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やらかした転生者達

「─で、急に魔法が使えなくなって──」

 ラチェアの理不尽なグーパンに耐えながら、僕は説明を続けた。

 この人、話のテンポをつけるみたいに叩いてくる。

「─耳に水の魔法陣で栓をしたんですが、バンシーの叫びを遮りきることができず……」



 僕は全てを話した。

 今迄隠していた前世の記憶の事、転生者かもしれない事まで。


「えっ!十五?」

「成人前?小さいのぅ」

「俺と同い年?」

「ウチの二つ上?」

 ラチェア、ヘンリス、ジャクダウ、カリハ、感想がそれ?

 僕は殺されかけたんだよ。おそらく世間的には死んでるんだよ。それに転生者だよ。

 それよりも、年齢の方が驚くポイントなの?

 唯一、口を開かなかったバーントも、目を見開いているし…………。


「で、え〜と、あ〜〜…………」

「『変態!』」

「あ、ああ、その『変態』君な、前世の記憶とか転生者ってのは、黙ってた方が良いぞ」


 明らかに僕の名前を覚えていないラチェアに、変な呼称を伝えるカリハ。

 僕は出会って僅かにして『変態』認定されてしまっている。何故?


「カリハ、今は真面目な時やから、ちゃんと言わなあかんで。ラチェアさん『ジャリムス・エンファ』」

「ん、あっ、そうなん、ジャリム……。ジャムで良いだろ。どうせ、死んだことになってるんだし。よし、『ジャム』。お前は今日から『ジャム』だ」


 今ここで改名!

 って、死んだ事になってる筈だから、新しい名前が必要だったんだけど、こんな簡単に決まってしまうなんて……。個人的には、『ピサロ』とか『ロビン』とか格好良いのが良かったのに、『ジャム』か…………。


 そして、ラチェアは転生者の事を教えてくれた。

 ラチェアは、何人か転生したというものを見た事があるらしく、その全てが生きることにリアリティがない、自分だけは特別だって意識が高いらしく、鼻持ちならない存在だったそうだ。そして、いろんな転生者がやらかした事件も教えてくれた。


 ひと段落したところで、死体の持ち物を検めていたバーントが、そっと羊皮紙のロールをラチェアに渡した。

 羊皮紙に目を通し、不機嫌な表情を作る。

 バーントは、執事長の死体を指差した。

 彼が持っていたのだろう。


「やめだ、やめ。バーント、ヘンリス帰るよ。ジャクダウもカリハも分かったね。ジャム、お前も付いてきな」


 そう言うと、ラチェアは手に持った羊皮紙を見せてくれた。


「地図?この数字は…………」

「ここのダンジョンは帝国に育てられてるんだよ。途中にあった穴ん中に魔力の高い奴らを落として、ダンジョンの栄養にしてる。その数字は、魔力値によって落とす穴がどれなのか示してるんだ」


 ラチェアの説明は、僕が考えていた通りのものであった。ただ、羊皮紙の下に捺された王家の紋章から、それが帝国として定まったものである事、各貴族家に報奨金付きのノルマとして割り振られた物であった事までは、考えが及んでいなかった。

 つまりは、僕が魔法を使えようが使えなかろうが縦穴に落とされる事に変わりはなかったのだ。


 ラチェアが先程獲ってきたであろう鹿をヘンリスが背負い、歩き始める。


「肉は森を抜けてからだ」


 そう言ったラチェアに僕は、言葉を返す。


「森を抜けるなら、逆方向かと…………」


「はぁ、こっちに行ったらショートカットに…………ならない?」


 不覚にも、ラチェアが可愛く見えてしまった。



 ◇◇◇◇◇◇


[転生者のやらかし](一部)


・王都、集団食中毒事件

 マヨネーズという新しい調味料を拡販するが、それにより食中毒が発生。貴族区を中心に二千数百人が食中毒となる。


・スライム大量発生による都市壊滅事件

 排泄物処理にスライムを利用する事で、当初は都市の衛生問題を解決したが、スライムの肥大化、大量増殖により処理施設よりスライムが溢れ、都市を壊滅させてしまう。


・スライム大量発生による都市壊滅事件②

 上記施設により、従来、排泄物を肥料転用していた排泄物処理業者が仕事にあぶれ、大量倒産したことにより、失業者が増えると共に、肥料不足による農作物の生産量減となり、都市は慢性的な食料自給率の低迷と農村部の過疎化が進む。


・娯楽玩具登録詐称事件

 従来からある娯楽玩具『白黒』を『リバーシ』と名付け、新規登録。登録事業に多大な信用不安を与える。


・精霊魔法効率化事件

 魔法の効率化と称し、本来、精霊の力を借りることによる魔法を、精霊を使役し、その力を絞り出す魔法に改変。それにより、精霊界のバランスを著しく乱し、精霊不在地を発現。それにより、生物の生息不可能な地が現れることとなり、世界的な環境問題となる。


 

【昊ノ燈です】


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