更に崩落
どのくらい進んだのだろう。
マドゥとキュラの顔にも、薄っすらと疲労の色が見え始めた。
僕?
僕は完全にヘバッてしまって、マドゥの肩に乗せられてるよ。
いやぁ、マドゥは別にしても、キュラも体力あるよね。僕よりも小さいのにさ。
癒やしの湖の効果なのか、マドゥの右手も動かせるようになっていた。でも、見た目は炭。
階層は、どんどん下り、ダンジョンの様相も変わってきた。
蒼く光る鉱石を見ることが無くなり、白く艷やかな鉱物が目立ってきた。光源となる石が減ったのに、明るく感じるのは、白い鉱物の反射率が高いからだろうか?
「なんかさ、出口ないね」
「でも、風の流れがあるから」
「ウン、行ってみるしかないね」
「それに、上の方でドンドンいってるから、もう上がれそうにないしね」
そうだ、今でもドンドンという音と共にダンジョンの崩落が続いている。
キュラの村にいた奴らだと思う。
でも、しつこい。
本人達も、ダンジョン崩落に巻き込まれて危ないだろうに……。
「でも、そろそろ魔獣達を避けるのも難しくなってきてる」
「NfkCQVY」
「ウン、その時はお願いね」
── グワラガラガラ
一際、大きな崩落が起こった。
近い!
斜め前方。
崩落と共に落ちてくる巨大な蜥蜴のような魔獣。
白い……、内臓が透けて見える程の白い大蜥蜴。
それが落ちてきた瞬間に顎を広げる。
そして……、
「ハッハァー!見つけた!殺す!殺す!【Thunder】」
崩れた天井の穴から一人の男が、嗤いながら魔法を撃ってきた。
雷撃は、僕たちに食らいつこうと、飛びかかった大蜥蜴にヒット。
一瞬、たじろいだ大蜥蜴は狙い目を男に変える。
「クソッ!【Thunder】【Thunder】【Thunder】ガキが死ねぇ──グェッ!」
男の放った雷撃が周囲に粉塵を巻き起こす。
ダンジョンは再び崩れ、僕たちは更に下層に落ちた。
下層を歩いている。
僕は、相変わらずマドゥに運ばれている。
横には水が流れ、小さな川を作っていた。
川の流れに沿って行こうと、決まったからだ。
「なに、あいつ?」
「キュラの村を襲ってた奴だろ」
「それは分かってる」
「自分でダンジョン壊して、自分で魔獣呼び寄せて、襲われた馬鹿だろ」
「それも分かってる」
「じゃあ、何?」
「魔法速くなかった?」
「確かに……」
確かに魔法が連射されていた。一発一発の溜めがほぼ無かったように感じる。
「JADPIilofcOJY」
「ウン、やっぱり……」
「なんだって?」
「魔素がかなり濃くなってるって。それが、魔法に影響を与えてるんだろうって。流石、マドゥ様!」
「へぇ、そんな事があるんだ……──っ!マドゥ、あれ!」
瓦礫の隙間に見慣れたバックパックが見えた。
埋まっている?
カリハだ!
僕はマドゥの肩から飛び降り、バックパックの元に走る。
「カリハ。カリハ。カリハ。」
カリハの名を連呼しながら周りの土砂を掘り除け、バックパックをひっくり返す…………動かない。
自分の非力を恨みながらも、必死にひっくり返そうと力を込める。
バックパックが横にズレ、バックパックにくっついた身体が見えた。
「カリハ!」
動かない。
僕は、自分でも気付かないまま涙を流しながら、カリハの顔の部分の土砂を掻き分けた。
「ほら、あんな大声出すから、魔獣が寄ってきたじゃない」
キュラの責めるような言葉に、僕は小さくなっていた。
幸い、小型の(と、言っても常識的には十分巨大だが)鼠が二匹来ただけだったので、マドゥが切り捨て、川に流した。
ちなみに、カリハは生きていた。
崩落に巻き込まれて気を失っていただけだった。
とりあえず、命に別状がないのにホッとしたけど……「あんなに取り乱しちゃって。カリハ〜!ってな感じで、熱いね〜」なんて、キュラに弄られ続けている。
マドゥの生暖かい視線も気になるし…………。
いや、自分でもさ、何であんなに取り乱したのか分からない…………いや、少し分かる。
あ〜〜もう。
ところで、ジャクダウは?
モチベーションが…………。
お立ち寄りいただけた皆様、どうかアクションをお願いいたしますm(_ _)m
頑張れの一言、星、ブックマークなんでも良いので、私にモチベーションを…………m(_ _)m




