4 断罪って・・・
「あのさぁ。コレ、今、どんな状況なんだ?」
「断罪中!」
ナンテフオンナコトバ
「断罪中ってどういうこと?」
「えっとね、王太子と宰相の息子と騎士団長の息子と大商人の息子とヒロインが、ヒロインを虐めていた悪役令嬢を断罪しているところなの。」
「へぇ~」
俺の目には、一人の女の子を寄ってたかって責めている様にしか見えないんだが。
ムシロ、コレコソガイジメナノデハ?
というか・・・
今の俺はヒロインの中にいる。
つまり・・・
「俺がいじめの張本人じゃん!」
「やだなぁ、お兄ちゃん。これは断罪!
正義は我にあり!」
ウルセェ
「ちなみに、令嬢さんはどんなことをしたんだ?」
「教科書を破いたり、物を隠したり。」
その程度で衆人環視の中で吊し上げ!?
「まぁ、証拠はないんだけどね。」
「冤罪かもしれね~~~~じゃんっ!!!!!」
「状況証拠はあるんだよ?」
「ほう?」
「金髪の人が走り去ったんだって!」
「該当者多っ!!」
何でそんな証拠で堂々と断罪できるんだよ!
「そんなもんだよ、乙女ゲームって」
「乙女ゲームを作っている人とファンに謝れ。ちゃんとした設定のゲームもあるはずだ!」
「お兄ちゃん、急に怖いよ。えっと・・・皆さん、ごめんなさい。」
「問題発言は厳に慎むように!」
「はい!」
「後ね、悪役令嬢には犯行の動機があるんだよ。」
「ほほう?」
「ヒロインがね、悪役令嬢の婚約者を奪っちゃったの。しかも、みんなにわかる様に堂々と。悪役令嬢さんのプライドと世間体はズタボロね。」
「10000%、悪いのはこっちじゃねえかぁ~~~~~!!!!!!!」
どの面下げて断罪なんてしているの!?
悪役、こっちだろ!
「だから、乙女ゲームってそん・・・」
ギロッ
「すいません・・・」
知らなかった。頭の中同士の存在でも睨みつけることってできるんだな・・・
シラナクテモイイジョウホウダケドネ
フゥ