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1 カオス
俺はただただ呆然としていた。
何だ、このカオス。
目の前では、輝くばかりのイケメンが、これまた輝くばかりの美女相手に怒鳴りつけている。
「お前という奴は、私の愛しいオリビアに・・・」
「私はその様なことは・・・」
美女さんも何か答えている様だが、全く頭に入ってこない。
コノヒトタチハダレ?
ココハドコ?
自分の手を見てみる。
・・・女の手だ。
ナンデオレノカラダガオンナニ?
情報過多で、思考が全くまとまらない。
そして・・・
「きゃ~、ゲームの世界に入っちゃった! ありえない! ありえない!」
やたら嬉しそうな妹の声が、頭の中で鳴り響いてる。
・・・なんだ、このカオス。