっちの方から来たよね?進んでみようか」
お兄様が指揮を取ります。
「では、俺が先行します」
ライ様が露払いをしてくれるようですわ。
少し進むと、ホネがわらわら出てきます。
ライ様が縦横無尽に駆け回ると、バキバキと聞こえて、ホネが塵になっていきます。
たまに、ドンと地面に穴ができてます。
「ワサビ、ライ様が走るとホネが消えるの?」
「あれは、走りながら殴ってるっす。所詮ホネなんで、一発で終わりっす。
たまに勢い余って地面に当たってるっす」
「なんで、あんなに脆いのに、軍の皆さんは一旦引こう、と言ったの?」
ホネ、骨粗鬆症なの?
「魔法の攻撃やセンバの殴打と、一般兵の攻撃力を同じと思っちゃダメっす。
それに、普通の兵士はあんなに早く走れないっす。
しかも、お嬢様が殴ったってわからない位早く、殴りながら走れなんて、普通の兵士に求めるモノが高すぎるっす」
「ディ、僕達センバを見すぎて、感覚がおかしいからね?」
「じゃぁ、普通の兵士の皆さんが魔物を倒すとしたら、どんな風に倒しますの?」
「俺達が軍の訓練に参加して、見せてもらった時は、数人で囲んで足止めをしている時に、後ろからグサリっす。
なんせ、魔物から傷を受けたら、その時点でそいつは戦線離脱なんで、陣形が崩れるっす。
だから、前で魔物を引き付けながら、攻撃を受けないように仲間との連携を大事にしてたっす。
そんで、後ろからグサリ。
なので、あの精鋭達で1体に3人かけてるっす」
「なるほど。それじゃぁ、引こう、と言いますわね」
「だから、本来、僕達高位貴族が討伐に参加して魔法で加勢して、義務を果たすことで敬ってもらえるのに、クズどもめ、ひとっつも義務を果たしやがらねぇ!!」
「あ、お兄様がお金がないって言ってましたわ」
「クズ侯爵には言ってある。金はもうない、屋敷にあるもの売って金にしろって。
そしたら、それを聞いたクソ親父、使用人達の給料減らそうとしたらしい。
そしたら、みんな辞めるって言い出して、快適空間をもたらしてるのは使用人達ってわかってる侯爵が、そこは止めたらしい。
でも金がないのは本当だからね。さて、どうするんだろうね?」
「お二人とも気をつけて下さい!多分、そろそろ大元に着きます」
「あ。そうでしたわ。
ライ様は、大丈夫ですの?疲れてませんの?」
「天使が「リアですわ!」りりりりリア嬢が俺を心配してくれた…」
「え?だって、全部倒してくれましたもの。大丈夫かな?って思って」
「りりりりリア嬢が天使!お望みなら、これから王都まででも走ります!」
「「やめて!」」
お兄様と全力阻止しますわ。
そして、たどり着いたのは、高さ2メートルぐらい、幅3メートル位の大きな岩が鎮座し、
辺りにはイヤな気配が満ちた場所だった。




